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第444回 「基準値」を持つことの重要性 その2

テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は前回の続き、その2ということで、「基準値」を持つことの重要性 その2」のお話をしていきたいと思います。

スライドをお願いします。「「基準値」を持つことの重要性」ということで、前回、この「「基準値」って何ですか」というお話をしたと思うんですけど、もう1回おさらいで簡単にお話すると、競争力のことを言っています。競争力の「基準値」を言っています。「主要競合の「基準値」を100とした場合に、自分たちの競争力というのは80なのか、70なのか、はたまた50なのか、40なのか」ということをしっかり把握しないと、その差異を埋めていくという具体的なアクションにつながらないですよね。マーケットシェアの差というのは、自分たちの競争力の、特に販売チャネルの競争力をここでは指しているのですが、その差であると。その差を埋めない限り、シェアは埋まっていかないので、基本的にはこの「基準値」を把握するということはすごく重要で、多くの企業がこれを測り切れていないというのが今のASEANの日系企業の進出、消費財メーカーの実態だと思います。これは消費財に限らず、B2Bもそうなんですけども。

次の2枚目のスライドをお願いします。3つポイントがあって、どういうふうな「基準値」を見ていくかなんですけども、基本的にはこの1、2、3、チャネル・ストラクチャーの可視化、組織体制の可視化、マネジメント体制の可視化ということをやっていく必要があって。

チャネル・ストラクチャーの可視化というのは、自分たちがマーケットシェアを上げるために、売上を上げるために、どういうストラクチャー、どういう構造のチャネルをつくっているんですか。これはどのエリアに何社の、どれぐらいの規模のディストリビューターを置いて、どういうふうにターゲットに対してリーチさせているのか、もしくは直販部隊はどういう人員構成で、どういうふうにターゲットにリーチしているのかという全体のデザインですよね。このチャネルのデザインが非常に日本企業は下手で、ここを希望観測的にやってしまう。とにかく強いと言われている、大手と言われている、実績があると言われているところととにかくタッグを組んで、あとは良きに計らえじゃないですけども、かなり性善説で、「良いところと組んだので、私たちの商品は良い商品だし、きっとうまくいくはずだろう」ということで、どんどん進めていってしまって、このチャネル・ストラクチャー、最初のデザインが間違っているという企業が非常に多いんですよね。でも、デザインこけると、そのあとどれだけ頑張っても全部こけちゃうので、デザインをやっぱりしっかりやらないといけないというのが、このチャネル・ストラクチャー。

2つ目の組織体制。しっかりとしたチャネル・ストラクチャーが出来上がりましたと。二次店、三次店、直販、すべてがこういうデザイン、これだったら物理的にターゲットにリーチできるねというデザイン、チャネル・ストラクチャーが出来上がったんだけども。じゃあ、そのストラクチャーの中で動く組織ってどういう体制なんですかということをしっかり可視化をしないといけないわけですよね。結局、素晴らしいデザインを描いても、その中で動く組織がだめだったら、これはまったくワークしないので、「その組織がどういう組織なの?」ということを自分たちの組織と比較するということをやりますから、組織体制というのはしっかり可視化をする。

もう1つが、じゃあ、その組織が確かにこれ100人の部隊がいて、こんなスペックのスキルセットを持った人材がいるということが分かっても、「じゃあ、それをどういうふうにマネジメントしてるの?」と、「誰がいつ、何を、どこで、どうやっているの?」みたいなところをしっかり可視化していかないといけない。素晴らしい組織でも、これはいわゆるマネジメントが良くないとパフォーマンスが最大化されませんので、競争力としては低くなるわけなんですよね。

だから、良いチャネル・ストラクチャーに最適な組織体制を、最適なチャネル・ストラクチャーに最適な組織体制を持ち、それを最適にマネジメントすることで初めて高いパフォーマンスが出せるので、「競合のこの1、2、3がどうなっているの?」ということをやっぱり丸裸にして、それを自分たちと比べるということをやらないと絶対だめ。それを比べると、そこで初めて「自分たちって競合に対して70しかないんだ」と、もしくは70あるというのは立派なものだと思いますけど、「これは半分ぐらいじゃない? 半分以下なんだ」ということをやっぱりしっかり知ることが重要で、これができると、具体的に「チャネルがこういうふうに足りないからここを補おう」とか、「組織体制はこういうふうに足りないから、こうして補おう」とか、「マネジメント体制って全然だめだったんだね。こうしよう」みたいなことが見えてくると。

