第30回 経営資源が少ないなら、この2つにフォーカス
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テキスト版
マーケティングの基本プロセスには、2点の重要なポイントがあります。もちろん全ての工程が大切ですが、この2点を補強することにより、グローバル事業のスピードや、戦略の強度を高めることに繋がるのです。この2点のポイントについて解説します。=================================
みなさんこんにちは。スパイダーの森辺です。
今日はマーケティング基本プロセスの中で最も重要な2点についてお話しします。この2点は、日本企業の弱点、と言っても過言ではありません。この2点をいかに補強できるかが、みなさんの海外事業のスピードや、戦略の強度を格段に高めることに繋がります。今日はマーケティング基本プロセスの中でもっとも重要な2点について一緒に学んでいきましょう。
まず、最初に申し上げたいのは、R,STP,MMというマーケティングの基本プロセス10項目は全てが重要である。ただ、当然ながら限られた経営資源の中で、フォーカスをしなければいけないポイント、弱点を補強しなければいけないポイントがあります。その2 点がミクロ環境分析と販売チャネル。つまりはプレイスである。多くの日本企業は総じて良いものを作ることができる。したがって、自分たちは高い技術力で品質の良いものを作れるので、競合を本当の意味で競合視していない。したがって競合 の具体的な情報を持っている日本のメーカーは大変少ない。例えば、競合のメーカーのチャネル戦略はどうなっているか、競合メーカーのディストリビューションネットワークはどういうものなのか。競合のメーカーのディストリビューターのマネージメントはどういうものなのか。これらを具体的 に可視化して自分たちと比較することで、自分たちには何が足りていて何が足りていないのか、こういう観点で競合を知っている消費財メーカーは大変少ない。そして、2つ目の販売チャネル。これに関しても、多くの日本の消費財メーカーは日本国内の市場ではすでに販売チャネルは出来上がっている。出来上がった販売チャネルの上でビジネスを行っている。従って、販売チャネルを1から作るなんていう業務は基本的には日本ではやらない。だから、ここが非常に不得意。そして日本の消費財メーカーが海外でなかなか高いマーケットシェアを上げられないのは、この販売 チャネルを作り上げることに苦戦している。特にTTのチャネル。MTではなくてTTのチャネルをどう作り上げていくのか。
つまりは、品質が良ければ良い、という定義は日本国内の定義であって、特にアジア新興国では品質が良いことが必ずしも良いとは繋がらない。よって、敵 は品質以外にどういった優位性を持っているのか。本当の意味での競合の戦闘能力を知るということと、もう1つはいか に日本ではやったことのない、もうすでに出来上がっているチャネルというものを作り上げるか。ということが日本企業が大変弱点となっている2点であり、強固に固めていかなければいけない2点であります。
それではみなさん、また次回お会いいたしましょう。