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第566回 【本の解説】PG型とネスレリーバ型

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『ASEAN6における販売チャネル戦略』 同文館出版から私が去年出した本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。

では、今日は16ページですね、早速、「型」の話に入っていくわけですけども。強い企業、シェアの高い企業、いわゆる先進的なグローバル企業ですね、欧米の、そういう企業は必ず販売チャネルの「型」を持っていて、この型づくりが本当に今の日本の消費財メーカーは、これは消費財メーカーだけではなくて、B2Bのメーカー含めて、チャネルの「型」が非常に重要で。「型」がないんですよね、この国にいて、どういう「型」で売っていくかって、各国でバラバラ。例えば、理由なき1カ国1販売店制度、1ディストリビューター制度みたいなものを決めて、とにかく自社内競合したら困るので1社ですと。ただ、その1社で結局売りたい先にリーチしていないので、永遠に売上がある一定のところで止まっていくみたいな、そういう現象が非常にあって。もしくは、ベトナムでは非常に高いシェアがあるんだけど、ほかの国ではなかなか成功していないとか、その逆、インドネシアではあるんだけども、ほかの国では駄目だと、こういう事例が日本企業はいっぱいあるわけですよね。

では、なぜ欧米の先進的なグローバル企業は網羅的に成功できているのかと言うと、この「型」がしっかり確立されていて、自分たちはこういう「型」でASEANで勝ちます、新興国市場はどこもだいたい「型」が似ているので、その「型」をしっかりベースとして持ってしまうと、それを水平展開させていけばいいだけなんですよね。どうも俗人的になりがち、いわゆる売るということがマーケティングで売るのではなくて、営業力で売るみたいなね。これ営業力というのは俗人的、マーケティングというのはまさに型づくりなので、販売チャネルの「型」をつくって売れる仕組みをつくっていくということですから、誰が駐在しようが、駐在しなかろうが、「型」で商品はある一定の水準までしっかり売れていくと。

この「型」で非常に特徴的な2社について書いているのがこの16ページと17ページで、それから18ページ,19ページもそうですね。大きくはね、PG型とネスレリーバ型と私は呼んでいるんですけど、PG型の「型」ってどういう型かと言うと、PGはね、だいたいどの国でもASEANなんかだと8社のディストリビューターを使っていて、比較的大きい規模なんですよね。例えば、消費財で言うと、2社は超大手、残りの6社が中堅クラス。この中堅クラスでイメージとしては100億前後ぐらいのディストリビューター、超大手というのは数百億円ぐらいのディストリビューターを使っていて。中堅の100億前後の会社はね、もうほぼPGの商品しか扱っていないというような、そういうディストリビューターが結構多くて。もともとはね、80年代とか90年代前半ぐらい、後半ぐらいまでかな、PGも何十社、50社ぐらいのディストリビューターを使っていた時期もあったんですよね。あったんだけども、やっぱり淘汰されて、いろんな統廃合もあったし、いろんなことがあって、今は8社に集約されていて。この8社がディストリビューションするわけなんですけど。PGの現地法人からセールスがディストリビューターに行って、ディストリビューターにはちゃんと席があって、彼らと一緒に活動をしていると。ディストリビューターの役割、メーカー側の役割ということが明確に切り分けられていて、サポート、管理育成もしっかりされているし、KPIもしっかり決まっているということで、非常に有効なディストリビューションになっていると、「型」になっていると。

一方で、ネスレリーバ型の販売チャネルってどういうものかと言うと、これはね、彼らはね、100とか200とかのディストリビューターを使うんですよね。PG型とは違って、PG型というのは国によってセールスが弱い、ないというところもあるのでちょっとあれですけど、基本的にはセールスも一緒にディストリビューターをやっているんですよね。ただ、ネスレリーバ型は基本的にディストリビューターにお願いしているのは配荷だけ。もちろんネスレ側の人件費負担でセールスを置いて、セールス活動をディストリビューターでやっているというディストリビューターも中にはあるんだけども、基本的にはデリバリーボーイで、配荷をするのが役割で。これはなぜ、かたや8社でかたや100~200使っているかと言うと、商品の特性なんですよね。PGというのは日用品ですねと。そうすると、伝統小売に配荷すると言ったって…。両方とも近代小売は直販なので、現法が直販して、伝統小売に関してはディストリビューターを使うという、こういう構造になっていて。これは図が出ていますので。そんな中で、なぜこうなのかと、やっぱり商品の特性が大きいと。PGは日用品なので8社ぐらいでいいんですよ。そんなにマイクロディストリビューションして、例えばインドネシアでも447万店全部に置いている必要はないし、ベトナムの66万店も全部に置く必要もないわけで。一方でこのネスレリーバが扱っているような商品というのは、商品特性上より多くの伝統小売に並べないといけないので、こういう構造になっているんだということなんですけども。そんなところのお話をしているというのが、この18、19ページのお話でございます。

今日はこれぐらいにしますけども、次回は20ページ、輸出の場合の強固な販売チャネルのつくり方ということで、輸出でASEAN市場をやっている企業さんもまだまだいるし、商品によってはこの商品は輸出ですという企業もたくさんいるので、その辺の話をしっかりしていきたいなというふうに思います。それでは今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。