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第533回 B2B 「基準値」を持つことの重要性 その2

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、B2Bの製造業向けのお話をしていきたいと思います。

今日のお話ですけども、前回、基準値の重要性のお話をしました。例えば、100億をやりたいとか、シェア20%を獲りたいとなったときに、じゃあ、100億をやるための基準値って何なの?シェア2割を獲るための基準値って何なの?どういう基準値を持たないと100億円達成できないのか、2割のシェアを達成できないのかと。この基準値を持たないまま進んでも、この非常にぼわっとした中進むことになるので、明確に基準値を持つということは重要ですよと。何をすれば100億になるのか、何をすればシェア2割になるのかということを、これが基準値ですから、これをよりブレークダウンして具体化するということが100億円への近道だし、シェア2割への近道だという、そういうお話をしました。

そんな中で、基準値、自分たちが基準値を持つために、競合を可視化する、調査するということは大変重要で。なぜならば、マーケットに出るということは、ひとりよがりで何かをしているということではなくて、対競合との戦いなわけですね。市場環境と競争環境がどうあるかということがマーケットに出る上で非常に重要になってくるので、競合からシェアを奪えなければ、自分たちのシェアは絶対上がらないわけですよね。そうすると、やっぱり競合を100とした場合に、自分たちが今現状うまくいっていないということは、基本的には100以下なわけですよね。じゃあ、100以下なのが、90なのか、80なのか、それとも30なのか、20なのか、ここを見ていかないといけなくて、その開いた差をどうやって埋めていけるかということがシェアを上げていくとか、売上を伸ばしていくということにつながるので、やっぱり競合の脅威を具体的に数値で把握して、その上で自分たちの基準値を決めるということは本当に重要で。ただ競合は強いとか、弱いとか、自分たちの製品のほうが品質がいいとか、彼らは強いけども品質は悪いとか、そういう話はあまり関係なくて、競合を100とした場合に自分たちの競争力、競争力が全てなので、これ、製品の品質も、例えば、販売チャネルも、アフターサービスの能力も、何もかも全部トータルで競争力で、この競争力をトータルバランスで勝っていなかったら、シェアは上がらないし、売上も上がっていかないわけなので、やっぱり競合を可視化するということはもう本当に重要。

今日は、競合を可視化する場合に、じゃあ、どこのポイントを可視化すればいいの?というところのお話をしていくわけですけども。ちょっとスライドをお願いします。競合の可視化、B2Bの製造業が基準値を掴むために競合を可視化するときに、僕はこの3つのことをまず可視化することを推奨しています。1つは、販売チャネル・ストラクチャーの可視化。彼らが、例えば、高いシェアを上げているとなるんだったら、その高いシェアを上げている要因ってどこにあるの?と、僕は製品の優位性よりも圧倒的に販売チャネルの優位性、こっちのほうがシェアに直結しているんですよね。売上に直結しているんですよね、新興国市場で。そうすると、製品がいいのはもう分かったので一旦置いておいたときに、じゃ、販売チャネルの競争力を比較したときに、どうですかと見ていくと、やっぱりね、実際にシェアの高い企業とシェアの低い企業の販売チャネルってものすごい差があるんですよね。分かりやすく言うと、シェアの高い会社は10社のものすごく強いディストリビューターを使っているのに対して、シェアの低い会社は2社の弱いディストリビューターしか使っていなかったとかね、これは製品どれだけ良くても無理でしょうみたいな。良い製品が売れるわけじゃないんですよね。お客さんのところにしっかりとライトタイミングで届く商品が支持されているわけなので、そして、安くて、もちろん安く売る必要はなくて、1円でも高く売る必要があるんだけど。どれだけ品質が良くたって、お客さんのところに届き切らない商品なんていうのは絶対に売れないので。

商品の差ってね、「なかなか買えないんだけども、ここの商品じゃなきゃ駄目だ」っていうぐらいの独自性、御社にしかできないような商品なんだったら、それはそれで構わないけども、もうそうじゃなくなってきている、中国の企業でもアジアの企業でもつくれる、そうなってくると、やっぱりチャネルの相対的な優位性というのは、商品の優位性よりも圧倒的に勝っているので、まずチャネル・ストラクチャーを可視化するということは重要です。

あと、じゃあ、組織体制、どういう競合は組織で、これは直販、ディストリビューター経由含めてね、どういう組織でマネジメント体制とか、3番のね、何をしているかということはすごく重要で。チャネルの全体のチャネル・ストラクチャーの可視化というのはね、全体像みたいな話なんですよね。全体像をどう見るか。全体像って、これはデザインなので、なるほど、シェア2割のデザインがしっかりされているなとか、これはやっぱり売上100億いくデザインがされているよねと。そもそもデザインができていないのにシェア2割なんかいかないし、100億なんかいかないわけですよ。どれだけおいしい水を流したって、水道管が顧客まで届いていなかったら、顧客がその水を飲むことは絶対にないのと一緒で、チャネル・ストラクチャーのデザインってすごく重要で、その可視化がしっかりできているか。

じゃあ、そのチャネルの中でどういう組織が動いているのか。いくら大手のディストリビューターを選んだって、そこでしっかり自分たちの商品を専任で売ってくれる組織が構築されていなかったら、そんなのは何の意味もないので、企業から今度は組織をブレークダウンしていく、どういうジェネラルマネジャーの下に、どういうセールスが何人いて。マネジメント体制の可視化というのは、彼らが日々何をしているのか、マンスリー、ウイークリー、デイリーでどういう活動をするからこのシェアがあるのかということを、競合A社、B社、C社、D社、こんなに調べる必要はないですけど、最低限A社とB社ぐらいは調べて、それを自社と比較をしていくと、やっぱり自分たちに何が足りていて、何が足りていないのかというのが明確に見えてくる。それが基準値になるわけですよね。すぐにはそれは真似できないので、よし、じゃあ、3カ年の中でここまでシェアを追いつこう。そうすると、1年目はまずここまで体制を整えよう、2年目はこうしよう、3年目はこうしようと、それがまさに基準値なので、それをやっていかないと、なかなかシェアを上げていったり、売上を上げていったりというのは難しいということになります。

次回、このチャネル・ストラクチャーの可視化、組織体制の可視化、マネジメント体制の可視化をそれぞれのお話を説明していきたいなというふうに思います。今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。