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第450回 【本の解説】4P分析は競合との比較が重要

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『グローバル・マーケティングの基本』、私が去年、日本実業出版社から出した本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。

今日はね、135ページ、3-6なんですけど、前回3-5をやって、「3C分析でファクトを把握する」って131ページ、これはタイトル3Cだけじゃなくて4Pもだよねって、改訂版でタイトルに4Pも加えますねなんていう話をしていたんですけど。135ページに4Pのことをしっかり書いてあったので、3-5が3Cで、3-6が4Pということなので、タイトル変えなくていいということですね。私の早とちりでしたということで訂正をしておきます。

今日は135ページ、「3-6 4P分析は競合との比較が重要」ということで、前回ちょっとお話ししちゃったんですけど、今回もう1度同じような話になっちゃうかもしれませんけど、ちょっとお話をしておくと。前回3Cのお話をして、3Cというのは自社、市場、競合を可視化をする、カンパニー、カスタマー、コンペティターの3つのCを可視化することですよというお話をまずしていますと。この可視化というのは、重要なのは事実、ファクトを把握するということで、客観視するということはすごく重要で、自分の見たい市場とか、自分の見たい競合とか、自分の見たい自分とか、自分では気付いていない自分みたいなところを可視化しても全然意味がなくて、どれだけ客観的に可視化できるかということが非常に重要です。なので、産業調査の会社、シンクタンク含めて、消費者調査じゃなくて、産業調査に強い調査会社にしっかりと可視化をしてもらうということをやらないと、この3Cの分析したものがインプットとして戦略のアプトプットになるので、この3Cは重要ですよと。3Cというのはファクトの把握と客観視、客観視が重要ですよというお話をしたと。

反対に4P分析、このスライドの通り、4P分析というのは競合との比較がすごく重要ですよと。プロダクト、プライス、プレイス、プロモーションが競合と比較してどうなの? プロダクトは競合と比較してどうなの? プライスも競合と比較してどうなの? プレイス、販売チャネルも競合と比較してどうなの? プロモーションも競合と比較してどうなの?と、もう全ては競合との比較軸、1人よがりのI want you 4Pなんてつくったってまったく意味がないので、基本的には競合の4Pに対してどうか。例えば、プライスだって、安ければ安いほどいいなんていうことは絶対なくて、モノは1円でも高く売る、これがもう僕はマーケティングの鉄則だと思っているので、どうやって高く売るかという話なわけですよね。ただ、競合が例えば100円で売っているものを300円で売る、これは200円高いんだとすると、プロダクトとプレイスとプロモーション、ほかの3つのPでこの200円高いだけのバリューが本当に出せるんですかということになるわけで、そこが出せるんだったら別に300円で売ったらいいし。けど、大概の場合はそれだけの価格差をほかの3つのバリューで吸収するというのは相当至難の業なので、やっぱりそれは一般的な平均が100円だったら、300円で売るというのはなかなかハードルが高いので、それを調整していくって話になるし。プロダクトだって、絶対に必須の機能が付いているとか付いてないとか、はたまた日本企業の場合は余計な機能が付き過ぎるということがプライスを引き上げたりしている要因になっているわけなので、これはもう競合とどれだけ比較していくかということがやっぱりすごく重要です。

という話と、あと4C。4Pというのはメーカー側から見たときの観点ですよね。プロダクト、プライス、プレイス、プロモーション。でも、4Cというのはユーザー側から見たときの観点なわけですよね。ユーザーから見たときに、カスタマーから見たときですね、カスタマーから見たときのバリュー、カスタマーバリューはどうなの? プロダクトというのはカスタマーバリューに置き換えて、顧客から見て価値ある商品なんですか、それは。プライスというのはコストですよね。カスタマーにとってのコストがどうなの?と。彼らはそれを受け入れられるんですかということは1つだし。プレイスに関してはコンビニエンス、カスタマーから見たときのコンビニエンス、利便性高いんですかと、カスタマーから見て、ここにだけしか売っていないというのは、本当に顧客から見たときに、カスタマーから見たときに利便性いいんですかということがコンビニエンスだし。プロモーションというのはカスタマーとのコミュニケーションがどうなのかということなので、顧客とコミュニケーションを取る。最近だとソーシャルメディアを使ったコミュニケーションをどうやってカスタマーと取っていくか、消費者と取るかということがすごく重要視されていますけども、そういうことを含めたコミュニケーションどうなの? 顧客コミュニケーションできていますかということなので、4C観点で考えるということが非常に重要です。

スライドを戻ってもらって、ファクトを把握して競合を可視化することで貴社の課題と課題に対する改善策を明確化すると。それをベースに参入戦略を描くということになるので、そもそもこの3Cでファクト、事実を客観的に把握して、4P、4Cを競合と比較して理解をするということを併せ持たないと価値あるインプットにはならないので、戦略としてのアウトプットも出ないし、じゃあ、その戦略を実行したアウトカムにもつながらないよねというお話でございます。

なので、ぜひ3C、4Pやったよという企業は多いと思うんですけど、間違ったやり方で進めているというケースは意外に多く見られるので、ぜひもう1回自分たちの3Cとか4P、4Cを見直してみてはいかがでしょうか。

今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。