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第322回 ディストリビューターの機能

テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、「新興国のディストリビューターの機能」についてお話をしていきたいと思います。このことをしっかり理解できると、メーカーとして彼らに何を任すべきなのか、そして何を任さないべきなのか、何を任せばうまくいくし、何を任せたらうまくいかないのかということが理解できます。今日は、新興国のディストリビューターの機能について一緒に学んでいきましょう。

ディストリビューターですけども、今回の対象は新興国全般なので、アジア、ASEANでもいいですし、中国の地方都市でもいいですし、インドでも構いませんし、メコン経済圏、アフリカ、南米、どこでも構わないと思います。ほとんど共通すると思います。

この「ディストリビューターの機能」なんですが、日本のディストリビューターが当たり前にやってくれることを時としてやらないというケースが、やれないというケースが新興国のディストリビューターには多々存在していて。うまい、能力が高い低い、スキルセットが高い低いということではなくて、機能としてそもそも持ち合わせていないというケースがあるんですね。「そもそもディストリビューターの定義が日本と違う」みたいなケースがあるので、それについてしっかりと理解をしていくということは大変重要ですよ。
まず、スライドをお願いします。ということで、ディストリビューターの機能を整理をすると、1つはデリバリーの機能、配送機能ですよね。日本で言うところの佐川さんやヤマトさん、郵政さんが担うというケースがありますけども、配達をするという、これが1つですよね。もう1つがセールス機能ですね。お客さんがいて、そのお客さんに対して営業するというセールスの機能。日本でも小さいお客さんはディストリビューターにセールスをしてもらって、本当に大きい大口顧客だけがメーカーがセールスをするみたいなケースも多々ありますので、セールスの機能というのは必須です。

あと、マーチャンダイジング、これはマーチャンダイジングというのは、FMCGとかのいわゆる小売でものを売るような消費財に関して言うと、商品を棚に並べているわけですけども、それがなくなったらバックヤードから取ってきてまた補充をしてとか、店先の商品がしっかり並んでいるかみたいなことを見るような、そういう業務なんですけども、マーチャンダイジング機能。

それからプロモーション機能ですね。これはATL、BTLを含めて、ATLというのは、「Above the line」の略で、テレビCMとか、新聞広告とか、ネット広告とか、マスに対してドーンと打つような広告で。BTL、「Below the line」というのは、例えば店頭でプロモーションをするとか、何とか広場でキャンペーンをやるとか、そういうものをみんな「Below the line」、BTLというふうに言いますけども。この両方のプロモーション等で。

最後、海外ですから、もちろん日本から輸出をするというケースも往々にしてあるわけですね。そういう場合は、インポートの機能ですよね。向こうからすると、輸入をするという機能。輸入ライセンスを持っていないと、日本から商品を買えませんから、インポート、インポーターがいて、そこが輸入して、そこから買ってディストリビュートするというケースもありますけど、でも、インポート昨日を持っているようなディストリビューターを使ったほうが、手数料が2か所通過するというのでなかなかよろしくないですから、ディストリビューターでインポートライセンスを持っているところがいいですねと。

この黄色くしている部分なんですが、これが言ったら、例えば、現産現販しているようなメーカーもありますから、デリバリーとセールスの機能というのがディストリビューターに求める最大の機能なわけなんですけど。例えば、ベトナムなんかで言うと、このセールスの機能は、ディストリビューターのそもそもの機能ではないですよという国というのが存在します。どういうことかと言うと、日本の定義で言うと、ディストリビューターというのは、セールスをして、売った先に商品をデリバリーするということがディストリビューターの定義なんだけども、ベトナムなんかでは、どうもデリバリーをするというのがディストリビューターですと。「それってデリバリーボーイじゃん」と、「日本で言ったらヤマトじゃん、佐川じゃん」という話になるんですけど、「いやいや、それがディストリビューターなんだよ、ベトナムでは」という、そういう定義なので、セールス機能をしっかり持っているところなんていうと、大手の上位、インダストリーにもよりますけど、数社とか10社とか、それぐらいしかないんですよね。多くは過去にかつて外資の先進的なグローバル企業がセールス機能を持っていないようなデリバリーしかできないようなディストリビューターを教育して鍛え上げてセールスのノウハウ、マーケティングのノウハウを教え込んで、そういうディストリビューターになっていったという。だから、例えばP&Gのディストリビューターとか、ユニリーバのディストリビューターというのは、セールス機能がしっかりついているわけですね。もしくは、ベトナムなんかだと、タイの企業がベトナムに来てディストリビューションをやっているというケースがあるので、そういうところはセールス機能を持っていたりとかっていうケースがあります。なので、ここは少し気を付けないといけないというのがありますね。

