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第306回 近代小売と伝統小売は両輪で攻める その2

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も前回にひき続き、「近代小売と伝統小売は両輪で攻める」ということについてお話をしていきたいと思います。

対象はFMCGです。Fast Moving Consumer Goods、食品・飲料・菓子・日用品等の消費財メーカーで、対象地域はASEANということでお話を続けていきたいと思います。

今日のお話なんですが、前回、ASEANの近代小売と伝統小売との流通総額のお話、数のお話をしたと思うんですけども、結論から言えば、圧倒的に、ASEANに限らず、新興国というのは近代栗の数が少ないんですよね。その近代小売の数だけで商売というのは成り立たないので、いかに伝統小売と両輪で商売をしていくかということが必要ですよというお話をしました。なぜ両輪かという話は前回完了していると思うんですね。数が少ないからですよと、非常に単純ですよね。そもそも輸出でやっている、日本から輸出してやる場合は伝統小売なんか狙う必要はないのでというか、そもそも狙えないので、コストが高くなりますから関係ないと。このお話、前回のお話は、現地でつくって現地で販売しているような大手の製造業、消費財メーカーのお話ですけども、基本的に近代小売だけじゃ数が合わないので伝統小売が重要なんですよということなんですよね。多くの日本の日系の消費財メーカーはまずは近代なんだと。そして、徐々に伝統をやっていけばいいんだということで参入していくんですけども、結局、5年6年経っても、なかなか伝統小売に参入できずにいまだに近代小売のところで苦労しているという、そういう状態の企業が非常に多いと。それを、じゃあ、どういうふうにしていけばいいのかということが今日のお話なんですが。

基本的に近代小売にまず入れるというのは正しいんですよね、時間差的な話で言うと。なぜならば、伝統小売のオーナー、パパママショップのオーナーというのは、近代小売で売れ筋になっていないと取り扱いをしたがりません。無理やりとり扱ってもらうということはできますよ、いろんなインセンティブをつけて。ただ、基本的には意欲的に取り扱うということはしてくれないので、基本的には近代小売にどれだけ並べるかということがすごい重要なので、近代小売で並べないといけない。ただ、近代小売で並べるにも、近代小売側もいかに伝統小売でのプレゼンスがあるか、中間層に支持されているかということで、近代小売の中の、どの場所の、どのレーンの、どの棚に、どれぐらいのSKUを並べてくれるかということは決まっているわけなんですよね。なので、これは卵が先か、鶏が先かなんですけど、やっぱり両輪なんですよ。

近代小売って、ASEANの近代小売ってお金が掛かるんですね。1SKU置くのに1店舗何千円とお金が掛かる。それ掛ける店舗数となってくると、初期の導入費として結構なお金が掛かってきます。また、定期的に強制的にやらないといけない店舗内のプロモーションみたいなのがあります。そういう初期導入コストとかを考えていくと、やっぱりドミナントで伝統小売も同時にやっていかないと、この地域で集中的に近代小売を攻めるとなった場合には、その近代小売が存在している、周辺の伝統小売も同時に攻略していかないと効率が悪いんですよね。近代小売にお金を投資しますと、導入費を投資しますと、強制的なプロモに参加しますと、これはなぜこんなことをするかと言うと、結局、その近代小売の中での売上だけで投資していたら絶対にリターンが得られないので、その周辺の伝統小売にもしっかり配荷を進めておいて、そこでの売上も加味しないと絶対ペイしてこないんですよね。もっと言うと、近代小売にいろいろ掛かるコストというのは、伝統小売でも売れて初めてこのコストがペイできるので、これは同時にやっぱりやっていかないといけない。

ちょっとスライドをお願いします。2個目のスライドですかね。前回1個目のスライドを使って、今回2個目のスライドを使いますけど、こういうことなんですけども。基本的に前回のお話で言うと、この図の通り、MT、真ん中の図に「MT」というふうに書いてあって、上に矢印が伸びていますけども、基本的にMTの数、横軸がストアカバレッジと店の数ですね。上がインストアマーケットシェア、これは1店舗内での自分たちのシェアですね、同一カテゴリーの。なので、MTの数がそもそも黒字にいけるような数ないんですよね。VIPで言うと、ベトナムで言ったらね。そうすると、どれだけMTを100%の配荷率を獲ったとしても、週販とか日販とんでもない数を売らないと、非現実的な数を売らないと黒字にならない。というか、物理的に絶対に黒字にならないんですよ、この店舗数だと、3,000店舗だと、例えばベトナムのね。そうすると、いかにベトナムでは50万店の伝統小売を獲るか、フィリピンでは80万店の伝統小売を獲るか。インドネシアでは300万店の伝統小売を獲って黒字ゾーンにいくかということがすごく重要で。そして、このMTでの評価というのは、TTのオーナーが評価するわけですよ。MTで売れている。じゃあ、うちでも扱いたいと。なぜならばTTって狭いですよね、伝統小売は。なので、置けるものがもう限られているので、店のオーナーとしてはやっぱり回転率の良いものを置きたいという話になるので、基本的にはMTで売れないとTTでは継続的に売れていかないですよと。また一方で、MTというのは、伝統小売で評価されているものというのは、近代小売でも売れるので。ごめんなさい、MTってModern Trade、TTってTraditional Tradeの略なので。そうすると、これっていうのは両輪なんですよということになるわけなんですよね。

今回も時間がきちゃったかな。なので、両方やっていかないといけない。ちょっと次で、その3ということで、すみません、その3ということで次回引き続きお話をしていきたいと思いますが、1回目、近代小売と伝統小売の数がこれだけ違いますよという話をしました。数がそもそも、近代小売の数がそもそも少ないから伝統小売もやらないと駄目なんですよと、同時にやらないと駄目なんですよという話を1回目にした。今回は近代小売と伝統小売をなぜ同時にやらなきゃいけないかと言ったら、お互いがお互いを評価し合っているからなんですよね。そして、近代小売には投資が掛かります、特にイニシャルの投資が掛かります。その投資に対するROI、リターン・オブ・インベストメント、投資対効果を高めるためには、ドミナントで周辺の伝統小売も同時並行的に攻めていかないと、これ、この近代小売にドーンとお金を落として、その周辺の伝統からも収益を得ないと、これはやっぱり砂漠に水をまくようなことになっちゃうんですよね。投資対効果が非常に悪い、ROIが非常に悪いので同時にやりますよということになるわけなんですけども、その構造が1つですよと、だから同時にやりましょうね、互いが、MTとTT、互いが互いに評価し合っていますよという話もしました。次回は、「この伝統小売が将来なくなるの?なくならないの?」というところについてのお話をしていきたいと思います。

それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。