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第98回 消費財メーカーが行うべき3つの仕事

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皆さん、こんにちは。スパイダーの森辺です。今日は、消費財メーカーがアジア新興国で行うべき3つの仕事についてお話します。消費財メーカーがアジア新興国市場に進出する際には、さまざまことをやっていかないといけない。これは1つ事実ではあるんですが、このさまざまなことを集約すると、結局、消費財メーカーにとっての重要なことって3つしかないんですよね。この3つができている企業は、しっかりとマーケットシェアを獲って現地で成功するし、この3つができていない企業は、逆になかなかシェアが取れずに苦しんでいる、というのが、私がこの15年間、アジア新興国市場で見てきた現実です。今日は、この消費財メーカーにとって重要な3つの仕事について、一緒に学んでいきましょう。
 まず、メーカーにとっての海外の販売ストラクチャーですが、海外販売というのは、輸出でやるパターンと、現地に法人を構えて現産して現販するパターンと、2つ大きく存在すると。輸出でやるパターンというのは、日本に工場があって本社があって、輸出入商社を活用するのか、自社の貿易部門なんかを使って現地に輸出をしていくと。そうすると、現地のインポーターがそれを輸入して、現地の小売に並べて現地の消費者に渡っていくと。
 ただ、この輸出のパターンというのは基本的にFOBジャパンで出して、港から先の話、日本の港から出た先の話は、ほぼ日本のメーカーは理解をしていない、感知をしていないと。自分たちの商品が現地のインポーターに輸入されてから、どういう流通事業者を通じて、どういう小売に、どういうふうに並べられて、それをどのような消費者が手に取って、買って、リピートしているのか、していないのかということが全く分かっていないので、商品の適合化なんていうのはほとんどしない。結果として、現地の駐在員、もしくは、ごく一部の日本通の人たちが使ったり食べたりする、ということにとどまっている、というのが輸出のビジネスですよね。
 一方で、本格的に輸出のビジネスがある一定のボリュームになると、現地に生産拠点なり、販売拠点を置いて、大きい会社になると地域統括会社があり、香港とかシンガポールに地域統括会社、リージョナルヘッドクオーターを設けて、その先に現法があって、ディストリビューターやサブディストリビューターをかませて、現地の近代小売、伝統小売、そして、食品であれば食品サービス、という流通を通じて消費者の口に入っていく、という構造になっているかと思います。
 このいずれの方法においても、消費財メーカーがやるべきことって、商品開発と、チャネルの構築と、プロモーション投資、この3つ以外にないんですよね。商品開発ってどういうことかと言うと、現地の中間層に求められる商品をいかに開発するか。日本で実績ある商品を、できればそのままの形態でアジアに持っていくって、これ、なかなか限界があります。いかに重要なのは、現地の中間層に求められるか、ということがすごく重要なので、ゼロベースでしっかり考えるということをやっぱりやっていかないといけないし、自分たちの商品がいかに優れていても、これ日本の企業が一番弱いところですが、現地の消費者に到達するチャネルがなければ、それは何の意味もないわけですよね。いいものはあるんだけども、それが現地の消費者に届くチャネルがないわけですから、チャネルの投資をしっかりしていかないといけない。成功している欧米の先進的なグローバル消費材メーカーは、過去10年15年でチャネル投資をしっかりやってきている。中間層が買いやすい売り場、これ、もっと言うと、MTはもちろんなんですが、TTを攻略するということを日本の消費財メーカーはしっかりやらないといけない。そして、最後のプロモーション投資。これは前回もお話しましたけども、いかに競合の商品よりも選ばれる存在になれるか、ということがすごく重要で、プロモーションということをやらなければ選んでもらえない。結局、商品を並べるのはチャネルの力ですけど、その並べた商品を選ばせる、というのはプロモーションの力なので、しっかりプロモーション投資をしないといけないと。
メーカーがやるべきは、この商品開発、チャネル構築、プロモーション投資、この3つに尽きます。この3つがしっかりできていてマーケットシェアが低い企業は、1社の例外も存在しません。成功している会社は、必ずこの3つができている。一方で、失敗している会社は、この3つのいずれかができていない。もしくは、すべてができていない、というのが実態かと思います。
それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。