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第491回 【本の解説】どの地域を狙うべきなのか

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『グローバル・マーケティングの基本』 日本実業出版社から出している本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。

今日は、ページ229ページ、「5-4 どの地域を狙うべきなのか」ということで、成功しやすい国とね、失敗しやすい国というのがやっぱりあって、アジアの話ですけどもね、その中でも成功しやすい国と成功しにくい国というのが中堅中小企業にとってはありますよと。中堅中小企業は大企業と違ってマーケットがでかいところで経営資源をふんだんに使って、本当に勝ち負けの戦いをするかって言うと、そうじゃなくてね、対競合に対して。そうではなくて、別に競合に勝たなくてもいいし、一番になる必要もないと。自分たちの求める売上、一番は利益ですよね、利益をある一定の期間でしっかりと稼ぐということが中堅中小企業には大切で。そうなってくると、必ずしもでかい市場が中堅中小企業が出る市場ではなかったりするわけですよね。例えば、でかい市場で言ったら、じゃあ、中国に出なさいよとか、インドに出なさいよという話になるわけで。けど、中国とかインドで本当にそんなでかい市場、中堅中小企業が要るんですかと。そんな大きな利益を求めていましたっけと、そもそもね。あなたたちが求めているのって、まず数億円、そして、ひいては数十億円。だったら、もっとやりやすい国から攻めていきましょうよというのが根本的な考え方のベースで。そうすると、やっぱりどの地域を狙うかによっても全然成功確率が変わってくる。難易度の高い国を狙えば狙うほど、中堅中小企業がインドなんかを狙った日には、大企業でも成果を出すのが大変なのに、なんでそんなところへ行くんですかと。それによって成果が遠のいてしまって、なかなか海外展開の実績がつかないなんていうケースはあるわけなので、やっぱり実績が出やすい国から出るということがすごく重要で。そこでしっかりトラックレコードをつくって、経営資源もしっかり社内に蓄えて、それからやっぱり大きな市場に変わっていくということがやっぱり順序としてはすごく重要で。その難易度の高い国と低い国というのはどうなのかということをちょっと今日は見ていきたいなというふうに思います。

では、スライドをお願いします。この図の通りなんですけど、グループAからグループDまで、グループAが難易度が低くて、グループDが難易度が高いと。これはインダストリーにもよるんですけども、一般的にはほぼほぼこんな感じになると思います。中堅中小企業にとっての一番難易度が低いのはグループAで、香港、台湾、シンガポール、韓国。韓国はね、一時期ちょっと反日のあればだいぶありましたけど、今は落ち着いているのであれですけども、結局何が言いたいかと言ったら、日本に近しいとかね、日本の文化とかにすでに親近感があると。まあまあ、反日みたいな一面もありますけども、基本的には日本の文化の浸透度合いがなかなか良いという国で、なおかつ近代化している、香港なんかは完全に近代国家ですし、台湾もそうですよね。シンガポールもそうだし、韓国もそうですと。ということは、やっぱりグループAでやるということが非常に良くて。レギュレーション的にもそうなんですよね。輸出入に関してあまりうるさいごたごたがない。特にシンガポールとか香港とかっていうのはフリーポートなので、基本的には、例えば食品の輸出に関してもFDAの許認可を取るためにどうのこうのみたいな話はないわけですよね。そうすると、比較的非常に楽だと、そういう面でも非常に楽ですよというのがこのグループAで。

グループBというのは今度は中国で、昔のね、20年前の中国に比べて今の中国もだいぶやりやすくなりましたけど、華北・華東・華南というふうに大きく3つの地域があって、その中でもやっぱり大都市、上海・北京・広州・天津・深セン・武漢・成都・重慶といったような大都市圏、これはもう1つの国として見てももう十分なので、重慶の経済力とシンガポールの経済力って、重慶のほうが上だったりとかね、GDPがね、そういうぐらい大きい都市なので、基本的には1つの国として見てもらって構わないと思いますけども、このグループBがあって。

そして、このグループC。グループCもね、これ、ごめんなさい、もしかすると、CLMとかはインド側に移したほうがいいかもしれないですよね。MT、マレーシア、タイ、SMTのね、シンガポールはグループAなので、残りのMT、マレーシア、タイが1つあって、あとVIP、VIPのほうがMTよりもちょっと難しいので下に置いていますけど。CLMはだいぶ難しいので、基本的にはこのインドと同じ、もしくはインドのちょっと上ぐらいに移したほうがいいかもしれないですけど、そうなってくると。なぜならば、いろんなものがまだまだ未成熟なので。じゃあ、カンボジア、ラオス、ミャンマーで売るためにそれだけコストを下げられますかと。日本の企業はなかなか難しいんですよね。インドの広大な地域でね、じゃあ、都市を選んで、文化が相当に違う中で、本当にどれだけ売れますかと言うと、実績が出ていないですよね。一部の大手のBtoBの企業とかは実績が出ていますけど、特にBtoCなんかはやっぱりなかなか大変な思いをしているので、難易度は非常に高いですよねということが言えると思います。なので、相当な準備と経営資源を用意していく市場ということになるのかなというふうに思います。

ということで、今日のね、「5-4 どの地域を狙うべきなのか」ということで、成功しやすい国、しにくい国ということでお話をさせていただきました。では、今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。