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第443回 「基準値」を持つことの重要性 その1

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も前回に引き続き、先日、ある某企業でやった社内セミナーの、クローズドのセミナーのお話をしていきたいなというふうに思います。

早速、スライドをお願いします。前回の振り返りからなんですけども、某大手のB2Bの企業の主催するセミナーで、そこのB2Bの企業のクライアントがB2Cの消費財メーカーであって、その消費財メーカーを呼んでこういう内容でお話をしています。「コロナ禍で明確になった海外販売チャネルの重要性 ~強固な販売チャネルの構築に向けて~<ASEAN編>」ということでお話をして、前回、この番組で第1章の「「思考」が戦略に与える影響」というお話をしたのですが、今回は第2章の「「基準値」を持つことの重要性」についてお話をしていきたいと思います。

じゃあ、次のスライドをお願いします。第2章、「「基準値」を持つことの重要性」ということですが、実は今、ASEANに展開している多くの企業、特にマーケットシェアが低い企業は、自分たちの競争力の「基準値」を持ち合わせていないということが非常に多くあって、ほとんどの場合は自分たちの競争力の「基準値」を数値で答えられない状態にあると思います。なので、「自分たちが進む方向というのは対前年比110%である」と、「チャレンジ115%やる」みたいなことをずっと追いかけていっていて、その中で4~5年で1回人事ローテーションで帰任・赴任を繰り返すという中で、現地でずっと生活をしている小売事業者であったり、ディストリビューターなんかとは、4~5年の関係が引き継ぎをされて繰り返されていくという、そういう状況になっていると。

重要なのって海外売上比率ではなくて、海外の市場で言うと、その国の単国のマーケットシェアがどうなのかということを追い求めていかないといけない。なぜならば、マーケットシェアが合わなければいずれ淘汰されてしまう。「自分たちの対前年比110%、120%やり続けよう」は、これって相対的な話なので、「相対的にマーケットシェアがどれぐらいなの?」ということを考えていかないと、いずれ淘汰されてしまう。導入期はもちろん海外売上比率とか、対前年比110%、120%成長でいいのかもしれないですけども、恒久的にはやっぱりシェアを考えていかないといけない。

このシェアを考えたときに「基準値」、競争力の「基準値」というのが非常に重要で、これはどういうものかと言うと、「主要競合の競争力を100とした場合、自分たちの競争力ってどれぐらいなんですか、80なんですか、70なんですか、はたまた50なんですか、40なんですか」ということを数値で把握するということはすごく重要で。なぜならば、この数十とかっていう差異がいわゆるシェアの差になってくるわけですよね。競争力にこれだけ数字で差があるので、もちろんそれだけ日々、今現在シェアが開いていくということになるわけなんですよね。この数値を「基準値」としてしっかり持たないと、「いや、自分たちの「基準値」は対競合に対して今これぐらいなんだ。だから、これを3年で20ポイント上げないといけないんだ。そして、5年で競合よりも高い「基準値」を持たないといけないんだ」ということを認識をして、これで初めてシェアの戦いに参入できるというか、参加できるということになるんですよね。
その話をね、今日全部したかったんですけど、ちょっと時間がきちゃったので。「「基準値」とは何か」ということの説明を今日しましたが、具体的に、「じゃあ、実際にどうやって「基準値」を持つんですか」という話を、次回、その2ということでお話をしていきたいなというふうに思います。

今日はこれぐらいにします。また次回お会いいたしましょう。