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第186回 ASEAN市場 重要なのは3つのブレークダウン

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。いつも当番組SPYDER CHANNELをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。ぜひチャンネル登録といいね!ボタンを押していただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

それでは早速、本題のほうに入りたいと思うんですが、今日は、アジア新興国の市場でマーケットシェアを上げていく、売上を上げていくために重要な3つのブレークダウンということについてお話をしていきたいと思います。アジア新興国市場で売上をあげるというのは非常に難しくて、多くの企業が苦労されている。その中でどうやったらじゃあ売上をしっかりとあげていけるのか、もしくはマーケットシェアを高めていけるのか。これってもう、3つのことをしっかりブレークダウンするという以外になくて。その3つのブレークダウンについて、今日お話をしたいんですが。

まず、ターゲットを明確にするということがすごく重要で。誰をターゲットにするんだということの設定が柔らかいと、その後のブレークダウンが全部台無しになってしまうので、いかにターゲットを明確にするかということがすごく重要。この図は、どちらかと言うと、B2CのFMCGについて書いていますが、B2Bの企業でも一緒なので、自分たちの事業に置き換えて考えていただきたいんですが。まず、どういうものが自分たちのターゲットなのか、そして、そのターゲット像というのがどの国のどの都市のどのエリアにいるのかということを、まず明確にしないといけない。なので、1番目はどのエリアから攻めるのかというふうに書いていますが、これ、よく海外展開と言うんですけど、海外じゃないですよねと。国でもう決まっていますよね。タイ攻めると言ったら、タイって決まっていますよね。ただ、よく、タイに進出しています。タイの事業を頑張っていますと言うんですけど、タイじゃないんですよね。もっと言うと、バンコクで。多くの日本企業はバンコクで事業をしていて、バンコクの消費者に対してB2Cなら事業をしていると。

B2Bならバンコクのユーザーに対して、もしくはバンコク周辺のユーザーに対して事業をしているので、タイでビジネスをしているんじゃなくて、それはバンコクだという、こういうふうに絞っていくということはすごく重要で。どの都市なんだということはすごく重要。もう、国で考えるというよりかは都市で、僕は考えるので、マレーシアの戦略とかじゃなくて、クアラルンプールの戦略なんですよね。

B2Cの場合、特に、人口密度とか人口の数、都市化率みたいなことがすごく重要になってくると、たいがいのケースで一部の例外を除いては、やっぱり大都市から攻めていくということが非常に重要になってくる。そうなってくると、マレーシアなんていうのは、もうクアラルンプールとジョホール攻めますと。タイというのは、バンコクを攻めます。ベトナムというのはホーチミンとハノイとダナンを攻めます。フィリピンはメトロマニラを攻めます。インドネシアはジャカルタを攻めますと、こういうふうになってくるので、どのエリアから攻めるのかということをまず明確にする。B2Cの場合は、今度どの小売を攻めたいのかということを明確にする。よくあるのは、日本企業の場合、何となく国だと、タイだと決めたら、B2Cでも小売からブレークダウンしていくんじゃなくて、じゃあ、タイ攻めるには、自分たちにはタイのマーケットで配荷をするケイパビリティがないので、パートナーが重要だと。じゃあ、どういうパートナーにしたらいいんだ?大手だと言って、大手のところに行って、大手とやれば大丈夫だという絶対的な安心から大手と組んだんだけども、蓋を開けてみたら、あれ?大手なのになかなか思い通りにいかないなと。むしろ、大手だからこそなかなか思い通りにいかないな、なんてことは結構ざらにあることで。まず、どこの小売に売りたいのかということを明確にする。自分たちのターゲットがこういう都市のこういうエリアに住んでいる、こういう所得で、こういう仕事をしていて、こういう小売に行くような女性です、年齢は25歳~35歳とかっていうターゲットがもう明確に決まっていたら、自分たちが出るエリアというのはもう明確に決まる。そしたら、そのエリアの中に存在する小売はどこなんだ?A小売、B小売、C小売ということが決まる。これがブレークダウンされていくと、3つ目の、じゃあ、そのA小売、B小売、C小売と強い関係のあるディストリビューターはどこなんだ?ということで、今度ディストリビューターを決めていく。どのディストリビューターとどう攻めていくのかということを話し合っていく。それぞれをブレークダウンしていくと、可能な限り具体的な数字に落とし込んでいくと、いわゆる課題が見えてきて、その課題を仮説検証をしていく。これを繰り返していくと、参入戦略の精度・粒度が高まっていくと、こういう構造になっているわけなんですよね。なので、この3つをしっかりブレークダウンしていく。どのエリアから攻めるんだと。どの小売を攻めるんだと。どのディストリビューターとどう攻めるんだということをどれだけブレークダウンしていくかが、マーケットシェアを上げたり、売上を上げたり、参入戦略の粒度を細かくしたりすることにつながるので、ぜひB2CのFMCGの企業はそういうことをやってみてください。

B2Bも同じです。B2Bもどのエリアからどう攻めるんですかということがあって、B2Bの場合は小売がないので、どの小売をどう攻めるのかというのは、どちらかと言うとユーザーに置き換えてもらって考えてもらったらいいと思うんですけど。どのユーザーをどう攻めるのか、いわゆるB2Bの場合は、たぶん4つぐらいのインダストリーに分けて、自分たちの商品なり部品をどのインダストリーから攻めていくかと。4つのインダストリー、全部同時に攻めるという企業もなかなか少ないと思うので、1個か2個、インダストリーを選んで、そこを攻めていくので、そのインダストリーのどのユーザーを攻めるのか。じゃあ、そのインダストリーのそのユーザーに強いディストリビューターというのはどこなのかということをB2Bは考えていけばいいので、これをできる限り細かくブレークダウンをしていくと戦略もものすごく細かくブレークダウンするので、仮説検証したときのこの差異が少なくなっていく、つまりは成功に非常に近づいていくということにつながります。

ぜひ、皆さんもこの3つを今の事業でブレークダウンしてみてください。それでは今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。