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第251回 ミャンマー市場の今後

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、「ミャンマー市場の今後」についてお話をしていきたいと思います。

ミャンマーはASEANのメコン経済圏にある1国ですけども、ASEANを分けるときに、ブルネイは非常に特殊な国なので一旦除外をして、3-3-3で分けていくというのが、私は分かりやすいやり方なのかなというふうに思っているんですけど。まず、先進ASEAN、SMTですね、シンガポール、マレーシア、タイランドの非常に先進的なASEAN、先進国とほぼ変わらないですよね、特にシンガポール。マレーシアもクアラルンプール、ジョホール。タイはバンコクに関しては、もうこれは近代国家そのものなので、首都で考えたら完全に先進的ですよということで先進ASEANと。次にあるのがVIP、いわゆる今成長著しく、また、人口も非常に大きなVIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンですよね。最後に来るのが後進ASEANのCLM、カンボジア、ラオス、ミャンマーということで、この最後の後進ASEANのCLMのミャンマーについてお話をしていきたいと思います。

この番組でもミャンマーの視察動画、コロナになる前、1月だったかな、私がミャンマーに行ったときの動画を撮って、本当は、今年…、今年もう、ごめんなさい、2021年ですね、これ、今、収録しているのは2020年なんですけど、2021年、去年ね、海外に渡航していろんな現地視察の動画をどんどん、どんどん、撮りたかったんですが、なかなかコロナでそうはいかなくなって。この2021年も寒くなってやはりかということでコロナが猛威をふるっていますが、春過ぎ、夏ぐらいには徐々に海外渡航ができるのかなというふうに思うので、また現地の視察動画を入れられたらいいなと思いますけど、もしかしたら2022年になっちゃうのかもしれませんけども、視察動画を撮ったのがミャンマーですと。

ミャンマーの今後についてなんですけども、コロナが、これ一生続くのかって、そんなことはないので、何年か、われわれ世界中の人たちに大きな打撃を与えて、そして、それが収束をして、かつての日常が戻ってくるわけですけども。そうなったときに多少の遅れや変化はあるものの、ミャンマー市場というのは、コロナが挟んだから、コロナが2年、3年挟んだので、さらに最貧国になってポテンシャルがなくなりましたとなるかと言うと、そこまで落ち込むこともないし、コロナの2~3年の間にいきなりジャンプアップして豊かになりましたと、こういうこともないので、コロナ前の継続をしていくわけなんですけども。していくわけというか、していくと思うんですけども。

その中で、以前この番組でもお話をしたと思うんですけど、ミャンマーのステージというのは、後進国が先進国になるというのは、以前、図を使ってご説明したと思いますけど、ちょっと図を出してもらいましょうかね。ODAの政府開発援助があって、1番ですね、2番目の外資企業の誘致政策があって、3番の政府と民間の商社や銀行などの官民インフラ整備プロジェクトというのがあると。今まさにこの3番の状況。一部、民間企業進出第一陣、インフラ事業者などが出て、この4番にも突入していて、そして、5番の民間進出第2弾、自動車メーカーなど、ここまでいっているんですよね、3~5の間を今ミャンマーは通過をしているまさに途中で。まだ家電メーカーの進出が目立っていないので、これからやっぱり民間進出第3弾の家電メーカーが出て、FMCGなどのいわゆる食品・飲料・日用品のメーカー、7番、第4陣として出て行く、今は日本の消費財メーカーというのはタイから出ていたりとか、タイから輸出していたりというケースが多いので。この7番が出始めるともう新興国として立派な状態になるわけなので、言ったら、インドネシアとか、ベトナムとか、フィリピンに近いような状態になってくると思うので。まさに今、3、4、5の状況なのかなと。なので、このコロナで家電メーカーの進出がどれぐらい遅れるのかというのが、やっぱり1つのキーになるのかなというふうには思います。本来だったら2023~2024年頃から始まっていた予定が少し後ろ倒しになってしまうということになるんじゃないかなと。

なので、まだまだやっぱりミャンマーというのは先行投資の市場で、これは2012年度ぐらいに何回目かのミャンマーブームみたいのがドーンとあって、結局、あのとき、猫も杓子もミャンマーと言って、中小企業までがミャンマーに行き始めたんだけど、ベトナムで成功もできていない中小企業がミャンマーで成功するわけないでしょうというので散々「危険ですよ」というのを僕は言ったんですけど、そこからブームが去って、一部、今、建設業とか内装設備業なんかは、ホテルとかボンボン建っているので、そういったところが突発的に一時的に好景気になってはいますけども、基本的にはこの図の通り、さっき出した図の通りの順番でしか新興国には成長していかないので、そういう観点からすると、やっぱり、3、4、5を今ミャンマーというのは通過をしているので、これから家電メーカーが出て、消費財メーカーが出てということを見つつ、自分たちの事業の出るタイミングを判断するということになるのではないかなというふうに思います。
従って、ミャンマー市場の今後というのは、これからもVIPの次に重要なASEANということで長期的な投資が必要になってくるので、あまり無理をせず、パワーを出し切らず、程よい投資をしていく必要があるのではないかなというふうに思います。

それでは今日はこれぐらいにして、皆さん、また次回お会いいたしましょう。