マーチャンダイジングの機能は、これはマーチャンダイジング専門の会社を別途メーカーが雇ったりとか、小売に最低限のマーチャンダイジングの機能がついていたりしますので、そんなに問題になってこないかなと。プロモーションというのが1つ日系企業の大きな課題になるわけなんですけども、日本で言うと、すでにメーカーの知名度とか、そのメーカーの商品の認知度みたいなことがあるので、結局ある程度の前提条件が整った中で、じゃあ、電通や博報堂にお願いをしてプロモーションをドーン、広告代理店にお願いしてプロモーションをダーンとやる、効果が出ますと、これは分かるんですけど。海外に行くと、日本の巨人も海外では小人になってしまうわけですよね。認知度がない、シェア数パーセントしか獲れていない、数パーセント以下ですみたいな中で、日本と同じ感覚のプロモーションをやったって、全く砂漠に水をまくような話になってしまうので、すごく地道なプロモーションが必要ですよと。そんな中で、いわゆる日本でやっているようなプロモーションをドーンとやって、瞬間風速的にボーンと上がるんだけど、そのあとショボショボショボ…となっている事例を本当にたくさん見てきていて、「広告代理店さん、こんなに予算もらえていいな」と横目で見ていましたけど。そんなことをやっても全く無駄ですと。だって、ステージが違いますから、アーリーステージでレイターステージの成熟市場でやるようなプロモーションをやってどうするんですかという話なので、ここはやっぱりしっかり気を付けないといけないですよということと。

あと、もう1つ悪い例としては、ディストリビューターに、例えば年間何千万のプロモーション予算を預けて、その中でうまくやってくれみたいな。一応、エビデンスっぽいものはもらうんだけども、そのエビデンスがエビデンスになっていないというケースは結構あって、これは全くもってアウトだと思うんですよね。ディストリビューターはプロモーション会社じゃないし、プロモーションのBTL、小売とやるようなBTL的な話はできても、企業のプロモーションってブランディングですから、どうやってユーザーとか消費者の頭の中にブランドエクイティを残していくかみたいな、そういう概念ってほとんどないですよね。これをディストリビューターに任せてしまうというのは、まずもってNGな話だと思うので、ここがやっぱり考えきれていないというのが1つですよね。

あと、プロモーションをやらなきゃ売れないものは、プロモーションを止めたら売れなくなるので、これは全くもって意味がないので、4Pで言うところの最初の2つの「P」、プロダクト、プライス、ここが最適化されているということはすごく重要だし。次のプレイス、自分たちのターゲットに対してしっかりとリーチできているプレイス、ディストリビューション・ネットワークですね、つまりは。これが構築できているのかというところ、ここの3つである程度売れないと、プロモーションというのはそれをさらに売るための起爆剤なので、まず最初の「P」を整えるということが大変重要ですよという話で。

なんかちょっと話がずれちゃいましたけども、一応そういう機能なので、この日本とは機能が違いますよということの理解をしてくださいね。セールス機能を持っていないところがありますよ。プロモーションなんか任せちゃ駄目ですよ。マーチャンダイジングはそんなに心配する必要はないですよ。インポーターに日本から輸出して、そのインポーターが今度はディストリビューターに販売して、そしてリテーラーに売ってとか、ユーザーに売ってみたいな、そういうのはあまりよくないので、基本的にはインポートライセンスを持っているディストリビューターとやりましょうね、ということでございます。

それでは今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。