HOME » 動画番組 スパイダー・チャンネル » 第86回 シェア拡大のための2つのKPI

動画番組 スパイダー・チャンネル

第86回 シェア拡大のための2つのKPI

新刊はこちら » https://www.amazon.co.jp/dp/449565019X
定期セミナーはこちら » https://spydergrp.com/seminars/

テキスト版

皆さん、こんにちは。スパイダーの森辺です。今日はアジア新興国市場で消費財メーカーがシェアを上げていくための二つのKPIについてお話をします。過去にもこの番組で、アジア新興国市場でシェアを上げるためにどのようなことをする必要があるのか、ということで二つのKPIについてお話をしました。ただ、この二つのKPI大変重要なことであり、多くの視聴者の方からもう一度詳しく聞きたいとリクエストいただきましたので、今回改めて二つのKPIについて解説をします。
アジア新興国で、どうやったら自分たちの売り上げが上がるんだ、シェアが上がるんだ。いろんなことがあるんですが、いろんなことを取っ払ったときに、最も重要な二つの要素、二つのKPIって一体何なの?KPI、Key Performance Indicatorsの略ですが、日本語にすると、重要な主要な業績評価指数。パフォーマンスをしていくプロセスの中で、どの指標を重要視すべきか、ということなわけです。その指標を追っていくことで、KPI追っていくことで、その指標が上がっていれば、問題なく目標どおり進めば売り上げは上がるし、シェアは増えるということで、売り上げやシェアにつながっているKPIって、一体何なのか。
私は消費財メーカーではこの二つしかあり得ないと思ってます。一つがストア・カバレッジ、もう一つがインストア・マーケット・シェア。事実、アジア新興国の市場で、マーケットシェアの高い企業、特に欧米の先進的なグローバル消費財メーカーのKPIもこの二つです。
このストア・カバレッジって一体何なのか。私は横軸だというふうにお話するんですが、簡単に言うと配架店の数です。どれだけ多くの店に自分たちの商品が配架されているか、自分たちの商品はどれだけのストアをカバレッジできているか。例えばアジア新興国って、MTよりも圧倒的にTTのほうが数が多い。ベトナムが最もMTが少なくて、主要MTだけでは1300店舗ぐらいしかないわけです。一方で50万店のTTがあるということは、いかにTTを含めてストア・カバレッジを上げないといけないか。フィリピンでは80万店ある。インドネシアでは300万店ある。そのストア・カバレッジを上げるということが大変重要で、ここが一つのKPI、日々●(02:51)です。今自分たちの商品は、何千店舗、何万店舗、何十万店舗に置かれたんだということが大変重要、ストア・カバレッジ。
そしてもう一つは、置かれても売れなければ全く意味がないので、インストア・マーケット・シェアというのが縦軸になってくるわけです。自分たちの商品が、いくら10万店、20万店に置かれても、売れなければ売り上げはゼロ、マーケットシェアゼロですから、いかに各店舗で売れていくか。このインストア・マーケット・シェアというのは、インストア・シェアとは違います。インストア・マーケット・シェアというのは、例えば1店舗あたり売り上げが100万円あります。分かりやすく100という数字を使いますが、100万円あって、自分たちが売ってる商品がガムだとする。この月売り上げ100万円あるお店のガムの売り上げは、月10万円であると。その10万円のうち、3社でこの10万円を取り合ってるわけなんだけど、自分たちがどれだけシェアをとれるか。10万円を3社で取り合うということは、均等に割ったら3万3300円ずつになるんだけど、自分たちがどれだけ売れて、4万円とるか、5万円とるか、6万円とるか、というのがインストア・マーケット・シェアです。同じカテゴリー内で、どれだけシェアを伸ばせるか。
このストア・カバレッジと、インストア・マーケット・シェアを両方パラレルで上げていかないといけない。
まずはストア・カバレッジを上げることは先です。ただアジア新興国は売れなかったら早ければ3カ月、コンビニなんかは3カ月で商品撤去される。TTも、おやじさん、3カ月も商品置いてほこりかぶったら、もう売れないので、もう二度と扱いたくない、と言い始める。従って、ストア・カバレッジを上げに入ったと同時に、インストア・マーケット・シェアをどうやって上げれるか。この二つさえ上がっていれば。マーケットシェアも売り上げも上がっているわけで、この二つが上がらないから、売り上げもマーケットシェアも上がらず、苦しい思いをする。
従って、消費財メーカーが設定すべきふたつのKPIというのは、インストア・マーケット・シェアと、ストア・カバレッジ以外にありません。これをどうやって上げるか、ということが、その国でどうやって成功するか、ということの答えになります。
それでは皆さん、また次回お会いしましょう。