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第532回 B2B 「基準値」を持つことの重要性 その1

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も前回に引き続き、B2Bの製造業向けのお話をしていきたいなというふうに思います。ちょっとね、しばらくB2Bの話がずっとできていなかったので、B2Bの製造業の販売チャネル戦略とか競争戦略について、シリーズでずっとしばらくお話をしていきたいなというふうに思います。
今日のお話なんですけども、今日のお話は基準値のお話をしていきたいなというふうに思っています。この基準値というのは、多くの日本の製造業が、新興国市場、ASEANやグローバルサウスを中心とした新興国市場に参入をしていて、そこでなかなかマーケットシェアが伸びていかない、もしくは売上が伸びていかないとなったときに、自分たちのマーケットシェアをさらに上げる、もしくは売上を上げるための基準値って何ですかという問いを投げかけると、その問いに明確に答えられる方って非常に少なくて。多くの企業が基準値を持たずして戦っているので、なかなか成果につながらないというケースを非常にたくさん見てまいりました。この基準値って本当に重要で、シェアを上げたり、売上を伸ばしたりするときには必ずこの基準値がないといけない。この基準値の話を今日はちょっとしていきたいんだけども。

そもそも基準値って何ですかというところから少し説明をしていきたいなというふうに思いますので、スライドをお願いします。このスライドの通りなんですけど、基準値とは何かということで、基準値とは目標や目的を達成するために必要な基準となる値のことを言っています。例えば、100億円を売り上げるために、もしくは競合に打ち勝つために必要となる顧客数ってどれぐらいなんですか。自分たちはシェアを上げたいよねとか、100億円売り上げたいよねと。そうすると、顧客はどれぐらいの顧客が必要なのと。その顧客を獲るために必要なディストリビューターの数と質、規模、もちろん直販の場合もあるので、必ずしもディストリビューターにはならないんですけど、例えば、100億円売り上げるためには1,000社の顧客が必要ですと。その1,000社の顧客を獲るためにはどういう販売チャネルが必要なんですかと。何割のこういう顧客は自社の販売チャネルで、その顧客を獲るためにはセールスが何人必要で。一方で、それ以外の8割の顧客に関してはディストリビューターが必要で。こういう規模の、こういうことができるディストリビューターがこれぐらい必要ですと。そのディストリビューターの中で、必要となるセールスマンの数と質、もちろんいわゆるディストリビューターの数だけ揃えても、結局、自分たちの商品を扱ってくれるディストリビューターのセールスマンが少なければ、それは意味がないことなので、1社のディストリビューターあたりこれぐらいのセールスマンがあてがわれますと、最低限これぐらいのスキルセットを持った人たちですみたいなものが必要なわけですよね。さらにそのセールスマンが毎月どういう活動をするんですかと、いわゆる月の動き方ですよね。どういう組織で、どういう会社、ディストリビューターが、どういう組織で、何をしてくれるのかということが、最終的には100億円を構成したり、競合に打ち勝つためのシェアを構成したりするわけなので、基本的には指標をどんどん、どんどん、ブレークダウンしていかないといけないんですよね。これが基準値になるんですけど、多くのなかなかシェアが上がらないとか、うまくいっていない企業に基準値を尋ねると、やっぱりシェア2割獲りたいんだと言っているんだけど、じゃあ、2割獲るための基準値って何ですかと言うと、なかなかそれには答えられないケースというのが非常に多い。

じゃあ、この基準値ってどうやって算出すればいいの?ということなんですが、シェア2割獲るための基準値とかね、100億円を売り上げるための基準値。例えば、自分たちの目標数値に対する基準値の割り出しって、基本的には100億円を顧客数で割って、じゃあ、1顧客あたり何をしなければいけないのかと、自分たちで細分化することができる。一方で、シェアとなってくると、2割のシェアを獲りたいとかっていう話になってくると、これって言ったら対競合との話なので、競合が10やっているところを自分たちは11、12やらないとシェアというのは上がっていかないわけですよね。そうすると、やっぱり競合を可視化するというところから、これ、基準値というのは求めていかないといけないので、金額は自分たちで割り出せるけども、シェアを割り出すというのは対競合なので、金額というのは言ったらある意味、自分たちだけの中の話ですよね、目標金額というのは。ただ、シェアとなってくると、やっぱり相手があっての話なので、基本的には競合を可視化するということはすごく重要で。

日本企業ってやっぱり競合のことの可視化の度合いがぼわっとしてしまっていて、B2B企業。自分たち、製品の優位性のほうがやっぱり自分たちの戦略の優位性よりも重要度が高くて。でも、本来は圧倒的に戦略の重要性。なぜならば製品の優位性って戦略の重要性の中に含まれているものなので。そうすると、やっぱり競合の理解というのは、より具体的にやっていかないといけなくて。競合の可視化がやっぱり不十分な企業というのは非常に多い。そんな中で基準値を掴む上では、競合をどうやって可視化するかということが大変重要になってくると。

今日は時間なのでここまでですけど、基準値とは何なのかというお話でとどめて終わりにしますけども、次回、じゃあ、競合を可視化することからどうやって基準値を割り出していくのかということについてお話をしていきたいなと思います。

それでは皆さん、今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。