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第11回 日本企業とグローバル企業の大きな差

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第10回に続き、欧米先進グローバル企業や地場のローカルメジャーがグローバル市場で成功している要因を探ります。今回は、その要因の1つである「アジア市場に進出した時期」の日本企業との差にフォーカスし、解説していきます。

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みなさんこんにちは。スパイダーの森辺です。
今日は欧米ローカルメジャーに学ぶ アジア新興国戦略についてお話しします。
前回に引き続き欧米やローカルメジャーがアジア新興国で成功しているその要因、今日の要因は「進出をした時期」についてみなさんと一緒に学んでいきましょう。

まず 、最初に申し上げたいのは、欧米先進グローバル企業がアジアを市場として捉えた時期は日本の消費財メーカーよりも20年早いということです。
後ろの図は、欧米のメジャーと日本の消費財メーカーがどのタイミングでアジアを市場として捉えたか。特には、ASEANの市場をどのタイミングで市場として捉えたのか。特にはASEANの市場をどのタイミングで市場として捉えたのか。欧米のメジャーというのはP&G、ユニリーバ、ネスレのような先進グローバル消費財メーカーを指しておりますが、これらの企業は1980年代には既にアジア新興国を市場として完全に捉えていた。一方で、日本の消費財メーカーは当時はやはり成長が著しかった日本国内に非常に集中をしてしまい、アジアには生産拠点は設けていたものの、本気で消費マーケットと捉えたというのは2000年代以降である。 早い企業で1990年代にちょろちょろやり始めたという消費財メーカーはございます。ただ、本気になってやっていたかというと、答えはNOで、本気になり始めたのはここ最近である。従って欧米の大手のグローバル消費財メーカーと比べると20年差が開いてしまっている。
じゃあなぜ、欧米の消費財メーカーはこれだけ早くアジアを市場として捉えることが出来たのか。彼らはアジア新興国の流通構造は非常に未成熟であり、過去にこの番組でもお話しした伝統小売をいかに攻略するか。そしてこの伝統小売の攻略には長期間の時間がかかるということを欧米のローカルは熟知している。
だから、彼らはいち早く出て、20年でアジア新興国におけるチャネル構築に徹底的に投資をした。結果として、その模倣困難性の高い強固なチャネルが、伝統小売のマーケットシェアの高さにつながった。
日系 企業は今ようやく、本気になって伝統小売の攻略、つまりは伝統小売に強い投資をし始めておますが、やはりこの構図を当時は軽視をしてしまったというのが大きな要因でございます。

従って、この欧米先進グローバル消費財メーカーと日本の消費財メーカーはアジア、アセアンを市場として捉えた時期は20年開いています。ただ、まだまだメコンやインド、そしてアフリカの市場を考えた時に、この20年の差は十分縮められると信じております。
日本の消費財メーカーのさらなる躍進に大いに期待をしていきたいと思います。

それではみなさん、また次回お会いいたしましょう。