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第225回 【現地レポート】ミャンマー ヤンゴンの問屋街に行ってみた(菓子・文具)

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テキスト版

(現地レポート)

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。スパイダーの森辺です。現在、私はミャンマーのヤンゴンに来ておりまして、ヤンゴンの周辺の問屋街に来ていて、その中の菓子問屋の一角に来ています。

ここがその菓子問屋なんですけど。菓子問屋もいろいろあって、全国からここに商品を小売店が買いに来るわけなんですけど、いろいろな菓子問屋があって、ものはほとんど、やっぱりミャンマーはまだ中国から輸入しているんですよね。結構、バッタもん的なお菓子が多くて、例えば、キットカットみたいなものとか、抹茶系のものとか、結構、中国製のバッタ系のおやつが多いです。なので、こういうところはなかなかちょっと日本の商品が置かれにくいんですけど、だいぶ盛んにビジネスをやっているということで。メーカーが正規に問屋に卸しているというよりかは、もう問屋が輸入会社を使って中国とかから輸入しているという、そういうのが実態です。

(解説)

森辺:皆さん、今日の動画はいかがでしたでしょうか。ミャンマー ヤンゴンの問屋街に行って、今回は今ご覧いただいた菓子問屋と、あとこれからこの後ご覧いただく文具問屋に行ってきたんですけど。どれぐらいのスペースですかね、東京ドームの敷地ぐらいのスペースに、本当に問屋がブワーッといろいろな問屋があって、靴を売っている問屋、服を売っている問屋、菓子を売っている問屋、文具を売っている問屋、いろいろな問屋がブワーッと密集していて、イメージ的には20年前の広州の問屋街みたいな、中国 広州の問屋街みたいな、そんなイメージで。

菓子問屋もそうだったんですけど。今回行ったところ、売っているお菓子がちょっとバッタ品というか、偽物品というか、どちらかと言うと、中国の二流、三流メーカーの菓子が輸入されてきていると。これも中国のメーカーが主導で輸入しているというよりかは、ミャンマーの輸入業者が中国のそういう二流、三流の雑多な菓子がブワーッとあるようなところからバルクで仕入れて、それをミャンマーに輸入して、問屋を通じてミャンマー中に販売をしている、販売をしているというか、あの問屋にミャンマー中から伝統小売のオーナーさんが買いに来るという、そういう構造になっているんですけども。

そういうものが多いですと。なので、売っているものもキットカットに似ているものとか、ポッキーに似ているものとか、一時期ASEANで非常に流行った抹茶系のものとか。パッケージも日本語をパッケージに、間違った日本語ね、怪しい日本語をパッケージにつけたりとか、韓国語をパッケージにつけるだけで、あたかも日本のお菓子、韓国のお菓子というようなイメージができるので。結局、日本とか韓国ってASEANでブランドになっているので、日本語の書いてあるものは安心・安全・おいしいみたいな、そういうイメージがすでに植え付けられているので、韓国語もそうですし、そういうものが印字されている。実は、日本のあらゆる商品にも、よく日本の菓子もコンビニに行ってパッケージを見ると、英語が書いてあるんですよね。これも別に欧米人に、欧米人というか、アメリカ人とかイギリス人やオーストラリア人に言わせたら「あー、英語が書いてある…」ということなので、そういう感覚で日本語が書いてあると。昔もね、日本は英語が書いてあると、なんかちゃんとしている、外来品の良いものだ、みたいな印象があった時代がありましたから、その名残りで日本の商品にもパッケージには英語が記載をされていますけども。そういうことで日本語が記載されているパッケージの商品とかが売っていると。

結構、何て言ったらいいのかな…。20年前の本当に広州の問屋街、行ったことある人は分かると思うんですけど、ああいうところで売られているような、本当に二流、三流品がいっぱいあると。だから、日本の菓子メーカーが今すぐミャンマーに出ていって市場で戦って勝てるかと言うと、ちょっと全くもって、勝てるかと言うか、潤うかと言うと、全くもって潤わない市場。ベトナムである程度収益化が立てられているのであれば、ミャンマーに先行投資をするというのはありだと思うんですけども、フィリピン、インドネシア、ベトナムでまだまだできていない菓子メーカーがいきなりミャンマーをやるかと言うと、ちょっとまだ早いのではないかなと。

