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第345回 国ではなく都市を狙う

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺でございます。今日も引き続き、前回の続きとして、中小企業が進出をする、進出をするというか、狙うときに成功しやすい国と失敗しやすい国ということでお話をしていきたいと思います。

この番組で中小企業の話はなかなかしてこなかったので、シリーズで中小企業の話をしていますということと、それから、ここで言う中小企業というのは、売上が数十億円から数百億円、EBITDAでしっかりと利益が出ているというのが条件になります。それ以下の企業ですとなかなか海外で成功しにくいので、それらの企業を中小企業というふうに定義をしております。

今日は、成功しやすい国って具体的にどこなの?失敗してしまうような危ない国って一体どこなの?というお話をするんですけども。大企業も部門によってはまだまだ中小企業レベルの海外展開しかしていないというような部門もあるので、プロダクトで分かれている場合もあると思うので、参考になるのかなというふうに思います。基本的にはB2C向けの話になってくると思うので、B2Bは自分たちの事業に置き換えて考えてみてください。産業集積地への展開をせざるを得ないというか、そこの要素が非常に強いB2Bはなかなか参考になりにくいかもしれませんが、基本的には消費市場がマーケットだというB2Bに関しては十分参考になると思います。

前回、整理をしたわけですけども、図をお願いします。難易度が低い国と、それから難易度が高い国ということでグループAからDまでお話をしました。AとBの差がもうほとんどないですよということでお話をしていて、インドに関しては一部の都市に関してはグループCでもいいんじゃないかなと、むしろCLMよりは圧倒的に容易な市場というふうに捉えられるので、基本的にはCとDもちょっと順番が入れ違ったりしますよということでお話をしました。

結論から言うと、先進的な国であればあるほどやりやすいんですよね、ビジネス。もっと言うと、海外になんか出るよりも、国内をやったほうが絶対にいいわけですよ、中小企業は。なぜならば、海外展開とか海外ビジネスって、これから絶対に必要なんですよ、国内のマーケットはどんどん、どんどん、シュリンクしてくるので。なんですけども、やっぱり国内のマーケットがしっかり獲りきれているから海外をやっていく、もしくは獲りきれるから海外をやっていくというスタンスで。国内でまだまだやり残していることがあるのに海外というと、これはやっぱりちょっと順番が違ってくるので。もしくは、一番駄目なパターンは、国内で駄目だから海外に出るとか、海外をやるという。国内で駄目な会社は海外でも絶対駄目なので。国内で駄目だけど海外でよかったなんていう会社は見たことがないので、基本的にはやっぱり国内がベースです。

そうなってきたときに、中小企業、だから、国内でまだやり残しているから海外に出ちゃ駄目と言っているわけじゃないんですけど、ある程度国内のほうが難易度が低いんですよと。例えば、地方の中小企業さんで、まだ、東京の中小企業でもいいんですけども、まだ地方を十分攻めれると、東京の中小企業でまだ地方を十分攻めれるのに海外、日本の地方を通り越して海外へ行くというのは、これは順番が違う。しっかりと日本の地方を攻めてから、ある程度獲りきった、もしくは獲りきれるというふうになってから海外に行ってやりますよという順番になってくる。

その海外をやりますよの順番も、いきなり初海外でベトナムとか、インドネシアとか、インドとかっていうとなかなかやっぱり順番が違って、グループA、先ほどのこの図のグループA、グループBぐらいから始めていくということが重要。なぜならば、先進性が高いということは、B2Cに関しては近代小売を相手にしていればいい。アメリカとかヨーロッパぐらい先進度が高まってしまうと、やっぱりこれはなかなかもう大企業でも入りにくくて、非常に合理的なんですよね。日本は大企業でも非合理が優先されるシーンが多々あるので、特にアメリカの合理的な大手の流通産業になかなか中小企業が入っていくというのは難しいので、これはちょっとまた別の次元になる。ただ、ことアジア新興国とか、新興国という領域で言えば、もちろん香港とかシンガポールとかは新興国じゃないんですよ。新興国じゃない、先進国なんだけども、新興国というくくりでお話をする中で言えば、この順番でやっていくというのがいいです。

なぜやらなきゃいけないかというのは、繰り返しになるけども、経営資源が少ない、中小企業は経営資源が限られている、だから、その限られた経営資源を最も成功しやすいところにぶつけるということがすごく重要で。限られているからぶつける先が大切なんですよね。これ、たくさんあれば、少々外れても、もう1発撃てばいい、もう2発、3発、4発撃てばいいという話になるんですけど、そんな経営資源がないから狙うべきターゲットを最も成功確率の高い、成功しやすいところを選びましょうという話で。なので、経営資源が少ない中小企業になればなるほどターゲットはしっかりと選んでいくということが必要です。

出やすい国ということでお話したんですけどね、むしろね、国じゃないんですよね。中小企業は国ではなくて都市を攻めるということがすごく重要で。香港とか台湾とかシンガポールはね、国=都市なので、そんなことを言ったらちょっとあれかもしれないですけど、シンガポール、香港なんて、本当に国=都市ですよね。台湾、韓国はちょっと違いますけども。でもね、全土を攻めていいと思うんですけども。ASEANなんていうのは、マレーシアをやるんじゃなくてクアラルンプールとジョホールをやるんですよね。タイなんて、タイをやるんじゃなくてバンコクをやるんです。ベトナムなんていうのは、ベトナムをやるのではなくてホーチミンをやるんです、ハノイでもいいですけども。インドネシアもジャカルタをやるんです。フィリピンもメトロマニラを狙っているんですということで、都市を狙っているので、あまり国で考えないということがすごく重要で。

日本人というのは、日本というのはもう非常に素晴らしい国で、北海道から沖縄まで津々浦々全国が同じ基準、同じものさしでいろいろなことを考えられるし、同じ標準化が整っているんですけど。海外に行くと、都市と地方と言ったらものすごいギャップがあるわけですね。そう考えたときに、インドネシアと言っても、ジャカルタの人がイメージするインドネシアと、別の離れた島に住んでいる人のインドネシアはまったく違うわけなんですよね。なので、都市で考えるということはすごく重要で。中国だってそうですよね。地元の言葉もあれば、インドもそうですけども、何十言語ってあるわけですよね。

なので、それだけ違うということは、インドとか中国と言ってしまうと簡単なんですけども、そうではなくて、特に中小企業、別に100億200億やろうという話じゃないし、全土でマーケットシェアを獲ろうと言っている話じゃないので、都市を狙う。もうとにかく経営資源、少ない経営資源を集中させる、的を絞るという意識を持つということはすごく重要で。いや、ベトナムで、今、ベトナムを攻めていますとかじゃなくて、ホーチミンを攻めていますというマインドセットから変えていくということはすごく重要で。中国ビジネスをやっているのではなくて、いや、重慶をやっているんです、今ということでフォーカスをしていくということがマインドセット上も重要だし。そのマインドセットから戦略が決まってきますから、戦略上も大変重要である。国ではなくて都市だということを1つ覚えておいていただければなというふうに思います。

それでは今日はこれぐらいにして、また皆さん次回お会いいたしましょう。