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第63回 1カ国1ディストリビューター制度は大きな間違い

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日本の多くの消費財メーカーは、アジア新興国で1カ国1ディストリビューター制度、もしくはそれに近しいディストリビューション・チャネルを作っています。しかし、マーケットシェアを上げるにはそれは古いビジネスモデルです。では、どのようなディストリビューション・チャネルを作ればいいのか。ネスレ、ユニリーバのような先進グローバル企業を例に挙げ、解説いたします。

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みなさんこんにちは。スパイダーの森辺です。
今日は「1カ国1ディストリビューター制度は大きな間違い」であるということについてお話しします。日本の消費財メーカーがアジア新興国に展開をする際に、自分たちのディストリビューション・チャネルをどうデザインし、作り上げ、そして作り上げたディストリビューション・チャネルを管理育成していくかということは、大変重要な要素です。それ自体がその地でのマーケットシェアや利益を決めていくと言っても過言ではないでしょう。今日は「1カ国1ディストリビューター制度は大きな間違い」であるということについて一緒に学んでいきましょう。
まず、最初に申し上げたいのは、多くの消費財メーカーはアジア新興国で1カ国1ディストリビューター制度、もしくはそれに近しいディストリビューション・チャネルを作っている。そしてなかなかマーケットシェアが上がらないという問題を抱えています。例えば、この後ろの図はベトナムの市場で、先進グローバル消費財メーカー、これはユニリーバやネスレのような先進グローバル消費財メーカー。対して日本の消費財メーカーのディストリビューション・ネットワークの図を示したものなんですが、多くの日本の企業はですね、ベトナムでは経済の都市であるホーチミンに1社のディストリビューターを保有して、そのホーチミンのディストリビューターを通じてホーチミンにだけ、もしくは全土に配荷をしようとしている。さすがにこの長い距離、ホーチミンから配荷をして行ったのでは、北と南の国民性の違いなどもあり難しいということに気づいた日本の消費財メーカーはハノイはハノイで別のディストリビューターをアサインして、中部のダナンにはダナンのディストリビューターをアサインをして配荷をしていくということに、徐々になりつつあります。ただ、それでも3社くらいのディストリビューターしか使っていない。一方で、ネスレやユニリーバのような先進的なグローバル消費財メーカーはこのベトナムの地で大中小合わせて150前後のディストリビューターを使っている。で多いところでは250社のディストリビューターを使っている会社もある。そしてきめ細かな配荷をしている。なぜこれだけ多くのディストリビューターを使うのか。その理由は、ベトナムというのは近代小売というのはわずか1300店舗しかない。対して伝統小売は50万店あって、内30万店は食品が置けるような伝統小売である。そうなってくるとネスレやユニリーバはその数十万店の伝統小売にいかに自分たちの商品を置くかということが彼らの最重要項目であり、それを実現するためにやはり複数のディストリビューターを使ったディストリビューション・チャネルが必要になると。したがって、高いマーケットシェア、大きな利益を得るためにはこの形態というのは必然的なものである。対して日本の消費財メーカーはなかなかそれだけ多くのディストリビューション・ネットワークを持つことができてない。管理が大変である。もしくは管理が大変になるということ以前に、それだけ多くのディストリビューターを持たないと伝統小売が取れないということにすら気づいてないメーカーもある。これはBtoBでいっても一緒で1カ国1ディストリビューターなんていうのは、ほとんど通用しない。BtoBの世界でも用途別にディストリビューターっていうのは強いか弱いかだと。BtoBの場合はおそらく4つくらいの用途をターゲットに攻めていくわけですけども、A用途には強くてもB用途には弱いとか。C用途に強くてもD用途には弱いというようなディストリビューターはたくさんあるので、やっぱり用途別に複数のディストリビューターをBtoBのメーカーであっても使わないといけない。したがって、この1カ国1ディストリビューター制度とか、1カ国1代理店制度というのはその国で高いマーケットシェアを取っていこうとするんであれば絶対的に間違いであると。輸出ビジネスで、港から輸出をして、もう後のことは知りません勝手にやってくれという、輸出だけ伸びてればいいんだという昔の時代の海外ビジネス、グローバルビジネスでは1カ国1代理店制度や、1カ国1ディストリビューター制度は良かったでしょう。ただ、その地で高いマーケットシェアを上げていく上ではもう古いビジネスモデルであり、先進グローバル消費財メーカーや先進グローバルメーカーはそんなことやってないですよ、という事実を知る必要があると思います。

それでは時間がきましたのでこの辺にしておきましょう。みなさん、また次回お会いいたしましょう。