第9回 グローバル市場を牛耳る10大消費財メーカー
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テキスト版
みなさんこんにちは。スパイダーの森辺です。今日は、世界を牛耳る10大消費財メーカーについてお話しします。日本ではいずれの消費財のカテゴリにおいても日本の消費財メーカーがトップを占めております。この状況は世界ではどのようなものか、今日はみなさんも一緒に見ていきましょう。
後ろの図は、世界を牛耳る10大消費財メーカーと、そのメーカーが保有するブランドです。ご覧 の通り世界を牛耳る10大消費財メーカーというのはネスレや、P&G、ジョンソンエンドジョンソン、ユニリーバ、クラフト、コカコーラ、ケロッグ、マースといような欧米の先進グローバル企業です。
残念な事に、ここに日本の消費財メーカーは1社も入っていません。我が国が誇る花王や、ライオン、ユニチャーム、ハウス食品、味の素、キッコーマン、マンダムさらには明治、グリコ、森永といった、日本の消費財メーカーは含まれていないのです。この残念な事実の要因は、幾つかに分けられるのですが、大きな要因を2つ挙げるとすれば、1つ はアジア新興国や世界を市場と捉えた時期が残念ながら遅かった。欧米先進グローバル企業がアジア新興国を80年代後半には完全に市場と捉え、本気で小売攻略を試みていた時に、多くの日本の消費財メーカーは日本国内市場にフォーカスをしていた。アジア新興国を本気で市場と捉えたのは、ここ最近の事である。
80年代後半、90年代後半、現地に進出をしていたかもしれないが、本気になっていたのはここ最近の事である。それがまず1つめ。
そして 、2つ目の理由は、この番組でも再三お伝えしてきたアジア新興国の最大の特徴は、伝統小売である。消費財メーカーがその地で成功を収めるのはいかに伝統小売を攻略するか。ここに真剣に投資をしてきたのはこの10大消費財メーカーであり、消費財メーカーは今その課題に直面をしている。この2つが大きな要因です。
しかし 、まだアジア新興国の市場競争は始まったばかり。アセアンの次はメコンがあり、メコンの次はインドがあり、インドの次はアフリカがある。南米という市場も残っている。その事を考えれば、日本の消費財メーカーにとってはこれからでも遅くはない。
日本 の国内市場は少子高齢化、人口縮小によって必ずマーケットは小さくなる。
高齢者の胃袋にそんなにたくさんの食品は入らない。
高齢者はそんなにたくさんのお菓子は食べない。
高齢者はそんなに化粧品やシャンプーや日用品を使わない。
それ が前提としてあるならば、日本の消費財メーカーはアジア新興国に徹底して投資するということは必須事項です。
現在は欧米先進グローバル企業との差は大きいものの、これはまだ終わりではない。これから、日本企業の奮闘に大いに期待をしていきましょう。
それではみなさん、また次回お会いしましょう。