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第363回 【Q&A】伸び悩む海外売上を改善させる方法とは? その2

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。前回に引き続き、「伸び悩む海外売上を改善させたい」というクエスチョン、質問に対しての解説を続けていきたいと思います。今日で2回目、その2ですかね。

じゃあ、スライドをお願いします。すみません。前回、この問いに対する解説をしていきました。ちょっとまた繰り返し読みませんけども、「伸び悩む海外売上を改善させたい」ということで、菓子メーカーさんからですね。

前回のお話の中で私が申し上げたのは、これはB2CでもB2Bでも、こういう漠然とした課題感というか、問題意識というのは非常に多くあって。こういう質問はよく出ます。このときに、前回の整理ですけども、やっぱり重要なのは、自分たちの今の現状の販売チャネルのパフォーマンスレベルをまず把握するということなんですよね。自分たちがレベル1なのか、2なのか、3なのか、4なのかということをやっぱり把握しないといけないし。競合を例えば100としたときに、自分たちが100よりも120とか130のチャネルのパフォーマンスレベルを持っているのか、もしくは20、30ぐらいしか持っていないのか。もし、20、30なんだとすると、どうやってその70、80を埋めていくのか。まさにここがチャネルの、さらなる成長をするためのチャネルのケイパビリティになるわけなんですけども、そこが具体的に見えてくるので。現状を可視化しない限り、さらなる成長ってなかなか難しいんですよね。事実を客観的に見るということはすごく重要で、僕らはそれを販売チャネルの診断というふうに呼んでいるんですけども。販売チャネルの診断をしていかないと、現実を客観的には見れないわけですよね。特に日本のメーカー、菓子メーカーとかになると、おそらく、ほぼディストリビューターの言いなりと言ったらあれですけども、ディストリビューターがこう言ったら、だいたいそれに従っていくしかないような状態になってしまっていて、ほぼ任せていると。輸出も多いと思うんですよね。現産現販していても、ほぼディストリビューター任せというようなところが多いと思うので。やっぱり、客観的に今の現状が見れていない。

そうすると、まずやるべきは、診断をするということはすごく重要で。基準値が持てるんですよね、診断をすると。基準値がないから、「なぜ伸び悩んでいるんだろう」「なんか伸び悩んでいる気がするんだよね。でも、一体伸び悩んでいるのかどうなのか分からない」と。数字だけ見ると微増、こんな成長じゃ駄目だと何となく分かっていて。でも、その要因が何なのか分からないというのは、まさに基準値が見えていないからなんですよね。自分たちのチャネルを診断すると、その基準値が見えてくるということになるので、絶対的に販売チャネルの診断をするということはまず重要です。そのときに有効な手段というのは、主要、主たる競合を100とした場合に、自分たちのチャネルのパフォーマンスレベルがどうなのかということを見ると。それを見ていくと、自分たちには何が足りていて、何が足りていないのかということが明確に数値で見えてくるので、そこを埋めていくということは大変重要です。

あと、よくあるのは、われわれがチャネル診断をしたときによくあるのが、「そもそも選んでいるディストリビューターが間違えているよね」というのは、中堅メーカーさん以下だと結構あります。この、そのディストリビューターだと、どれだけやったって到底難しいですよ、というケースですよね。あと、結局、独占を与えない、現実的には独占でその1社しか使っていないのに、何かあったらリスクだから、困るから、契約書上は非独占になっているわけですよね。でも、事実上は独占です。契約上は複数年契約をすることになっているんだけども、事実上は…。(00:04:07~00:04:15※動画カットされると思われる箇所ですので、その際は黄色マーカー部分を削除願います。)現実的には複数年の更新をしていくにもかかわらず、単年度契約になっているので、ディストリビューター側が独占でもないし、1年の契約で切れちゃうかもしれない。だったら、自分たち、投資できないよという、そういうマインドに陥ってしまっていて、なかなか本気で投資ができていないというケース、こういうケースも結構よく見受けられる。どうせそこしか使わないんだったら、独占をあげてしまえばいいんですよね。複数年、2年、3年の契約をしてしまえばいいんですよね。ただし、コミットメントをしっかり決めて、そのコミットメントが達成できなかったら単年度契約の非独占に切り替わるという契約にしてしまえばいいので。そうすると、ディストリビューターのモチベーションって全然変わってくるので、そういう契約書上の、守りだけを固めて全然攻めていない契約のためになかなかうまく伸び悩んでいるというケースもよくある。

あと、あるのが、ディストリビューターのスイートスポットと呼んでいるんですけども、ディストリビューターとメーカーって、ある意味利害は一致するんだけど、ある意味利害は一致しないという場面もあって。ディストリビューターが今持っている既存の経営資源だけを使ったら、ここぐらいまでの売上になります。でも、これ以上メーカーはやりたいんだけども、これ以上やろうと思うと、この経営資源を増やさないといけない。これはディストリビューターにとっては、さらなる投資なわけですよね。そうすると、今のこの現状がディストリビューターにとっては最もスイートなスポットで、これ以上のことをやると、労力もお金もかかるからあまりやりたくないと。そのスイートスポットにはまってしまっていると、ああでもない、こうでもないと言ってそこからなかなか出ないようにしようとする、ギリギリまでですね。ほとんどの場合、ディストリビューターは一族企業ですから、自分たちのファミリーの利益をしっかり守っていくということはすごく重要で、そこから出ないとかね、そういう傾向が大変強くあるということで、スイートスポットというのも気を付ける必要がありますよ。

というところで、今日も時間になったので、これぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。