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第7回 店舗数から見るアジア新興国のチャネルの実態

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テキスト版

みなさんこんにちは。スパイダーの森辺です。
今日は前回前々回に引き続き、近代小売と伝統小売についてお話します。
前回前々回と近代小売とは何なのか、伝統小売とは何なのか。そしていかに伝統小売が重要なのかということについてお話してきましたが、今日はその伝統小売が重要 な理由を改めて説明をしていきたいと思います。

後ろ の図は、アセアン6カ国の近代小売の実際の店舗数を表したものです。
この図を見て分かる通り、アセアンの中で最も近代小売が多いのがインドネシアの1万8955店舗。 これは、3ヶ月ほど前現在の弊社調の図です。そして、一方でアセアンで最も近代小売が少ないのが、ベトナムで1100店舗。 この図から分かる通り、近代小売が圧倒的にアセアンでまだ少ない。この1万9000店弱という数字は、どれくらいの数字なのか。日本のセブンイレブン1社が日本国内に保有するセブンイレブンの店舗数がおおよそ1万9000店。それと、インドネシア全土の近代小売の店舗数が同じ。ということですから、1番多いインドネシアでもいかに近代小売の店舗数が少ないか。そして、ベトナムは1100店舗しかございませんので、いくら近代小売の1100店舗に配荷率100%で製品をもっても、日販何百個売れる商品でなければ、絶対に採算は取れない。そして、アセアンの近代小売の最大の特徴は置くのにお金がかかる。 リスティングフィーがかかる。棚代がかかる。プロモーション代が要求される。このようなお金を払って近代小売消費財メーカーは絶対に利益を上げることはできない。

近代小売を取るということは非常に重要なんですが、それはあくまで伝統小売があった上で近代小売をとる。近代小売を取ると同時に伝統小売をいかに攻略するということが非常に重要 で、インドネシアは300万店ある。ベトナムの伝統小売の数は50万店ある。いかに近代小売をと伝統小売を広げられるか。
先進 グローバル企業であるネスレ、P&Gは例外なくアセアンの市場で近代小売は当たり前にありながらも伝統小売を攻略している。そこに成功のポイントがあるのです。

したがって、アセアン市場では近代小売を取るということは必須です。
しかし、それとほぼ同時並行的にいかに伝統小売を攻略していくかということを考えなければ、数の原理で利益を出す。高いシェアを上げる。出すということはできないのです。

それではみなさん、また次回お会いいたしましょう。