実は、ミャンマーのステージとしては、今、車が生産拠点として出ていって、この後、家電が必ず出ていきますから、その後に、おそらくFMCG、食品とか飲料・菓子・日用品の業界が生産工場をつくっていくということになると思うので、たぶん、市場が成熟してくるのはその頃ですよと。一方で、MTの数もまだ1,000~2,000とかって言っているので、基本的にはTTをやらないと儲からないですよと。TTで日本の菓子を輸入でやっていったら値段が合わないのでどの道売れないと。タイから引いてもやっぱり値段がなかなか合わないので、タイから輸入で入ってきたものもやっぱりMTに行ってしまう。MTだけだと、言うと、MTのそもそもの数が1,000~2,000なので、そうするとボリュームが合いませんねということで、なかなか今はタイミングじゃないのではないかなと。

そうは言っても、キットカットなんかはもう既に本格的に始めていて。早いですよね。先駆者メリットを狙って早くから進出をしていくので、本当のことを言えば、日本の大手のチョコレートメーカー、菓子、クッキーメーカーなんかも、どんどん、どんどん、たぶん今のタイミングから出ないといけないというのは、本来だったらあるんでしょうけども、日本企業のケイパビリティを考えると、なかなか難しい市場なんじゃないかなというふうに思います。

この後、文具問屋の動画を見てもらいますので、まずは動画を見てください。

(現地レポート)

森辺:ヤンゴンの中心部の近くに問屋街がありまして、その問屋街に来ています。問屋街の中でも、文具なんかを卸している問屋に来ました。ちょっと中を見てみましょう。

こんな感じでいろいろな文具を売っていて、日本製は三菱uniのシャーペンの芯なんかを売っていますね。たぶん、技術が非常に難しいので、こういったものは日本からの輸入になってしまうんでしょうけど。日本から直接輸入しているというよりかは、インドとか中国から輸入しているという感じですか。ここにCITIZENとかCasioとか書いていますけど、ちょっとどれぐらいのお値段か分からないので、だいぶ偽物も売られていますけど、一応ここはホールセラーで、個人が小売で買いに来るケースもあるし、近くの学校がここに注文を入れてデリバリーをしたりとか、あと地方の二次店なんかに売ったりしている。こういうところを文具メーカーは攻略しながらマーケットシェアを伸ばしていく、こんなところになっています。

(解説)

森辺:文具問屋の動画を見ていただきましたが、文具問屋もやっぱり菓子と同じで、多くの商品は中国から入ってきていると。これも中国の一流メーカーの文具ではなくて、二流、三流のメーカーの商品がバルクで入ってきていると。これも二流、三流のメーカーがミャンマーを戦略的にターゲティングして中国から攻め入っているかと言うと、そうではなくて、ミャンマーの輸入業者が買い付けに行って、バルクで輸入してノンブランドのものを、意味のないブランドがついているのかもしれませんけども、それを行った問屋で売っていますよと。
あの問屋には消費者も買いに来るし、一方で全国からああいうTTの小さな商店の人たちも買いに来るし。あと、言っていたのは地域の学校なんかもああいう問屋というのは非常に大きなB2Bのクライアントで、そういうところに納品をするということは数が出ますから、そういうところに納品をしたりして生計を立てていると。

動画にも映っていましたけど、CasioとかCITIZENのものがありましたけど、ちょっとね、偽物かもしれないので、あんまり私も遠慮してジロジロ見れなかったんですが。仮に偽物だったとしても、店主もそれが一体偽物なのか本物なのか、CITIZENって何なんだ?Casioって何なんだ?ぐらいの、たぶんレベル感で輸入をしているという、そういう感じでしたね。もし、あれ、日本の本物だとすると、値段が合わないので、たぶんまずもって誰も買わないので、おそらく中国からの偽物のバルク輸入をしている商品なんだと思うんですけど。

シャーペンの芯だけは三菱uniのもので、これは確かめましたけど、本物だったと思います。やっぱりこれは技術的に難しいんでしょうね、シャーペンの芯をつくるというのは。これはたぶん、タイか日本か、どちらからか並行輸入されたものだと思うんですけど、そんなものも売られていたということで。

やっぱり日本の文具メーカーも、これまた菓子と一緒で、ミャンマー市場を今いきなり本気になってやって旨みがあるかと言うと、やっぱりときが熟すのは少し時間が掛かるのかなと。まず、インドネシアとかフィリピン、ベトナムである程度のシェアであったり、売上を確保した企業、文具メーカーが攻める市場がミャンマーであって、そこの3つの市場がまだ獲れていないのに、いきなりミャンマーというのは少し順番的には違うのかなというふうに思います。

今回は問屋シリーズということでしたけども、時間ですのでこれぐらいにしたいと思います。それではまた皆さん、次回お会いいたしましょう。