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第224回 【現地レポート】ミャンマーの嗜好品「クーン」から見る消費市場の成熟度

テキスト版

(現地レポート)

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。スパイダーの森辺です。今、私はミャンマーのヤンゴンに来ております。ヤンゴンの中心部からちょっと離れた居住区のエリアに来ておりまして、その1つに、ヤンゴンに行くと「クーン」と言われる、インドからの習慣だと思うんですけど、葉っぱにいろいろなものを包んで食べて、たばこのような効力がある、ちょっと頭がくらくらっとするようなものがあるんですよ。習慣ですね。それを売ってるお店をちょっと見ていきたいと思います。

これが葉っぱで、こういうものなんですけど。今、洗ってるんですね。その葉っぱを、このおじさんがこうして包んで巻いてるんですけど、何を入れてるんでしょうね。すごい葉っぱの中にこう、この怪しい白い液体を入れて包んで、実を入れて、こう、頭がボーッとするらしいんですよね。麻薬かっていう話ですけども、それを袋に入れて売ってるんですね。たばこの一種ですね。これがその袋ですね。こんな感じです。こんな感じ。これを口に入れて噛むんですかね。噛むと、頭がくらくらっとしていい気持ちと。この、たばこと同じようなものらしいんですけど、ちょっと私、たばこももう、やめて吸いませんし、これ吸うの怖いんで食べませんけども、一応そんなものです。

おじさんも味ありますよね。この味あるおじさんがこうしてつくってる、体に悪そうですね。10年後には、たぶん、ほとんどなくなっていくんじゃないでしょうか。

(解説)

森辺:今日の動画はいかがでしたでしょうか。「クーン」、別名「キンマ」とかというふうにも言われるんですけども、大変体に悪そうなものでしたが、今回なぜこの「クーン」を皆さんにご紹介したかと言うと、何をお伝えしたかったかと言うと、アジア新興国市場において、この「クーン」のような嗜好品、こういう体に悪いものがどう市場から淘汰されていくかでその国のマーケットとしての成熟度を計ることができるということをお伝えしたくて、今回「クーン」を紹介させていただきました。

ミャンマーって、正直、食品・飲料・菓子・日用品等のFMCG、消費財メーカーにとっては、まだ早い市場なんですよね。もちろん先駆者メリットを目的として既に出ているメーカーというのは日系でも何社かありますが、基本的にはFMCGマーケットとしてはまだ成熟度が完成していない。今後、どのタイミングでミャンマーに出ていけばいいのか、ヤンゴンに出ていけばいいのかということを計る1つの軸としてこの「クーン」の存在というのにウォッチをするというのは1つの重要な指標で。必ずこのミャンマーの市場が成熟してくると、マーケットとして成熟してくると、この「クーン」は市場から淘汰されます。

どういうことかと言うと、これは別にミャンマーに限らず、アジア新興国に限らず、アフリカでもインドでもどこでもそうなんですが、国がまだ成熟をしていない状態においては、まず空腹を満たすことが非常に重要で、空腹を満たすものが需要としてまずは1つ大きく拡大をしていくと。その後、嗜好品というものがどんどん、どんどん、拡大をしていくわけなんですが、このステージにおいては、健康に対する意識って低いんですよね。体にいいとか悪いというのは消費者にとっては二の次のマターであって。こういったものが、国がどんどん、どんどん、成熟をして消費者が豊かになってくると、空腹も満たしたい。嗜好品としての役割も得たい。なんだけども、健康でありたいというニーズが生まれてくる。われわれ日本がまさにそうですよね。いくらおいしくても体に悪いものは食べたくないし、おいしくなくても体にいいものを食べたいという、こういう趣向に変わってくるわけなんですが。ミャンマーも必ずこういう状態に今後成長していく、数十年経っていくと。そうすると、この「クーン」が市場から消えていくわけですよね。このタイミング、消えてから出ていったのではもちろん遅いんですけども、この「クーン」が市場からどういうふうに減少していっているかというのを1つ見ていくと、このミャンマーの成熟度を計る1つの大変重要なメジャーメントになるので、そこは1つ見ていってもいいのではないかなと。

あと、これは近しいので台湾の「ビンロウ」というのがあると思うんですけど、台湾の「ビンロウ」は今でも売られていますけども、「クーン」ほど体に悪そうなものでは「ビンロウ」はないのでまだ残っているんでしょうけども、昔は、ついこの10年とか15年ぐらい前までは、「ビンロウ」って小さな電話ボックス4個分ぐらいの小さなスペースで、若い女性がミニスカートみたいな少しセクシーな格好をして、その電話ボックスみたいなところは蛍光ピンクとか紫とかの蛍光ライトが点いていて、町を夜車で走っていてもすぐ分かるような蛍光ライトで、その中でセクシーな格好をした女性が売るという、そういうスタイルで売られていて。私、台湾、台北に行ったときに、なんでこの「ビンロウ」をセクシーな格好をして売らないといけないんだろうなって不思議に思いましたけども、法改正で今はそういうセクシーな格好をして「ビンロウ」を売っちゃいけなくなっているんですけども、こういう「ビンロウ」も残っていると。残っているけども売り方が変わった。これはやっぱり台湾、台北の市場がさらに成熟をしたので、そういう売り方はよろしくないでしょう、ということでそうなっているわけなんですけども。台湾の「ビンロウ」に近しいかもしれませんね。

将来的には、「キンマ」も、「クーン」も完全に市場からなくなるということはなかったとしても、台湾の「ビンロウ」のように若干残ったとしても、必ず今のような状態の数、ものすごい数あるんですよね、「クーン」の売り場って。ああいう状態が、国が成熟してもずっと続くということはあり得ないので。この「クーン」売り場の減少とマーケットを比較しながら見ていくと、今後のミャンマー、ヤンゴンの成長をしっかりと計ることができるのではないかな、というふうに思います。

それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。