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第304回 客観視で過信をなくす

テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、海外展開、グローバル展開する際に、自分たちをいかに客観視でできるかということが大変重要ですよと、これは成功の可否を決める上で自分たちの戦略だったり、自分たち自身を本当に客観視できるか、どれだけ客観視できるかが成功の可否を決めますよ、というお話をしていきたいと思います。

対象はB2C、B2B問いません。製造業中心になるのかな。サービス業でも結構だと思いますけども、いかなる企業でも結構かな、今日のお話は。対象市場は新興国中心というふうにしておきたいと思います。

客観視が重要であるということなんですが、失敗をしてしまう多くの企業の要因って、過信がやっぱり非常に大きいんですよね。自分たちはこうだと、自分たちはこれぐらい良いもの、分かりやすい例で言うと、プロダクトにやっぱり起因することが多くて、自分たちは高品質で他社には負けない良いものをつくっているので大丈夫ということで、全くもってこれは客観視できていないんですよね。自分たちの商品は他社よりも品質が良い。確かに他社よりも品質が良いんだけども、それ以外のことを全く無視して「品質が良い=勝てる=成功する」ということでいくんですよね。でも、もうそんな時代ではなくて、いわゆる分かりやすく家電で捉えると、ブラウン管テレビという、知らない人いるのかな、若い世代の人は知らないかもしれないですけど、今のテレビって薄いですけど、昔のテレビってグオーッとこう後ろに突き出ていたブラウン管のテレビがあったんですけど、ブラウン管のテレビが細い液晶になったとか、白黒テレビがカラーになったとか、これぐらい目に見えて革新的に分かるイノベーション、品質の変化であれば、これはいわゆる優位性を打ち出す上では、自分たちを客観視できなかろうが、できていようが、もうこれだけの製品の違いが、優位性に違いがあれば、ドーンといけるんですけど。

今の品質って、目に見てももう分からないとか、分かったところでどうなの?という話のいわゆる品質の違い。もう多くのものが発明から長年の時間を掛かっていて、もう大きな目に見えて、手に取って分かる、「うわっ、これはすごいわ」というようなイノベーションってなかなか生みだされないんですよね。品質ということのイノベーションにおいては。イノベーションっていくつかのカテゴリーがあるので、従来の技術を全く別の方法で、用途で、全く新しい価値に変えるって、これもイノベーションだし、ただ、いわゆる日本語で言うような、技術革新と言われる、今までの技術をさらに磨き上げて良いものをつくるという意味では、なかなか他社との差が出てこない。でも、自分たちが主観的に見れば、これは大きな差なわけですよね。4Kが8Kになった、ものすごい大きな差ですと。ただ、これは、じゃあ、買う側から見たらどうなんだ?と。4Kと8Kって、うわ、倍か。なんだけども、これは並べないと分からないし、「全然4Kでもきれいじゃん」と言う人もいるわけですよね。デジカメの画素数なんかもそうですよね。ちょっと今、どれぐらいの画素なのか分からないですけど、一時期、画素数競争みたいなことをしていましたけど、もう今はそんなのなくなっていますけども。まさにそういう話で、いかに自分たちの良さが本当にマーケットにとって良いのかなということを客観的に見るということはすごい重要で。

ちょっとスライドを出しますかね。このスライド、また、ちょっと見にくいスライドで申し訳ないですけど、上が自社なので、まず自社のことなんですけどね。自社を主観的に見てしまって、自分たちは大丈夫だということで行くんだけども、「あれ、大丈夫じゃないじゃん」と言って失敗するケースが非常に多くて。自分たちを主観的に見ない、いかに自分たちを客観的に外から見るかなんですよね。自分たちはこんなに良い商品を持っている、こんなに良い製品を持っているんだというものを、本当にそれって良い製品なんだっけ?ということを客観的に見て、やっぱり出ていかないといけない。そうしたときに、「製品優位性って実はそんなにないじゃない。Japanプレミアムってそんなに効かないよね、ある一定の層以外には」となったときに、「じゃあ、マーケティングミックスで言ったら、ほかの3つのP、プライスとか、プレイスとか、プロモーションをしっかり調整していきましょう、チューニングしていきましょう、もしくはターゲットを再設定しましょう」みたいな議論ができるので、客観視するということはものすごい重要で、失敗している企業の多くは客観視できていなくて、主観的にしか見れなかったので失敗したというケースが非常に多い。

