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第329回 ディストリビューターのマネジメント

テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、ディストリビューターのマネジメントの管理育成についてお話をしていきたいと思います。

新興国市場において、このディストリビューターの管理育成なくして強固な販売チャネルをつくるということはほぼ不可能です。新興国市場においてチャネルに課題を抱えている製造業、メーカーの多くは、実はこの管理育成をしないから、もしくは管理育成が間違えているからチャネルに課題が発生してしまうというケースは少なくありません。今日は、この新興国市場の販売チャネルのマネジメント、「ディストリビューターのマネジメント」について一緒に学んでいきましょう。

早速ですが、スライドをお願いします。過去、この番組で強固な販売チャネルをつくるためにはディストリビューターの発掘選定が非常に重要だというお話をしました。この発掘選定で5割以上もう決まってしまいますよ。いかに良いディストリビューターを発掘するか、これが大変重要だと。そして、そのディストリビューターといかに優位な、互いにフェアであり、優位な契約交渉をするかと、これは自分たちだけが優位ではいけないので、お互いがフェアであって、お互いに優位な契約をどうやってしていくかということが大変重要で。

この管理育成というのはその最後に来るものなわけですけど、発掘選定に関しては、いかに絶対評価と相対評価で絞り込んでいくかということが非常に重要です。自分たちが今、現状手の届く範囲から選ぶのではなくて、マスターリストをしっかりつくって、ロングリストからショートリストに絶対評価と相対評価で絞り込んでいくんですということは非常に重要だと言いました。この絞り込み、自分たちがA社がいいと思って付き合っていたのに、後々こちらのB社のほうが全然よかったじゃんといういこと、このロスをなくしましょう。だから絞り込みが重要なんですよというお話をしていて、この選定で5割以上、成功確率が5割以上はきまってしまう。

ただ、残る5割は契約交渉とか管理育成にかかっていて。契約交渉に関しては、基本的には日本の製造業は契約をすることが目的になってしまって、契約締結するためにどうアクションを取るかみたいなところに目的が変わっちゃうんですよね。目的は、パートナーを見つけてものを売っていくとか、シェアを上げていくとか、強固な販売チャネルをつくって売るということが最終的な目的、アウトプットだったりアウトカムなのに、ディストリビューターと契約をするんだということが目的になってしまって、この契約交渉は形上のものになりやすい。どれだけ契約締結までに契約締結後の戦略を、もしくは戦術レベルまでを細かく詰めきれるかということがこの契約交渉ではすごく重要なので、極端な話、契約締結と同時に初回注文が入るというような状態をどれだけ契約までにつくれるか。極端じゃないですね。通常は契約締結と同時に初回注文をもらう必要があるので、どれだけそこまで詰められるかということは非常に重要です。

今日のお話は、その最後の管理育成なんだけども。契約締結して、じゃあ、私たちはつくる人、製造業です、プリンシパルです。あなたたちは売る人です、ディストリビューターですと。なので、「売ることに関してはお任せよ」の状態では、やっぱりこれもまたうまくいかなくて。せっかく発掘選定をうまくやって、契約交渉をうまくやったのに、この管理育成をしないがために、なかなか強固な販売チャネルを維持し続けることができないという日本の製造業は大変多い。重要なのは、管理育成なんですよね。

どういうことをするかと言うと、戦略をつくる段階で必ずKPIを決めているわけですよね。自分たちが目標としている到達点に行くためには、どういうKPIを追うのかということを決めているので、そのシンプルなKPIをしっかりと追っていくということを互いにやっていくということがすごく重要で。彼らが設定したKPIを下回ってしまっている、なかなか追いかけきれていないタイミングで、どうやってそれを改善していくかということを一緒に協議をして、新しく改善策を提言をしていく、改善策を一緒に乗り越えて改善をしていくということがすごく重要で。そこを全くのディストリビューター任せにするとどうなるかと言うと、せっかく設定したKPI、やってみたけどなかなか難しい。もっと頑張ろう。もっと頑張ったけどなかなか難しい。そのうちそのKPIを追うことをやめてしまって、結局、指標がないまま進んでいくみたいなことになってしまうんですよね。製造業側としては、KPIをただ追え追え追えということではなくて、なぜ追えなくなったのか、なぜ乖離が出たのか、その対策はどうすべきなんだということを一緒になって考えていく。一緒になって解決策を見出していくということを両者でやっていかないと、「自分たちは製造業です。つくることは仕事です。売るのはあなたです」というスタンスでは、どこかでうまくいかない。うまくいっているときはいいんですよね。例えば一番最初の導入期ぐらいは非常によかったとしても、そのあとどんどん崩れていったりしてしまう。なので、いかに決めたKPIを追うか。それ以外の管理ってそんなにやらなくていいと言っても過言ではないぐらい、ここにたぶんフォーカスをしたほうがよくて。できる限りシンプルなKPIを設定して、そのできる限りシンプルなKPIを追う。結局、売上を構成する指標を決めているわけなので、それだけを純粋に追っていく。余計なことを省くということも、これは戦略上はすごく重要で。うまくいかない会社は余計なこと、無駄なことをいっぱいしているんですね。売上を上げるとかシェアを上げるということに直結している1つ2つのことだけを集中的にやっていくということをやれば、売上やシェアというのは上がっていくので、それを一緒にやっていくということは重要です。

育成に関しては、ディストリビューターの中のキーマンを発掘していくということはすごく重要で、当然、ディストリビューターは他社なので、そんなに内政干渉できない中で、どれだけ自分たちが重要なキーマンをディストリビューターから取れるか、ディストリビューターもいろんな会社の商品を扱っているわけで、いろんなクライアント担当とか小売のキーアカウントマネージャー、B2Cだったらですね。B2Bだったら大手、中堅中小とクライアントマネージャーというのがいて、優秀なクライアントマネージャーをどれだけ自分の担当のところに引っ張ってこれるか。もしくは自分の担当についているアカウントマネージャーをどれだけキーマンとして育成していけるかということを一緒になって考えていくということがもう1つ必要です。長期で見たら、結局そこの人材の優劣で業績が大きく変わってくるので、そういったところにも投資をしっかりしていくということが大変重要です。

ということで、今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。