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第85回 先進グローバル企業から学ぶKSF4

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皆さん、こんにちは。スパイダーの森辺です。今日は過去3回にわたってこの番組でお話をしてきました先進グローバル消費財メーカーの主要成功要因、KSFということで、そのまとめ、総集編ということでお話をします。
結論から申し上げて、ネスレ、ユニリーバ、P&Gといったアジア新興国で高いマーケットシェアを持つ先進的なグローバル消費財メーカーの主要成功要因は一体何なのか。そこからわれわれは何を学ぶことができるのか、ということで、過去3回にわたってお話をしましたが、一つ目の成功要因というのは、中間層ターゲティングであると。ここが最も重要ですよ、というお話をしました。中間層を狙わないのであれば、アジア新興国にそもそも出る意味がないですし、アジア新興国の最大の魅力は爆発的に拡大する中間層。例えば数字でお話すると、2030年には30億人に拡大するといわれている、アジア全体でですね。ここをいかに取りに行くのか、という一番最初のビジネスを誰に向けてやるのか、ということを先進的なグローバル消費財メーカーはぶれない。中間層のためのビジネスをするんだと。富裕層じゃない、中間層だと。従って、中間層をターゲットにしてここからぶれない、ということは、もうこの時点で、中間層のための商品を、中間層が買える価格にするということが確定するわけです。
マーケティングミックス、ものを売るためには4Pが重要だとフィリップ・コトラーが言ってますが、このマーケティングミックスの最初の二つのPがクリアになるわけです。中間層をターゲットにするというところから。まずプロダクトは、中間層が求める商品を。プライスに関しては、中間層が買える価格で。それをどうやるか。原材料を変えるのもそう、サプライチェーンを変えるのもそう、サシェットのようなグラム数・入り数を変えるのもそう、製品としては世界標準化をしていながらも、いかに地域地域で現地適合化をしていくか、ということが、欧米先進グローバル消費財メーカーの最も強い部分で、最初の中間層ターゲティングに対して、日本の消費財メーカーは、できれば日本で売ってるものをあまりいじりたくない。原材料もそんなに変えたくない。できればこのまま買ってほしい。そしてビジネスを展開すると、なかなか中間層は買ってくれないというか、むしろ買えないことに気付いて、われわれのターゲットは富裕層なんじゃないかと。上位中間層なんじゃないか、ということで、どんどんどんどんターゲットが上振れをしてしまう。結果として、マーケットがどんどんどんどん小さくなっていく。アジア新興国という30億の大きなマーケットに出たつもりが、自らマーケットを小さくしてる、というのが日系企業の現状だったりするわけです。従って、この中間層のターゲティングがすごく重要であるという話をしました。
二つ目が戦略的チャネル構築。消費財のビジネスというのは、ストアのカバレッジをいかに上げるかということと、インストアマーケットシェアをどれだけ高めるか。横軸と縦軸。分かりやすくいうと、配架されている商品が置かれている場所を、どれだけ広げるかということと、置かれている場所それぞれで、売り上げをどれだけ高めるか、ということが大変重要。つまりはストア・カバレッジとインストアマーケットシェアが大変重要であると。それがこの2番、3番にあたるわけです。戦略的チャネル構築。ストア・カバレッジを上げるためには、アジア新興国というのはMTよりもTTであると。TTが何十万店、何百万店ある。ベトナムでは50万店、フィリピンでは80万店、インドネシアで300万店のTTが存在する、伝統的小売りが存在する。その伝統小売りに配架をするための戦略的なチャネルをつくらないといけない。1カ国1ディストリビューター制、●(いちだいていせい04:17)なんてやってたら、とてもじゃないけど、配架が進まない。ここに欧米の先進グローバル消費財メーカーは、力を入れてきた。むしろ日本の消費財メーカーの弱さというのは、製品力というよりはチャネル力の弱さが大変顕著で、このチャネルへの投資をさんざんやってきましたよと。
三つ目が戦略的プロモーション投資。ストア・カバレッジというのは、ものを置くという4Pでいうプレイスにあたるんですが、プロモーション、いわゆる置いたものを選んでもらうというのは、プロモーションなわけです。並べることと、選ばれることというのは全く違って、ここにもやっぱり投資をしている。これ全部つながってる。中間層がずれれば、ストア・カバレッジもずれるし、戦略的なプロモーションもずれてくる。富裕層をターゲットにするのであれば、TTなんかに置けないですからね。そのTTに置くためのチャネルづくりというのは大きくずれてくるし、どうやって選ばれるかということも全部狂ってくるので、これ一蓮托生でつながってます。
この三つのKSF、 Key Success Factorを実現してるからこそ、結果として高いシェアをアジア新興国で生んでいる、というのが先進的なグローバル消費財メーカーです。
す。
それでは皆さん、また次回お会いしましょう。