アジア新興国 ダメな理由は全てMMにある
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、マーケティングの基本プロセスということで。今日は最後ですね、マーケティングの基本プロセス、「R」をやって、「STP」をやって、今日は「MM」ということでお話をしていきたいと思います。対象は製造業です。B2C、B2B、問いません。よろしくお願いします。ということで、早速、スライドをお願いします。今日は「MM」ということで、これはマーケティング・ミックスの略で。前回、前々回と「R」をやってね、「STP」をやって。「R」をやれば最低限の市場が分かって、競合が分かって、そこに自社が入ったときにどういうことが想定されるかということが分かるので、戦略の全体像がイメージつきやすいですよと。むしろ、行くべきか、行かないべきか、参入すべきか、しないべきか、ということもこの「R」で分かるので、あまり初歩的なレベルの低い失敗はしませんよというお話をしましたと。この「R」が終わって、この「STP」というのはすごく重要で、前回申し上げましたけど、簡単に言うと、ターゲットを明確にしてくださいと。そのターゲットに対してどういうマーケティング活動をするのかということが売るという、セルアウトするということなので、基本的にターゲットがぼんやりしていると、マーケティング活動の内容もぼんやりしてくるので、ターゲットはもう最初に明確に絞ってくださいね、というのが前回のお話。
今日の「MM」、マーケティング・ミックスというのは、別名4Pとも言われていて、プロダクト、プライス、プレイス、プロモーションの4つのPで構成されている、4Pというふうに言うわけですけども。どんなね、平たく言うと、何が求められているんですか、いくらなら受け入れられるんですか、それらは買ってもらえるんですかと。じゃあ、お客さんというのはどういうふうにすれば買いやすいの? どこにあれば買いやすいの? じゃあ、その商品のことをどうやって知ってもらうんですか、ということを組み立てていく行為なんですけど。これがまさにマーケティング戦略じゃないですか。これって、戦術ですよね。もしかすると、この「R」とか「STP」までの部分って、もしかするとと言うか、大きくね、ざっくり言うと、戦略の判断軸に非常になるようなインプット、情報であるというものに対して、この「MM」は、じゃあ、具体的に戦略が右の方向45度に決まりましたといったときに、その方向に向かって何をしますかということがこのまさに「MM」で。
次のスライドをお願いします。ターゲットが決まっているわけですよね。そのターゲットに対してプロダクト、プライス、プレイス、プロモーションということでね、顧客が求める製品を、顧客が賄える、もしくは許容できる価格で、顧客が買いやすい方法で、顧客が選びたくなるような仕掛けをしていくということがすごい重要で。これは、4Pというのはね、どちらかと言うと、どちらかと言うとというか、完全に製造業側から見た視点なんですよね。プロダクト、これってね、顧客が求める製品をと敢えて書いていますけど、4Pのプロダクトって、要は何を売りたいんですかと、プロダクトのプライスというのは、いくらで売りたいんですかと、プレイスというのは、どこで売りたいんですかと、プロモーションというのは、どうやって知ってもらいたいんですかという、もう完全にメーカーからの視点の話なんですよね。一方で、4Cというのは、顧客が求める、顧客側から見てね、顧客が求める価値って何ですかと、じゃあ、顧客が賄える、許容できる、顧客にとってのコストになりますからね、とは何ですか、また、顧客にとっての利便性って、どういうところで売られることが顧客にとって買いやすい方法なのか、また、顧客とコミュニケーション取ることで、顧客が選びたくなるようなものって何なんですかと、4Cで考えていくということはすごく重要で。例えば消費財なんかもね、価格に関して言うと、やっぱり日本の商品は高いわけですよね。ちょっと高い。消費財ですからね、100円200円のものを買おうと思ったら、1回だったり2回だったら買えるわけですよ。でも、消費財のビジネスって、どれだけたくさんの人に、どれだけ早い頻度で、どれだけ長い期間、繰り返し買い続けてもらうかということがビジネスの一番重要な部分なのに、1回2回買ってもらったってまったく意味なくて。どれだけ継続してもらえるかということを考えるとね、許容できる、賄える価格にしないといけない。賄えるというのは、買うとはちょっと違ってね、買うというのは1回買う、2回買う、これはそうですけど、賄えるというのはね、生活の中に取り込むという意味で僕は使っているんですけど、そうでないとやっぱり消費財なんかはね、特に食品なんかは難しいので、そういうことが大変重要になってくるというお話でございます。
以上でね、一連のこのマーケティングの基本プロセスね、「R」から始まって、「STP」、「MM」ということで、シリーズでお話してきましたが、このフレームワークは本当に重要で、このフレームワークを完璧にやっていて、問題が別のところにあるなんていうのはまずないですよね。アジア新興国市場の製造業の参入戦略、再参入戦略で、必ず問題はこの中のいずれかの部分に潜んでいて、「R」というのはもうそもそもの問題、入るべきじゃなかったじゃんとか、これだけ強い競合がいるということは、これだけ自分たちは経営資源がないとダメじゃないとかね、もっとこの前段の話なので、前段で大きいミスをしないための「R」。「STP」と「MM」はセットで考えて、ターゲットを明確にした上で、そのターゲットに対して「MM」、4P、4Cを組み立てていって、それでうまくいかないということはね、必ずこのいずれかに、どっちかに問題が潜んでいますので、ぜひそこを分解していくということが重要になってまいります。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。