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第568回 【本の解説】輸出の場合の海外販売チャネル

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『ASEAN6における販売チャネル戦略』 同文館出版から私が去年出した本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。

今日は20ページの下の3、輸出の場合の強固な販売チャネルのつくり方ということで、輸出のステージの際の販売チャネルのつくり方のお話をしていきたいなというふうに思うんですが…。これは海外展開って2タイプ大きく分けてあって、ステージがですね、いわゆる日本でつくったものを輸出する、日本から輸出をするパターンと、あと、アジア現地に生産工場を持って、ASEANに、ASEAN圏内で直に販売するという、この2つのパターンが存在しますよと。一般的には、輸出で始めて、ある程度市場が理解できてきてから、実際には現産現販に切り替えていく。自分たちがいきなり海外にまったく輸出もしたことないのに、いきなり現産現販するというのはなかなかハードルも高いので、まずは輸出の経験を積んでから現産現販するというのが一般的な流れではあると。もちろん例外はありますと。そう考えたときに、現産現販で展開をするパターンと、輸出で展開をするパターンのこの輸出のときのお話を今日はしていきたいな、そのときの強固な販売チャネルのつくり方のお話です。

まず、この輸出でやる場合に一番重要になるのが国選びなんですよね。国選びというか、都市選び。どの市場を狙うか、どの都市を狙うかで成功確率が全然変わってくる。基本的に輸出でやる場合は、国というような軸ではなくて、都市、もっと言うと首都という軸で市場を狙っていく必要があって。例えば、タイではなくてバンコクをやるんです。韓国ではなくてソウルをやるんです。台湾とかシンガポールぐらいの国だと全土なんでしょうけど、台湾ぐらいだと台北をやるんですになるし、香港とかシンガポールだったらね、国=首都みたいな話にはなるわけですけども、基本的には首都を狙っていく。1人あたりのGDPは国によって全然違うわけですよね。だから、まずそこを頭に入れるということと。あと基本的にASEANに展開するときに最も重要なのって、もちろんマーケットの大きいところ、人がいっぱいいるところのほうが商材メーカー、FMCGにとってはいいわけですよね。FMCGの事業の最大の業務は、できるだけ多くの人に、できるだけ速い頻度で、繰り返し買い続けて、永遠に買い続けてもらうことがFMCGのビジネスの肝ですから、基本的には人が多いところ、最低限の1人あたりのGDP、いわゆる消費者物価指数がある一定のレベルにあるところと。

こういうふうに考えると、ASEAN6の中でね、これはASEAN6なので、さっきシンガポールとか香港とか台湾とか言いましたけど、ASEAN6に話を戻すと、ASEAN6の中で最も有望なのってVIPなわけですよね、ベトナム、インドネシア、フィリピン。ただ、ベトナム、インドネシア、フィリピンというのは有望なんだけども、伝統小売の攻略が必要で、輸出で商品をやるということは、日本から輸出をすると最低でも1.5倍から下手したら3倍近くまで商品の金額が膨れ上がると。高くなってしまうということは、当然ながら伝統小売でなかなか置くというのがね、一部の贈答品とか高級住宅街の伝統小売の贈答品目的で置くというのはあり得たとしても、基本的には伝統小売は不向きなので、あまりこの伝統小売市場の大きいVIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンみたいなところはマーケットとしてはなかなか適していない。輸出でやるということは、現地に商品が到達したときの経営資源が現産現販よりも悪いわけですよね。まず商品は高いし、あと、現地でのセールス、自社のセールスとかっていうのはいないわけですよね。基本的にはインポートライセンスを持っているディストリビューターに向けて輸出をしていくわけですから。そう考えると、やっぱり戦える領域とか、できることというのは、経営資源の限界値から言うとやっぱりなかなか難しいよねと。そうすると、どこの市場から順番に落としていくのかっていうことが非常に重要になってくるわけなんですよね。

