第66回 正しいディストリビューターの選定方法
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テキスト版
アジア新興国ではどのディストリビューターが重要です。その選定を誤るとマーケットシェアが上がらないどころか、ディストリビューターを変えるために2、3年の時間を要する場合もあり、結果として多くの損失を被ってしまいます。このディストリビューター選定方法について解説します。=================================
みなさんこんにちは。スパイダーの森辺です。
今日は正しいディストリビューターの選定方法についてお話しします。
日本の商材メーカーがアジア新興国の地で高いマーケットシェアを上げる上で、どのようなディストリビューターと組むかということは大変重要です。このディストリビューター選びを間違ってしまうと、マーケットシェアが上がらないどころか、次の手を打つディストリビューターを変えるためにも、少なくとも2,3年の時間を要してしまい、結果として多くの損失を被ってしまいます。今日は正しいディストリビューターの選定方法について一緒に学んでいきましょう。
まず、最初に申し上げたいのは、多くの日本の消費財メーカーはアジア新興国でディストリビューターを安易に決めすぎるということでございます。相手が大きいから、もしくは有名な企業の商品を販売しているから。もしくは日経企業の多くがそこを使っているから安心だということで、基本的には安心ということを目的にディストリビューターを選んでしまっている。大きいから安心、他の日系企業が組んでいるから安心。強い企業の商品を取り扱っているから安心。この安心って、一見安心に見えるんだけど、自分たちの商品がその市場で本当にマーケットシェアを上げられるかどうかの、安心に繋がるかというと、深く考えると全く繋がらないんですね。他社の商品の実績がある、他社の商品の方がプライオリティが高いし、付き合いも15年20年だから売るけど、みなさんの商品を本当に売るかというと、そこの安心には全く繋がらないし、他の日系メーカーの商品を扱ってたとしても、それが必ずしも皆さんの商品のマーケットシェアが上がる安心にはつながらない。したがってこれら大手だから、どこどこと付き合っているから安心だという方法での選び方は全くもって間違っている。
よくあるのは、例えば、ASEANの某国で100社くらいのディストリビューターがいる。大小含めてですね。100社いるっていうのは結構な国ですけど、だいたい40、50社ですかね、主要と言えるような消費財系のディストリビューター。ASEANのディストリビューターは数十億から数百億前半くらいなんですけど。それが40,50社。その中で、たまたま出会った、たまたまって言ったらあれですけど、日本の銀行の紹介であったり、なんとかの紹介であったりで出会った、もしくは見つけてきたA社でここは外資の何々社とも取引しているし、日系も何々社と何々社が取引している。大きいから安心だねと、いうことでお付き合いが始まるんですが、実は100社の選択肢全部見てないわけですよね。何社か見てA社でっかいし安心だね、じゃあここと付き合おうってことで付き合ってるケースが多くて、実は皆さんにとって、本当にいいディストリビューターこのB社だったかもしれない。100社全部見ないとA社が1番いい、そうはならないわけですよね。そうすると、我々なんかはどうするかというと、たかだか100社の選択肢です。100社全社訪問します。そして縦に並べて絶対評価と相対評価でいかにクライアントに最もマッチしているディストリビューターがどこなのかということを絞り込んでいく。1番最初のこの絶対評価というのは、クライアントが3年で30億やりたいって言ってるのに、売上が10億円のディストリビューターだといくら付き合ったって、30億の売上はいかない。だから、売上は100億円以上ということでバサッと切ってしまう。もしくは、私どものクライアントが例えば食品メーカーなのに、非食品に強いディストリビューターと組んでもなかなか配荷は進まないのは、火を見るより明らか。だから、絶対評価でバサッと切ってしまう。そんなことをやってると、候補がだんだんだんだん絞られてきて、最終的には10社くらいにまとまります。その10社を相対比較することで、どの企業が最も自分たちにマッチしているのかというのを絞り込んでいく。このディストリビューター選びってものすごく重要なので、ここまでやる価値があるんです。これが1000社、1万社だっていうんだったら、ちょっとやり方に工夫が必要ですけど、たかだか100社ですから、これくらいのことをやっても私は損はないと、それくらいディストリビューター選びは重要であるということをお伝えしておきたいと思います。
それではみなさん、また次回お会いいたしましょう。