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第96回 MTへの戦略的導入とTTでのストア・カバレッジの拡大

テキスト版

皆さん、こんにちは。スパイダーの森辺です。今日は、MTへの戦略的導入とTTでのストア・カバレッジの拡大についてお話します。食品、飲料、菓子、日用品メーカーは、この2つをしっかり理解することで、ASEAN市場への参入におけるROI、効率的市場参入を実現することが可能です。今日はMTへの戦略的導入とTTでのストア・カバレッジの拡大について、一緒に学んでいきましょう。
 この図は、このMTへの戦略的導入とTTでのストア・カバレッジの拡大を説明するために、私がつくった図です。まず、このオレンジのラインというのが赤字ゾーンで、水色のラインが黒字ゾーン、海外販売というのは、大きく分けて2つあります。1つは輸出でやるパターン。そして、もう1つは現地に法人を構えてやるパターン、多くの企業は、まず輸出から始まって、現地に法人を出して海外販売を実施していくと。
この輸出でやるパターンの場合、赤字も黒字もありません。基本的にはキャッシュオンデリバリーで、キャッシュが入ったら輸出をする、ということをやりますので、特に赤字や黒字を気にする必要はない。ただ、やっぱり輸出ですから、自分たちの商品がどういう中間流通事業者を通じて、どういう現地の小売に並べられて、どういう消費者がそれを手に取って、何を思ってリピートしているのかが全く見えないビジネスなので、輸出では伸びしろが限られていると。ある一定の規模までくると、現地に生産工場なり、生産拠点なり、販売拠点を持たないといけない。そうなってくると、当然固定費が発生するので、赤字ゾーンや黒字ゾーンというのが出てくる、ということを前提にした図です。このMTとTT、日本ではよくMTが先かTTが先かとか、MTなのかTTなのかという、MTとTTの議論になるんですが、これはMTが先とか、TTが先とか、MTだけとか、TTだけとか、そういうことではなくて、MTもTTも両方重要で、なおかつ、同時並行的にやらないとだめ、というのがASEAN市場です。
なぜならば、前回にもお話した通り、ASEANは2つ理由があると。ASEANは、MTの数、絶対数が圧倒的に少ないから。一番多いインドネシアでも3万5,000店舗で、うち3万店はアルファマートとインドマレットなわけですよね。そうすると、この2社が取れなかったら残り5,000店舗、一番少ないベトナムのMTの数はたかだか1,500店舗。対してTTの数というのは、ベトナムでも50万店、一番多いインドネシアでは300万店存在すると。従って、このMTも取りつつTTも攻略する、ということがASEANでは求められるし、もう1つの理由は、MTの棚にはお金が掛かります。これは、リスティングフィー、棚代、強制プロモの費用、こういった費用が掛かるので、MTは、ある意味広告棚みたいになってしまっている。小売が不動産化しちゃっているわけですよね。棚、1SKUいくらで売っているわけですから。そこに置くにはプロモーションを強制的にやってくれと言われるわけですから、MTだけではなかなか利益が出ない、というのがASEAN市場の特徴です。そうすると、当然ながらTTも攻略をしていかないと、数が稼げない、利益が出てこないと。
一方で、TTのパパママショップのオーナーは、MTに置かれていないもの、MTで売れていないものは当然取り扱いたがらない、という理由がございますので、このMTとTTは、もう片方だけじゃ絶対に利益は出ないし、どちらか一方ではうまく市場を攻略できないと。成功している先進的な欧米のグローバル消費財メーカーは、必ず両方同時にやっていると。むしろ、MTでやることがTTに評価されて、TTでの実績がMTに評価されると。この構造をしっかり理解しているので、やはりMTの戦略的導入とTTのストア・カバレッジというのは、絶対に必要です。
それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。