第356回 中小企業の海外市場における5つの戦い方 その1
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日で、この10回ぐらいかな、ちょっと正確に覚えていないですけど、やってきた中小企業向けのお話は、この今日、その1、その2ぐらいになると思うので、この話で最後にしたいと思います。「今は海外に出ない」も立派な経営判断であるということでお話をしていきたいんですが、2回ぐらいに分けますかね、今日と次回とぐらいで中小企業向けのお話は一旦終わりにしたいと思います。繰り返しになりますけども、ここで言う中小企業というのは、売上数十億円から数百億円で、EBITDAでしっかりと利益が出ているということが最低条件になります。
中小企業がどうやって戦っていけばいいのかというお話をさんざんシリーズでやってきたわけですけども、中小企業には中小企業の戦い方があるということで。その中で、今回私が、今回というか、シリーズでお話してきた中で、到底まだそうじゃないなと、まだ出るべきじゃないなという中小企業も当然いらっしゃると思います。そのときに、「今は海外に出ない」という経営判断を、私はとても立派な経営判断だと思います。製造業であれば、いずれ世界はさらに融合して、自分たちが世界に出なくても、世界の企業が日本に入ってくるという、もうすでに始まっていますけど、もっと露骨に入ってくるという世界がいずれくるわけですよね。なので、どのみち出ないといけなくはなるのかもしれない。ただ、それが今であるかと言うと、そうではないですし、今、準備が整っていない段階で出てしまうことによって、死期を早めてしまうということにもなりかねないわけですね、中小企業の場合は。なので、今出ないということも立派な経営判断ですよと。中小企業の安易な海外展開の失敗をもうさんざん見てきていて、これはもう120%失敗するなと。でも、この社長はまったく人の話を聞かないなという、そういう展開はさんざん見てきていて、失敗をして撤退をしていても、それを認めないという例も少なくなくて、「あれは失敗ではなくて、儲からないから撤退したんだ」と。「いや、それは失敗じゃないですか」ということなんですけども、その失敗自身も認めないというケースも多々あって。やっぱり「今出ない」ということも立派な経営判断ですよということを、まずしっかりと理解をするということは重要かなと。すみません。前置きが長くて。
その中で、ちょっとまとめということで、じゃあ、中小企業はどういうふうに出ていけばいいの?ということで、このシリーズでもずっとお話をしてきましたけども、そのまとめということで、総集編ということで今日はちょっと話をしたいんですが…。
スライドをお願いします。ざっと説明をしていきたいなというふうに思いますけど、まず中小企業は出ない戦略の徹底をしていくということ、それから攻めやすい国、都市を選ぶ、3番目の狙うべきターゲットを明確にすると。ディストリビューターの選定には労力をかけるということと、ディストリビューターの管理育成なくして継続なしということで、この5つのことをしっかりやっていきましょうねと、これが大企業とは違う中小企業の戦い方なんですよと。もちろん大企業も、これと同じことをやるし、その濃淡が違うと言ったほうがいいのかもしれない。
ただ、中小企業というのは圧倒的に大企業と比べて経営資源が少ない。経営資源が少ない代わりにスピードが速いという強みがある。そうすると、誰よりも速く決めて速く動くということができる。ただ、速く決めて速く動くって、いい加減に決めていい加減に動いてちゃ駄目なので、いかに選択と集中をするかということはすごく重要で。やることを絞るということはすごく重要なんですね。それがこの5つなわけで。
今日は時間が来ちゃったので、次回最後ということで、この5つをしっかりと説明していきたいと思います。それでは、次回またお会いいたしましょう。