あと、もう1つあるのが、消費財の場合、特に食品なんかは、日本食に紐付くような食材、食品、調味料みたいなものって、どうしてもやっぱり日系スーパーの輸入品棚というか、日本人が来るような、もしくは韓国人、外国人が来るような棚で、いわゆる現地にいながら現地の人が買わない棚、そういうところにしか置かれないというケースになるわけですよね。それを無理やり現地の棚に置いてもセルアウトしていかないし、高いリスティングフィーを払ってまで置いたとしても、どうせ売れないから、そもそも取り扱ってくれないというのがあるわけなんですけど、そんなことを考えていかないといけない。

ちょっと整理すると、まず、どの都市を選ぶのかということがすごく重要で、都市を選ぶと同時にどのマーケットを選ぶのかと、日系マーケットなのか、それともローカルなのか。これもね、菓子だったらローカルまでいけるけども、例えば食品だったらね、これは日本人しか使わない食品とか、七味とかって言われたら、これはもう、ASEANの人に無理やり七味を食べさせるわけにはいかないので、ペッパーだったらまだ分かりますよ、マヨネーズとかね。でも、「七味」って言われたら、「何に入れるんですか?七味、うどんですか、そばですか」と。そしたら、うどんかそばを食べる人のところにしか売れないわけなので、基本的にはローカルは狙えないということになるので、そこを見極めていかないといけない。

ちょっと話が長くなってしまう。22ページの図ね、まずマーケットが大きいところを狙わないといけないですよという話なんだけども、後進国から新興国になる過程というのをこの図で説明しているんだけども、ここにね。この22ページの図は、後進国がどうやって新興国になるの?というこの順序なんだけども、まずこれは一般的な順序ですけどね、一番最初が、ODA、政府開発援助がだいたい行われるわけですよ、JICAなんかを中心にね。そういうことが行われるようになってくると、今度そういう国は外資企業の誘致政策を始めるんですよね。われわれの国に来て、工場で生産してくださいと。土地も箱も人も用意しますよと、そこで安い労働力を使って生産して、輸出してくださいねみたいなことを政策として政府が打ち出します。そうなってくると、政府と民間、だいたい商社とか銀行とか、官民のインフラ整備プロジェクトみたいなものをガーッとやって。民間進出第一陣がインフラ事業者がまず出て、二陣が自動車メーカーで、三陣が家電メーカーと、こういう流れが一般的。今、日本の家電メーカーはちょっともうなくなってしまったので、そこはちょっとまた違う業種になってくるわけですけども。第四陣ぐらいでだいたいFMCGメーカーが進出をして。これが出てくると、だいたい後進国から新興国になったというような状況になるので、だいたいこの流れですよと。だから、まだインフラ事業者などが出ているところにいきなり輸出でやりますよと、そんなふうな話にはならないので、完全にやっぱりマーケットが出来上がっているところ。この指標を見るときは、GDPの大きさもそうなんですけど、1人あたりのGDPを都市別で見ると、首都で見るということが1つ非常に重要かなと。

そんなことを見ていくと、この23ページのね、これは僕がFMCGで言ったときにね、難易度が、輸出における、展開したときに難易度が低い国と高い国をグループAからグループDまで分けていて、グループA、香港とか台湾、シンガポール、韓国、これはもうね、レギュレーション含めて非常に楽、輸出が楽だし、われわれと同じような、もしくはむしろわれわれよりも多くの所得を得ているような人たちがいるので、基本的には日本の商品とか日本の製品、食品にも非常に馴染んでいる人たちなので、グループAが一番簡単ですよと。次がグループB、グループC、グループDというふうに書いていて。こういうのを見ながら、やっぱり香港や台湾、シンガポール、韓国もまともにやっていないのに、いきなりインドネシアをやりますみたいなね、ハラルどうするんですかみたいな、そういうことも出てくるわけなので、それはやっぱり順番がある。インドがすごいから、いきなりニューデリーをやりますって、いやいや、まだVIPも、ベトナム、インドネシア、フィリピンもやれていないのに、いきなりインドですかみたいなね、そういう話も出てくるので、やっぱり順番が非常に重要ですよと。もちろんモノによってね、何を売るのか、何を展開するのかというモノによっても全然変わってくるので、そこは必ずしもすべての商品で同じということにはなりませんけども、まあまあこういった順番がありますよというお話でございました。

それでは今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。