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第28回 本当にグローバルで戦うべきかを考える

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テキスト版

日本の内需は縮小傾向にあり、日本企業にとってグローバル市場への展開は大きな課題です。ただ、グローバル市場で勝つためには武器を持たなければなりません。グローバル市場における「いいモノ」の概念に触れつつ、日本企業に必要な武器について解説します。

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みなさん今日は。スパイダーの森辺です。
今日は企業がグローバル市場で戦うために必要な武器についてお話しします。
少子高齢化、人口現象が叫ばれる我が国においては、内需は縮小傾向にあります。そのため企業にとって、グローバル展開というのは、1つの大きな課題です。ただ、いずれの企業もグローバル市場で負け戦はしたくないはずです。グローバル市場で必要な武器とは一体どのようなものなのか、今日は一緒に見ていきましょう。

まず、最初に申し上げたいのは、多くの日本の製造業は、技術力 やもしくは良い品質の製品商品。こういったものを1つの大きな武器と捉えて、その武器にあまりにも固執して現地に進出をして、負け戦をしてしまうという例が少なくありません。海外で戦う上で、技術力や製品商品の品質は大変重要です。ただ、それだけでは決して勝つことはできない。グローバル で勝つためには、人、モノ、金、情報そしてナレッジやノウハウという武器を持たなくてはならない。競合と比較してモノは長けてるんだけど、人や金や情報やナレッジやノウハウで負けていれば、それは負け戦になる可能性が非常に高い。なぜならば、昨今日本企業が作れるものは、すでにアジアの企業でも作ることができる。当然皆様から言わせればその技術力の差は大きい。ただ、アジアの人たちは、日本企業が良いと思うものを必ずしも良いとは思わない。技術や品質が高くても、値段が高ければそれは彼らにとっての良いものにはならない。つまり、そこそこの品質やそこそこの技術でも、値段もそこそこだったらそっちの方が良いと判断する消費者もいる。つまりは、劇的に競争環境が変わった。そして、我々 が思う良いものが必ずしもアジア新興国の人たちにとっての良いものにはならない。従って、モノだけでグローバル展開をしていく、勝っていく、ということは難しいのです。
日本企業がやるべきは、モノ 以外の武器、つまりは人や金や情報、そしてナレッジやノウハウをどう高めていくのか。ここが競合と比べてまだ十分に高まっていないんであれば、今出ない、高めてから出るというのも立派な経営判断の1つだと思います。
確実に言えることは、モノの力、モノという武器だけではもうアジア新興国では勝てない時代が来ているのです。それではみなさんまた次回お会いいたしましょう。