それぞれちょっと1つずつ分解していくと、例えば、最初のストラクチャーなんですけど、ディストリビューターの数と質で大きく劣っているということは非常に多いと。その差異を具体的に数値で把握できていない。例えばA社、競合A社は100社のディストリビューターを使っていて、伝統小売20万間口ベトナムで配荷していると。ベトナムが66万店ぐらい、今、伝統小売がありますけども、そのうちの20万店カバーしていると。1社あたりのストアカバレッジって2,000で、シェア30%持っていますよと。シェア30%獲るって、こういうチャネル・ストラクチャーじゃないと獲れないんですね。

一方で、日本企業は、良い商品を持ってます。自分たちが思う良い商品。1社のディストリビューター、1カ国1ディストリビューター制みたいなことを、わけ分からない、やって、その先に二次店があるんだと。でも、ちょっと二次店がどういうところかはいまいち把握できていませんみたいなね。それで、把握できていないということは、結局その先どうなっているか分かっていないわけだから、1社のディストリビューターで1,000ストアカバレッジしか持っていない。1社あたりのストアカバレッジは近代小売の1,000店舗だけみたいな。あと、伝統小売はなんかちょろちょろあるけども、数千レベルですと。二次店がいくつか動いているみたいですけど、そんなものですみたいなね。それでシェアは1%以下みたいな、これをもう7年8年続けています、みたいな企業が結構多いと。

チャネル・ストラクチャーを可視化して、自分たちの「基準値」を掴まないと、間違ったストラクチャーでどれだけ頑張っても、これシェアなんて絶対上がらないので、例えばストラクチャーに関してはこういうこと。

次の組織体制に関しても、左側が組織体制なんですけど、どういう組織で、要は統括部長、これがどういう人材なの、どういうスキルセットなの、どういうスペックの人材なんですかということは絶対に可視化しないといけないし、エリアマネジャー10人ぐらいのプロフィールぐらいはしっかりと把握をしていくということでできれば非常に良いと。場合によってはこれを引っこ抜いてくるみたいなことをやるわけなので。結局このエリア担当がいくつのディストリビューターを担当していて、こういう組織、これだともう数的に全然足りていないねと、エリアマネジャー、うち2人しかいないからみたいな。ディストリビューターの数もそもそもストラクチャーで分かっている通り足りていなくて。じゃあ、これ、エリア担当が1人でこれだけやっているのかと言うと、そこにセールススーパーバイザーとかアシスタントみたいなの、何人チームでやっているみたいなことがもっと細かい組織体制が見えてくるので、そういうことを可視化して。じゃあ、それが日々デイリーで新規獲得と現状のいわゆる獲得、現状の伝統小売獲得、いわゆるもうすでに配荷が済んでいるところのフォローと新規獲得をどういうマネジメント体制でやっているの?みたいなことを見ていくと、だいたい1人あたりのセールスが伝統小売を1日に回れる数ってMax20。けど、20回らせると、途中で疲弊し始めるので、まあまあ15ぐらいで抑えておく、その代わりきっちり商談させるというのがたぶん良くて。15~20ぐらいやる中で、どういう割り振りで新規と既存店のフォローというのは決まっているんですかと。

あと、地元出身を地元に回すということもすごく重要で、これはなぜかと言うと、もう小さい頃から慣れ親しんだ伝統小売のおじちゃん、おばちゃんに対して商売するわけですから、融通が利くというか、顔見知りなので、「おー、今、頑張っているのね、あなた、そこで」みたいな話になって、「じゃあ、分かったわ。仕入れておくわ」みたいな話にもなりやすいので、結構できる限り地場調達、地場配置みたいな、そんなことをセールススーパーバイザーなんかはやっているので。こういうことを可視化していくと、「ああ、なるほど」と、「なぜ伝統小売の配荷の現場でうちのセールスが負けるの?」と言うと、「それは地元の人を使っているもんね」となるわけですよね。まったくゆかりのないところにそれをあてがうとまったくだめなので、やっぱりそれは地場地場で当てていくということをやっていくと。

こんなことをやるのが「基準値」を持つということの重要性で…。ちょっとね、また次回、その3でもう少しお話したいので、その3でちょっとまた整理をしたいと思います。

今日は以上になります。また次回お会いいたしましょう。