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第223回 【現地レポート】 ミャンマー ヤンゴン の伝統小売(TT)その2

テキスト版

(現地レポート)

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。スパイダーの森辺です。私は今、ミャンマーのヤンゴンに来ております。ヤンゴンの居住区のエリアに来ておりまして、弊社の従業員が住んでいるエリアなんですけど、そこの居住区の中にある伝統的小売、Traditional Trade、TTを見ていきたいと思います。概観はこんな感じで10年ちょっとぐらい前からやっているみたいなんですけど、何が売っているかを一緒に見ていきたいと思います。

まず、こういうアンズ系のもの、子どものお菓子、おつまみみたいなものから、当然、チップスも売っていて、結構特徴的なのが、こういう感じで10個入りで仕入れるんですよね。1つの袋が非常に小さい、日本のポテトチップスみたいに大きくなくて、非常に小さくて、その代わりコストを安く抑えるというが非常に重要で、数十円とかありますね。

日本でも昔ありましたよね、こういう駄菓子的なこういったものとか、いわゆるSachet売りというのは非常に新興国では重要ですけど、1個1個買えるという、そういうものですね。これも全部10個入りとかで問屋さんから仕入れてきて、それをばらにして売る。1個1個のパッケージは非常に少量であるというのが伝統小売の特徴です。

じゃあ、ちょっと飲み物を売っているところを見てみます。飲み物はいわゆるコカ・コーラ勢が中心で、ほとんどタイから来ているんですよね。ハンドレッドプラスはシンガポールの会社ですけど。でね、ヤクルトが結構頑張っているんですけど、正直、ヤクルトじゃないね。ヤクルト的なものなんですけど。ASEANではヤクルト非常に頑張っているので、それに類似した商品がいっぱい出ている。

あと、文具なんかも結構ペンが出て、いっぱいあって、パイロットが結構頑張っているんですよ。パイロットね、新興国でペンはね。日本のペンの輸出ってものすごく多くて、輸出は非常に頑張っていて、日本のペンメーカーは優秀なので頑張っていて、パイロットは非常に頑張ってやっている。

デオドラント、スキンクリームとか、こういうのは全部欧米系で、ミャンマーで売られているものの大半はタイからの輸入。だから、この国も6,000万人以上の人口がいて、これから爆発的に経済が発展していくというふうに言われているので、そうなってくると、やっぱり製造業も、どんどん、どんどん、ミャンマーに工場をつくって、ミャンマーで生産をするということが現実的になってくると思います。

今まだ電力の問題があるんですけど、電力の問題が満たされると、たぶんいろいろなメーカーはタイからじゃなくて、ミャンマーでつくってミャンマーで消費するということになってくると思います。

(解説)

森辺:皆さん、こんにちは。スパイダーの森辺です。今日の動画はいかがでしたでしょうか。ミャンマー ヤンゴンの今の伝統小売の様子を見ていただいたわけですけども。今回見たのは、比較的菓子が中心の伝統小売で、住宅街にはあるんですけども、ターゲットがお母さんではなくて、どちらかと言うと、お菓子を買いにくるような子どもであったり、文具を買いにくるような子どもであったり、飲み物とか、もうちょっとライトスナック的な。夕飯つくる材料を買いに来る、前回の動画でもありましたけども、TTが半分、何て言うんですか、トラック八百屋みたいになっている、そういうTTもあるので。それよりかは、どちらかと言うと、ライトスナックを売っているような、そういう小さめのTTで。

動画でもありましたように、10個入りの袋があって、あれを彼らは仕入れてくるわけですよね。結局、伝統小売でお菓子を売るというときに重要なのって、いかに金額を下げていくかということはすごい重要で。あの小さなスナック菓子、15円とか20円ぐらいで売られているわけなんですよね。そうしたときに、いかにグラム数を減らして少量にするかということと、あと、もう1つは日本のメーカーがやっているような、非常に高い原材料を使うのではなくて、体のためにいいもののほうが当然それはいいんだけども、そうすると今度は金額が合わなくなるので、金額が合わないと今度は買えなくなってしまうので、やっぱり1960年代に日本の菓子メーカーが駄菓子屋で売っていたようなもの、当時つくっていた原材料、そういったものを変えていかないと、あの国ではなかなか商品は売れなくなるし。

