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第567回 【本の解説】代理店と販売店の違い

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『ASEAN6における販売チャネル戦略』に関して同文館出版から、去年、私が出した本ですね、この本の解説をしていきたいと思います。前回が確かネスレとリーバの型の話を、販売チャネルの型の話をしていて、今日は20ページのこのポイント、代理店と販売店の違いについてちょっとお話をしようかなというふうに思います。

これは代理店と販売店の違いなんですけど、どうでもいいと言えばどうでもいいんだけども、代理店と販売店って結構、まったく意味が違っていて、英語だと代理店はエージェントで、販売店はディストリビューターというふうに言うんですよね。このエージェントとディストリビューターってまったく業種が違っていて、日本だとね、代理店と販売店ってね、そんなに違いを意識なく使っている人が結構多く見られる。ただ、これは厳密には、法律的にもそうなんだけど、代理店と販売店って違っていて、代理店というのはメーカーの代理で顧客にセールス活動をする人なんですよね。なんだけども、契約自体は顧客とメーカーで締結をする。だから、例えば携帯電話とか、保険とか、こういうものは代理店と言うんですよね。皆さんも自動車保険とか生命保険って、別に保険を売っている、その保険の代理店と契約を結ぶのではなくて、保険会社と契約を結んでいると思うんですよね、契約書を見てもらったら。携帯電話も、携帯を売っている代理店と結んでいるのではなくて、ソフトバンクだったらソフトバンク、ドコモだったらドコモと契約をしているので、そういうのは代理店と言うんですよね。だから、代理店というのは、在庫を持たない、仕入れないんですよね、仕入れない。仕入れて在庫をするのは販売店、ディストリビューターなので。基本的にはいわゆる自分たちは仕入れて売るということではなくて、顧客をメーカーにつなぐというのが代理店のエージェント、英語で言うとエージェントの主たる役割で。ディストリビューター、われわれがこの本で言っている消費財メーカーなんかは、代理店を使うのではなくて、いちいちね、メーカーと、小売店と契約しないですから、基本的にはディストリビューターがメーカーの商品を仕入れて、1回買って、それを在庫して小売に売るという、これをディストリビューターと言うわけなんですよね。なので、この代理店と販売店を意識しないでね、「うちの海外の代理店は」と言う人がいるんですけど、「いやいや、ディストリビューターだよね、販売店だよね」ということなので、ここはしっかり区別をしないと法律的な解釈も間違えるし、英語にしてしまうと完全に意味合いが違ってしまうので、ここはしっかりと区別をするということが重要でございます。以上、代理店と販売店の違いでした。

次回ね、輸出の場合の強固な販売チャネルのつくり方のお話をしていきたいと思います。販売チャネルには2タイプあって、輸出でやる場合と現産現販でやる場合があるので、次回は輸出の場合の強固な販売チャネルのつくり方のお話をしていきたいと思います。それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。