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第250回 インドネシア – 300万店の伝統小売を攻略するには?

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、「インドネシア – 300万店の伝統小売を攻略するには?」ということでお話をしていきたいと思います。

今日のお話は、FMCG、食品・飲料・菓子・日用品等のFMCGのメーカーさん向けのお話です。インドネシア市場において、どうやったらこの300万店の伝統小売が攻略できるのかということを一緒に学んでいきましょう。

このシリーズですけど、最近、VIP、フィリピンから始まって、ベトナム、そして、今回インドネシアということで何回かお話をしていますが、このVIPの一角を担うインドネシア。VIPというのはベトナム、インドネシア、フィリピンの略で、インドネシアは近代小売もASEANの中で最も多いんですよね、3万5,000店舗あって、伝統小売の300万店と、これも最も多いと。VIPというのは、そもそもASEANの中で最も成長が著しくて将来性があるというふうに言われている国で、中でもインドネシアはずば抜けているということになるわけですけども。

これも、フィリピン、ベトナムと一緒で、3万5,000店舗の近代小売をやっぱりまず攻略するということが、300万店の伝統小売を攻略するうえではもう必須の重要度を保っています。ここで売れ筋にならなければ、伝統小売のオーナーさんは取り扱いたがりませんので、基本的にはいかに近代小売で目立つかということが非常に重要。気を付けなきゃいけないのは、3万5,000店の近代小売のうちの3万店はアルファマートとインドマレットという2強のコンビニエンス、地場系のコンビニエンスストアなんですよね。セブンイレブンはもうインドネシアを撤退しましたよね。アルファマート、インドマレットが、数年前に撤退しましたけど、これだけ強いので、彼らはベトナムに行きましたけども、撤退をしたということで、ものすごく強いと。ここに入るのも一筋縄じゃいかないわけですよね。そもそもASEANの近代小売というのは導入費用、リスティングフィーや棚代、強制的な、半強制的なプロモーション費用、いろんな固定費が掛かるわけですよね、ものを置くのに。棚貸し業みたいなものなので、そういったことを考えていくと非常に膨大なコストが掛かっていくと。それをどうコストが掛からないようにやっていくかというのは、また別の機会のお話をしたいと思いますが。そういうことをクリアしながら近代小売を攻略をしていかないといけない。

3万5,000店舗のうちの3万店も、1万5,000、1万5,000ずつぐらい、アルファマートとインドマレットが持っているわけですけど、こんな店舗数を持っていたら、これは小売の交渉力と言ったら相当強いので、覚悟してやっぱり小売との交渉をしないといけない。言ったら、売ってやっているムード満々の人たちですから、「ははあー」とやっていかないといけない、そういう大変な市場であるということは1つですよね。でも、それをやらないと300万店の伝統小売に入れないので。もちろんコンビニに置けるようなもの、もしくはコンビニが適していないようなものであれば、残りの5,000店舗の近代小売をまずやるというのはもう当然戦略としてはありなので、そこがまずあるので。基本的に、ごちゃごちゃ言っていますけども、近代小売をまずマストでやりましょうということが1つと。

あと、これもフィリピン、ベトナムと一緒で、いかに伝統小売で売るためには、いかに今使いたい分だけを売るかということがすごい重要。つまりは1個、ばら売りする、グラムを減らして売るということがすごく重要で、個人のキャッシュフロー、これがないのが新興国ですから、このキャッシュフロー、要は薬で言うと、24錠われわれは買いますけど、12錠買いますけども、将来、頭痛が起きるか起きないか分からないものを今買うということが嫌なんですよね。今痛い頭痛を抑えたい1錠が飲みたいので1錠から売ると。たばこも、たぶん、今吸ったらお昼ぐらいにまた吸いたくなるんだろうけども今吸いたい1本を買うと、こればら売りしているわけですよね。アメもそう。袋で買うのではなくて、今喉が痛いので舐めたい1個を買うというのが鉄則なので、そういう商品形態にしていくということは重要ですよと。

3つ目のチャネルなんですけど、これはインドネシアも主要島だけで5個6個あるわけですから、基本的には全部で1万4,000島ぐらいかな、島があるわけで。すべての1万4,000島に配荷をする必要はないんでしょうけども、主要島だけでもそれだけあるわけなので、基本的には本当にディストリビューション・チャネルというのは非常に重要で、基本的にはそれなりの数のディストリビューターを使う必要があります。どういう設計をするかですよね。自分たちはジャカルタ中心でやるのか、ジャワ島全域へ行くのか。どういうふうにしていくのかということをまず明確にして、それに適したディストリビューション・チャネルをつくっていかないといけない。もちろん、これは1カ国1ディストリビューター制なんて全くもって通用しないので、この国では。いかに地域に分けて、ディストリビューターを分けていくかということをやっぱりやっていかないと、これまた伝統小売にはしっかり浸透していかないので、300万店もあったら一気に全部やろうなんて思わずに、まずジャカルタ、そしてジャカルタ近郊からどうやって攻略していくかということを考えていくということが適切なんじゃないかなというふうに思いますけども。ディストリビューション・チャネルの設計が非常に重要です。最初の設計を間違えると、これはもう途中で修正するのが非常に難しいので、最初の設計図をいかにつくるかということが大切になってくると思います。

それでは皆さん、今日はここまでにして、また次回お会いいたしましょう。