一方で競合に関して。下の図ですね。競合に関しても、表面的な情報は持っているんですよね。自分たちの営業マンがこう言っていたとか、自分たちの営業マンが拾ってきた競合の情報がすべてだと思っているリーダーというのが稀にいるんですけども、それは非常に危険で。営業マンなんていうのは自分の都合のいいことしか言わないんですよね。これ、営業マンの皆さん、申し訳ない。僕もそうですけども。僕でもそうですよ。僕も自分が営業をやっていたときも上司に、20何年前ですけど、上司にやっぱり自分のいいように報告をする、自分の見たいように、もしくは自分が得たい結果になるような報告がやっぱり上がっちゃうんですよね。これは悪い報告も良い報告もそうなんですけど、自分のことを悪く報告する営業マンなんて1人もいないので、基本的には自分に関わることは全部良く報告するし、相手に関わることに関しては全部悪く報告する。競合のことは、「いや、全然駄目です。あんなの、うちのほうが全然上です」と悪く報告する。自分の活動に関しては良く報告すると、これがもう、基本的に営業マンというか、人間ってそういうものですよね。そうすると、やっぱりこれって表面的な話になっちゃうので、そこだけで判断するというのは非常に危険で。

ちょっと図に戻ってもらって、いかに深いところの情報を競合に関しては取っていくかということがすごく重要で。「製品はうちのほうが勝っています」とかという情報って、営業マンの質も、「私のほうが全然上です」みたいな、「競合の営業マンより」。そんな表面的な情報じゃなくて、もっと彼らが嫌がるような、手を突っ込んで引き出してくるような情報をやっぱり取らないといけないし、具体的に、じゃあ、どういう情報が必要なのかと言うと、競合の情報に関しては、どういう組織で、どういう活動をして、その結果どういうシェアになっているのかという、ここがやっぱり一番知りたいところですよね。彼らがどれぐらいの結果を出しているかなんていうのはマーケットを見たら分かる話なので、その結果を出しているのは人間なんですよね。ロボットじゃないわけですから、人間である。個じゃなくて、組織になっているわけですから、その組織がどういう体制で組まれているの?そして、その組織は誰によって、どう管理・育成されているのか、どうマネジメントされているのか、何を彼らはその組織で行っているんだ?その結果が今のマーケットシェアだったり、今の業績なわけですから。そういう深い情報をやっぱりしっかり取っていかないといけない。

競合調査を自前でやるなんて絶対無理ですからね。競合調査というのは、基本的にはインタビュー調査になるわけですけども、いわゆる当事者、元当事者、もしくは周辺、取引先、いろんなところからインタビューを重ねて情報を収集していきますけども、それを自前でやるなんていうのはもう全くのナンセンスなので、やっぱり専門的な第三者にそこは依頼をしないといけないということで。競合調査に関してはそういうことをやっていく。

なので、まとめると、自社は客観的にどれだけ見れるかということは非常に重要で、競合に関してはどれだけ彼らの深いところに手が届くか、深い情報を得られるかということが自分たちが彼らよりも上にいく戦略を描く上では大変重要で。これ、客観的に見るということは、自分たちの基準値を知るということなんですよ。自分たちの能力は一体何なんだ?自分たちの能力が良いのか悪いのか、どれぐらい良いのか悪いのかということを具体的に数字で把握するということが必要で。例えば、自分たちの能力が100だった場合に、これ、競合の深い情報を取れというのは、競合の戦闘能力っていくつなの?150なの?200なの?300なの?それとも70なの?というところを見ていく。そうすると、200なんだとしたら、自分たちと競合の差は100あるわけですよね。その100をどうやって埋めていくかということが今後の課題になっていくわけなので。まず客観視しないと自分たちの基準値が分からない。自分たちの基準値があって初めて競合がその基準値に対して上なのか下なのか、下だったら自分たちは追いつかれないようにこういう対策を取る必要があるということが見えてくるし、もし競合のほうが上なんだったら、自分たちはその差を埋めるためにこういうアクションを取らなきゃいけないということが見えてくるので、それがまさに戦略になるわけですよね。

なので、そんなことをやっていかないといけないですよということで、今日のお話は以上になります。最近、話がごちゃごちゃ長くなってすみません…。今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。