もう1つは賞味期限なんですよね。皆さん、日本で普通に生活していると気付かないかもしれないですけど、ポテトチップスとかって、賞味期限は長くても半年とか、4カ月とかで賞味期限って実は切れるんですよ。そんな短い賞味期限だと、なかなか新興国の伝統小売とか、近代小売でもそうですけども、ビジネスできないので、近代小売は賞味期限1年ないと、ディストリビューターがとにかく取り扱いたくないと言いますし、基本的には近代小売に入れたときに半年以上の賞味期限が残っていないと、近代小売はそれを受け付けないというのが、基本的にASEANどこも、中国もそうですけども。伝統小売もそうなので、やっぱり賞味期限を延ばすということをやっていかないといけない。賞味期限を延ばすと、これはどういうことをやるかと言うと、たぶん、僕も食品製造については専門家ではないので分かりませんけど、防腐剤がいっぱい入ったりとか、いろいろ体によくない処置をしないといけないという、おそらくことなだと思うんだけども。でも、そういったものが、今のミャンマーの菓子の主流になっているので、やっぱりそこに合わせていかないといけない。

その市場に、私たちはいい原材料でつくって高い技術でいいお菓子つくっていますから高いですよ、それでも買ってくださいね、ということをやると、当然中間層は、それは分かっちゃいるけど買えないわけなので、そうすると、やっぱり一部の外国人とか駐在員の、もしくは富裕層の食べる非常にボリュームの小さな商売になってしまうというのが現実的なので、そういったことをやっていかないといけない。

なので、新興国を攻めるときって、自分がスナックをつくっている、チョコをつくっている、今回の動画ではペンとかもありましたけども、その売られている競合のペンやスナックやチョコレートが、一体グラムあたりいくらなんだと。ペンはグラムあたりじゃないですけど、いくらなんだって、ここが1つの相場になってくるので、これの2倍3倍するものを伝統小売で売ろうとしても、これはなかなか売れなくて。売れないものを伝統小売に1回置くと、店の店主がもう二度とそれを取り扱いたくないと言うわけですよね。基本彼らは、限られた店のスペースに置きたいものというのは、近代小売で売れ筋のものしか置きたくない。近代小売で売れ筋のものを小さいパッケージにして売りたいというのが彼らの要望なので。そうすると、伝統小売のオーナーさん、パパママさんがもう取り扱いたくないと言うと、これまた敗者復活戦をやるのが非常に大変になるので。やっぱり4Pを考えたときに、このPriceが伝統小売、非常に引っ掛かるわけですけども、そこを考えていかないといけないし。

実は、伝統小売で売っているものって、グラムあたりで考えると高いんですよ。伝統小売の最大の魅力って何かと言うと、高くていいんです。これは消費者も分かっている。本当は100円で買えばお得なのに、それをわざわざ20円にすると、グラムあたり5分の1ではないわけですよね。ちょっと少ないわけですよね。そうすると、グラムあたりで考えたときに、伝統小売で小さく買ったほうが高いのに、消費者はそれを買う。なぜならば、消費者にとって最も重要なのはキャッシュフローなんですよ、個人の。そうすると、たとえば、薬なんか分かりやすいですけどもね、頭痛薬なんか24錠入っていると。今、頭痛がするから治したいという、この「今、2錠飲む」というのが本当は必要なのに、残りの22錠、今後いつ頭痛が発生するか分からない22錠分のお金を先に払うということが新興国の人たちにとってはつらいわけですよね。ポテトチップスも腹いっぱい食べれればいいですけども、そんなに食べるというか、もうちょこっとだけ食べたいんだと。今、飲めるだけ飲みたいんだと。

インドの田舎のほうなんかに行くと、いまだにペットボトルのいわゆる一口飲みというのをやっていて。どういうことかと言うと、ペットボトル1本買いたくないと、お金が掛かるので。なので、これ20円のペットボトルというのを一口5円とかで売るわけですよね。そしたら4倍出したら1本買えるのに、一口5円で飲むというね。今、喉を1杯潤すだけでいいという、まさにいわゆる伝統小売水筒みたいな、そういう売られ方をしているので。

すべてのアイデアをそこに立ち換えるということはすごい重要で、伝統小売でものを売るというのは、今欲しい分だけを、今食べたい分だけをどうやって売っていくか、ということを考えていくということが成功の秘訣になってきます。皆さんもぜひそういう観点で見てみてください。

それでは今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。