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第286回 「目指すべき目標」で戦略は大きく変わる

テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、「目指すべき目標」によって戦略というのは大きく変わりますよということについてお話をしていきたいと思います。

対象は製造業、B2C、B2B問いません。一般的な製造業、ジェネラルに製造業全般というふうにしておきたいと思います。ターゲット市場は特段指定する必要もないんですが、強いて言うなら新興国というふうにしておきたいと思います。

それでは早速お話をしていきたいと思いますが、「目指すべき目標」によって戦略は大きく変わるというこのお話なんですが、どういうことかと言うと、戦略というのは個々の企業によってそれぞれですよね。もちろん同一インダストリで同一ターゲット市場に出るときは、だいたい戦略が似通ってくる、だいたいこういう傾向であるというのはもちろんなんですが、戦略をつくるうえで非常に重要なのって「時間軸」と求めている「金額規模」なんですよね。横と縦の軸ですけども。

図をちょっと見ていただいて。このスライドの通り、何年でいくらやりたいのかによって戦略というのは大きく変わってくる。例えば、3年で100億やりたいのと、3年で1億やりたい、これはもう全く戦略の中身が変わってくるわけですよね。3年で例えばベトナム市場で100億やりたいと、これはほぼ不可能なので、もう会社を買いましょう、M&Aしましょうというのが戦略としては当然ながら考えられる。ただ、一方で3年で1億べトナムでやりましょうという中でM&Aという選択肢は出てこないわけですよね。その先の戦略に向かっての目標に向かっての戦略であればありますけど、3年で1億やるためにM&Aする必要性というのは全くないので、自力でチャネルをつくって、自力で顧客開拓して、自力で達成しましょうという話になるので、このように時間軸と売上によって戦略の中身って全然違ってきます。

なので、またスライドに戻っていただいて、自分たちが何年でどれぐらいの規模のビジネスを望んでいるのか。それは現実的に望めるのかということをまずベースにして戦略をつくっていくということを考えないと、なかなかその通りにはいかない。よく日系企業にありがちなのが、本社から下りてくる目標数値は基本的に積み上げで敷かれているんだけども、なかなかそれを達成してできていないと。なぜならば、当初立てた戦略が基本的には日本で成功した体験をベースにつくった戦略を海外に持ち込んでいるので、なかなかそれが思ったように拡大していかない、想定通りに拡大していかない。当然そうですよね。例えば、ベトナム市場だったらベトナム市場に合った戦略をつくらないといけないし、ベトナム市場で5年後にいくらやりたいのかということを逆算して戦略をつくらないといけないので。それがなかなかそうならない。5年経っても当初の目標にはいかないので、毎年毎年未達になっていくと、目標数値というのはどんどん、どんどん、毎年変わっていくわけですから、それで結局達成しないということになっている企業というのは非常に多い。

なので、やっぱり何年でどれぐらいの規模のビジネスを望むのかということをベースに戦略を立てる必要があって。この何年でいくらというのが本当に現実的なんですかと。過去そんなことを達成した企業が同一インダストリで存在しているんですかということも同時に見ていかないと、これは非現実的な数字を、日本でできたから当然この国でもえできるでしょうということで目標を立てられたのではなかなか難しい話になるし、できないことに対して戦略をつくるほど無意味なことはないですから、やる前から無理だと渡っていることを無理やり戦略つくってやってみるんだけど、ほら、やっぱり無理だったという話になるので、そうすると、やっぱり現実的な戦略に落とし込んでいかないといけない。

この図は、またスライドに戻っていただいて、利益曲線A、B、Cとかって引いていますけども、結構、先進的なグローバル企業って、一気に利益曲線Cまでドーンと凹んで投資して、一気にバーンと上に上がっていくような戦略をしっかり描くんですよね。相当なリサーチをやって、相当な精度の高い仮説戦略をつくって、それに対してしっかりと投資をして、投資をした分ガーンと利益を出すということをやる。一方で日本企業は、極端な話を言うと、利益曲線Aみたいな、あまり赤字をつくりたくないんだよねと。なんだけども、途中からCみたいな曲線に行きたいと。これはやっぱりさすがに無理でして、投資をしなければ当然リターンも利益曲線Aのままあまり成功が見られないと。少なくとも利益曲線Bぐらいまで凹んでもらえれば、これは矢印を上にグーッと上げていくことはできるんですが、なかなか初期投資を嫌うというのが日本企業は多く見られるので、そこはある程度投資をしていかないと難しいのかなと。投資をするからには、やっぱり戦略の精度を上げるということをしないといけない。この戦略の精度を上げるのであれば、何年でいくらやりたいのかということをまず明確に決めて、それが本当に現実的なのかという検証をしっかりする。これが現実的なのであれば、その先の戦略をしっかり考えていくということに時間を費やしても決して無駄にはならないと思います。

それでは今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。