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第572回 【本の解説】市場環境と競争環境を可視化する

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『ASEAN6における販売チャネル戦略』 日本同文舘出版から私が去年出した本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。

今日も前回の続きで29ページ、「第2章 市場環境と競争環境の可視化で勝ち筋が見えてくる」ということでお話をしていきたいと思います。前回、なぜこの2章を書いたのかという理由ですね、日本企業はインプットが足りなさ過ぎるというお話をしましたけども、今日はね、実際にこの市場環境と競争環境についてお話をしていきたいと思います。

市場環境のインプットを入れるってどういうことかと言うと、例えばASEANの市場だと、SMT、VIPというのが大きくあるわけですよね。このSMTとVIPでは市場環境というのがまったく違うわけですね。このSMTとVIP、もう1つ言うとCLMというのがあるんですけど、カンボジア、ラオス、ミャンマーという。この9カ国にプラス、ブルネイってちょっと非常に特殊な環境の国なので、また4つ目として単体で置いていますけど。大きく分けてSMT、シンガポール、マレーシア、タイの先進ASEANと、VIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンの新興ASEAN、そして、CLMというのがカンボジア、ラオス、ミャンマーの後進ASEANというふうに僕は区別をしていて。これは市場の成熟度というのが全然違って、VIPとかCLMというのは基本的には伝統小売の戦いになってくるので、SMTとはまったく違うわけですよね。

このちょうど30ページに近代小売と伝統小売の定義、整理が書いてありますけど、このちょうど31ページか、31ぺージにもこういう図表がね…、ごめんなさい、グラフとね、伝統小売と近代小売の比率、それから近代小売の数ですね、これも最新のカウントで書いていますけど、こういうものがあって。例えばSMTでも、シンガポールとかマレーシアって本当に近代国家であって、シンガポールなんて伝統小売はまずないし、近代小売も1,000店舗程度で、マレーシアだって6,600店舗ぐらいなので、主要な近代小売は。そうすると、やっぱりマレーシアってハラルが必須の国だから、インドネシアとセットでやるとかね、シンガポールはどちらかと言うと他の国への波及効果が大きいのでそれも含めてやっていく。シンガポール単体でやってもあまり大きな利益になるかと言うと難しくて、1,000店舗に対して、近代小売でね、リスティグフィーとか棚代かけてやってもなかなかプラスにはならない。一方でSMTの中で最も有望なのは、タイのこの市場で、いわゆるCPが非常に強い、セントラルとCPの2大財閥が強くて、セブンイレブンが世界で2番目に多い、今、1万2,000~1万3,000店舗ぐらいあると思いますけども、タイ全体の近代小売も1万7,000店舗以上あって、比較的日本の商品が高値でもバンコク周辺であれば浸透していくという、非常に魅力的な市場。一方でVIPというのはまったく違って、近代小売の比率がまだ15%ぐらいの中で、どうやって伝統小売を攻略していくかと。ベトナムで60万店、フィリピンで80万店、インドネシアで447万店、この伝統小売をどう攻略するかということに重きが置かれるので、近代小売だけやっていても絶対に儲からないわけですよね。

こういう市場環境を理解していくと、それぞれの市場環境にそれぞれの流通環境がやっぱりあって、そこを見極めていかないと、「どの国から優先的に出ていくの?」ということも重要だし、「じゃあ、どの国にはどういう販売チャネルをつくるんですか」ということも重要になってくるわけですよね。日本みたいに何もかもが整備されていてね、「はい、新商品を出しました。さあ、どうぞ。コンビニさん、スーパーさん、ドラッグストアさん」といったらバーッと売れるという、そういう市場ではないので、基本的にはものを出せばいいという話ではないわけですよね。その前段の流通含めて考えていかないといけない。そうすると、本当に市場環境ってすごく重要で、1人あたりのGDPも国によって違うし、都市によって全然違う、インドネシアの1人あたりGDPとジャカルタの1人あたりGDP、タイもタイ全体とバンコク、フィリピンもメトロマニラとフィリピン全体とでは全然違う、何倍も差があるので、そういう意味では、この市場環境をしっかり理解するということを考えないと、流通環境、それからその流通環境に合わせた販売チャネルの構築にも大きく影響が出てくるということになるので、大変重要ですよというお話が書いてあります。

次回以降ね、この35ページ、「近代小売への効率的な導入方法」についてお話をしていきたいなというふうに思います。それでは今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。