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ASEAN 販売チャネルの再構築

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、FMCG、食品・飲料・菓子・日用品等の新興国市場、特に、最近、注目を浴びているというか、ここ10年弱ぐらい、すごく大きな注目を浴びている、タイ+VIP、ベトナム、インドネシア、フィリピン、VIPですね、この市場を対象にお話をしていきたいなというふうに思います。

今日は、販売チャネルの再構築。前回の流れからのお話で、前回から聞いてもらうと分かりやすいかなと思いますけども、再構築のお話で。どのように販売チャネルをね…、再構築でも新規構築でもいいんですけども、多くの場合はね、今言ったタイ+VIPなんていうのはほとんど出ていて、フィリピンに関しては輸出でやっていて、その他の拠点はもう拠点が現地にあるよ、みたいな状態だと思うんですが、それでもやっぱり今の現状に満足いっておらず、再構築をしていくというようなステージにあるのかなと。そのときに、やっぱり既存のディストリビューターを切って別のディストリビューターに変えるって、これは大仕事なので、なかなか判断がつかないし、じゃあ、これはプラスしていく、ディストリビューターをプラスしていくという話も、今の既存のディストリビューターから猛反発されるので、結局、これもなかなか進まない中、だらだら、なんとなく課題感を感じて今の状況にいるみたいな企業は決して少なくなくて、そういう企業をたくさん見てきましたから。そんなときに、自分たちが本当にディストリビューターを変える必要があるのか、もしくは足す必要があるのか、それを既存のディストリビューターにどういうふうに腹落ちして理解をしてもらうかということを含めてね、どうしていったらいいのかみたいなところのお話をちょっとしていくと、やっぱりね、一番重要なのはね、変えるにしても、追加するにしても、現状維持にしても、理由がないといけないですよね、客観的な合理的な理由がそこにないといけない。そうすると、自分たちがやろうとしていることに対する基準値がどうなんですかということをちゃんと見ていかないといけなくて。

ちょっとスライドをお願いします。基準値ってね、目標や目的を達成するために必要となる基準となる値のことを、僕は「基準値」というふうに敢えて言っているんですけどもね。例えばなんですけど、10億円を売り上げるために、もしくは競合に打ち勝つために必要になる間口数、消費財メーカーというのはもう間口数、これはストアカバレッジですね、どれだけたくさんの店舗に商品を置けたかっていうことと、それから、その店舗で、1店舗あたりどれだけ売上が日販・週販上がったかという、ここの競争なわけですよね。ストアカバレッジを伸ばし続けて、1店舗あたりの売上を上げ続けるという、ここの競争ですから。10億円を売り上げるためにはね、そもそも5万間口必要なのに、3万間口しかなかったら、もう2万間口ショートしているんですよね。その3万間口で回転がいいんだったらいいですけど、日本企業の場合、商品の場合はね、だいたい高ぶれしてしまっている、値段がね。高品質を背景に金額が高いので、数が出るというよりかは、より上位中間層、よりそういった顧客に売るということなので、やっぱりそこでなかなかいかないとなっているケースが多いのでね。これをちゃんと客観的にブレークダウンして見ていく。その間口数を獲るために、例えば5万店を獲るために必要なディストリビューターの数ってこれぐらいは必要だよねと。他社はこれぐらい使っていて5万店だからとかね。質もこれぐらいじゃないといけないよねと。もうすでに5万店獲っている他社と比べるという、これはすごく重要で。さらにそのディストリビューター内で必要となるセールスマンの数、ディストリビューターがいいからいいなんていうのは全然幻の話でね、大手のディストリビューターと組んだらね、すべてがうまくいくなんて全くの幻で。大手のディストリビューターと組んだって、あてがわれるチームの人員とか、人員の質が悪ければね、そんなのは数字は上がらないし、大手と組んだって、大手というのはほかにたくさん重要なメーカーがいるわけですよ、プリンシパルがね、たくさんいろんなブランドを扱っていて、そこに経営資源が割かれていて、これから始める、もしくは小さなボリュームしか売れない商品にね、経営資源なんて割かれないですから。そうすると、大手なんだけども全然結果が出ないなんていう事例はごまんとあるので。結局、自分たちがやろうとしている売上が相手にとっても魅力的なのかどうなのかということは、ディストリビューター選びではものすごく重要で。日本の消費財メーカーはね、「大手だったら」と思っているんですけど、いや、大手と組むんだったら、それだけの事業計画の中で、それだけのボリュームを出さないと、彼らにとってその商売は魅力的じゃないと映ってしまうので。やっぱりそこってね、日本企業よりもシビアですよね、銭勘定がね。なので、そこはね、やっぱりしっかりやらないといけない。

こういうものをブレークダウンしていくと、自分たちがやりたいことに対する基準値ってだいたいこれぐらいないと駄目だよねっていうのが見えてくるわけですよね。そうすると、今のディストリビューターは、その基準値を照らして見たときにどうなんですか、ということが見えてくるので、客観的に、足りてないね、補完しないといけないね、すぐに補完できるんですか、どうなんですか、プラスアルファしていくことがいいんですか、もうまったく基準値に至ってないので、ここは思いきって変えてしまいましょう、こういう判断になっていくわけなので、合理的に客観的に基準値を見ていくと、自分たちがなかなか一歩を踏み出せなかったディストリビューターの変更とか追加みたいなところを思いきって踏み込めるし。だって、客観的にもうこことやっていたって絶対無理だということが数値で分かっていくわけですから。逆に、ディストリビューターと引き続き一緒にやっていくんだけども、ほかも使うよということも説得をする材料になるわけなので。そうするとね、「こんなに30年も一緒にやってきて、おまえたちのためにうちの先代は相当投資をしてやってきた」とか、いろいろ言いますけど、「これは両社のさらなる発展のためなんだ。ほかを使うと相対的に市場が伸びて、あなたたちの売上、あなたたちが担当しているエリアの売上も伸びるから、これは両社のためにやるんだ」ということを客観的に理論的に説明をすれば、しっかり理解を示していくと思うので。また、そのタイミングでね、少しプロモーションの支援なんかも与えてあげるというのも1つ手ですから、そんなことをしっかりやっていくということが大変重要ですよ、というお話でございます。

今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。