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第95回 最新ASEAN主要5カ国主要MT(近代的小売)の店舗数

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皆さん、こんにちは。スパイダーの森辺です。今日は最新のASEAN主要5カ国の主要MTの店舗数についてお話します。このことを知ることで、ASEAN市場というのが一体どういう市場で、そして、このASEAN市場をどう攻略していけばいいのか、消費財メーカーにとって、ASEAN市場というのは一体どう捉えるべきなのか、ということが分かります。今日は、最新のASEAN主要5カ国の主要MTの店舗数について一緒に学んでいきましょう。
後ろの図は、そのASEANの主要5カ国の店舗数を表した図になりますけども、まず、ASEANというのは3つに大きく分けることができます。シンガポール、マレーシア、タイ、SMTの先進ASEANと、そのあとに続くVIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンの後進ASEAN、そして、最後はメコン経済圏と、3つのグループに分けることができると。そして、先進ASEANになればなるほどMTの比率が高い。例えば、シンガポールはほぼ100%MTなので、今回の図からは除外しています。マレーシアとタイ、これはもう4割5割MTの比率が実際に存在すると。
一方で、VIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンになってくると、MTの比率というのはまだまだ2割程度で、TTが有力な市場であると。メコン経済圏になればさらにそれがなおさらである、という構造になっていると。そうすると、メーカーにとってはだいぶ、先進ASEAN、SMTなのか、VIPなのか、メコンなのかによって、攻め方が変わってくると。ただ、1つ絶対的に言えるのは、ASEAN市場はMTだけでは儲からないと。もし、MTだけで何とか赤字にならないでやっていけるとすると、タイとマレーシアぐらいで、TTを同時に攻略しないと絶対に儲からない、というのがASEANの市場です。それをこれから、なぜか、ということをお話をしていきたいんですが。
まず、ASEANで最もMTの多い国、それはインドネシアです。実際に、どれぐらいの店舗数があるのか、3万5,000店舗存在します。日本のコンビニの数が5万店舗ですから、3万5,000店舗って悪くない。ただ、残念ながら、この3万5,000店舗のうちの3万店は、アルファマートとインドマレットが占めています。つまり、その他の店舗は5,000店舗しかないので、インドネシアではアルファマートとインドマレットに置けなければ3万店舗消える、ということなわけですよね。
一方で、TTは300万店舗存在すると。300万店舗。3万5,000店舗に対して、300万店舗存在すると。300万の店舗を、TTを攻略しないと、インドネシアでは恒久的にシェアは獲れないし、大きな利益を生むことはできない。そして、アルファマートとインドマレットで3万店舗とっているわけですから、彼らの店舗に置くためのレギュレーションや棚代、強制プロモは、とてもじゃないけど相当な金額です。従って、仮に置けたとしても、そこだけで利益を出すのはかなりしんどい。アルファマートやインドマレットで置いていることをTTにどれだけ生かせるか、ということが大変重要になってくる。
一方で、ASEANで最もMTの数が少ないのがベトナム。おおよそ1,300店舗ぐらいしかないです。今、ちょっと増えて1,500店舗ぐらいになっていますけども、主要どころでそれぐらい、1,300~1,500と。1,300とか1,500って、週販何個売れたって絶対に儲からないし、現法や現地の生産工場があったら黒字にならない。従って、ベトナムは50万店TTが存在して、うち30万店には食品が置けるようなTTであると。従って、そういうTTをとっていかないと、ベトナムなんていうのは絶対に儲からない市場というのが、もう出る前から分かっていると。フィリピン6,000店舗、タイ1万5,000店舗、マレーシア6,500店舗と。たかだか数千店舗のMTに並べて、儲けるためには週販一体いくらやらなきゃいけないのか、という計算が逆算できますので、この構造を分かるだけで、いかにASEANは中間層であるか、TTであるかと。MTやるのは当たり前、同時にTTをやるべき市場だ、ということが分かると思います。
それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。