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第375回 【Q&A】良いディストリビューターを選ぶポイントとは? その2

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、皆さんの質問にお答えをしていきたいと思います。

それでは今日も前回の続きで、スライドをお願いします。「良いディストリビューターを選ぶポイント」ということでお話をします。前回、良いディストリビューターを選ぶポイントとして、絶対的に必要なのはまずターゲットを明確にしてくださいと、「誰に売りたいのか」を明確にしてくださいと、そして、その「誰に売りたいのか」が明確になれば、「誰と売るか」が明確になりますよと。多くの日本企業は、「誰に売りたい」のかよりも「誰と売りたいのか」というところに神経が行ってしまい、この順番が逆になってしまう。「誰と」というのは、結局、この「誰に」売りたいのか、ここに売れる人が良いディストリビューターなわけなので、まずここを明確にするということをしないと、ただ大きいディストリビューターが良いとか、財閥系が良いとか、何とかが良いという話になってしまうので。基本的には「誰に売りたいのか」ということを最初に明確にするという、そういう話をさせてもらいました。

今日は、少し観点を変えて、この良いディストリビューターを選ぶポイントということについてお話をしていきたいと思うんですが。じゃあ、スライド、3つ目のスライドをお願いします。4つ目か。

この図なんですけども、縦軸が規模が大きい小さいで、横軸が取扱商品が近しい遠いと、右に行けば行くほど近い。どういうことかと言うと、規模に関しては分かりますよね。会社の規模が大きい、上に行けば行くほど会社の規模が大きいですよと。下に行けば行くほど小さいし、取扱商品が近いということは、自分たちが例えばネジを売っているとすると、右に行けば行くほどネジを売っているんですね。左に行けば行くほどネジとはまったく遠いようなものを売っていると。日用品であれば、例えば自分たちが洗剤を売っていれば、右に行けば行くほど洗剤、いわゆるノンフード系のディストリビューターだし、左に行けば行くほど食品に近かったりとか、そういう話ですよね。これをグループA、B、Cというふうにありますけども、一番左下が何もないのは、規模が小さくて商品の取り扱いも自分たちとまったく違うものを売っている。これは、自分たちが例えばお菓子を売っているのに…、まったく遠いと言うと、例えば、お菓子を売っているのに、鉛筆を売っているディストリビューターに「お菓子を売ってくれ」とは言わないので、基本的に取扱商品が遠くて、規模が小さいところはあり得ないわけ、一緒に組む可能性というのはゼロに近しいので消しているということです。

そうすると、基本的にはこのA、グループAですね、取扱品目も近く、規模も大きく、優秀なところを捕まえたいんだけども、結局、このグループAって競合の商品を取り扱っているグループなので、必ずしも皆さんの商品を取り扱ってくれるかどうか分からないグループなんですよね。結局、大きくなればなるほど、日本企業は後手に回っているので、もっと先進的な企業が先にその市場に必ずいますから、新興国市場だと。そうすると、その企業がもうすでに捕まえてしまっていて、日本企業の商品は取り扱えないよというケースが結構あると。なので、グループAは非常に良いんだけども、可能性が低いよねと。

グループBというのは、規模は大きいんだけども、ちょっと取扱商品が違うと。自分たちは食品メーカーなんだけど、彼らは日用品を売っているんだよねと。日用品のディストリビューターなんだよねと。このケースはなかなか一緒にやってもうまくいかない。同じ小売なんだけども、ターゲットは。なんですけど、やっぱり日用品と食品ってレーンも違うしバイヤーも違うので、一筋縄ではいかない。日用品に強いディストリビューターがいきなり食品に強くなるかと言うとそうではないので、ディストリビューターも大概フード系のディストリビューターなのか、ノンフード系のディストリビューターなのかに分かれるように…。分かれるようにというか、分かれているんですけども。そうすると、なかなかちょっとグループBというのは現実的じゃない。もし、オーナーが、ディストリビューターのオーナーが、「いや、うちは今、ノンフード系のディストリビューターだから日用品が中心なんだけども、フードに力を入れたいんだよね。ここに投資をしていきたいんだよね」みたいな背景があるのであれば可能性としてはありかもしれませんが、なかなかちょっとそうはならないですよというのがグループB。

そして、グループCは、まだ小さいが取扱品目は近い。取扱品目は近いんだけども小さいですと。小さいから、言ったらセリングパワーが弱いということですね、小さいということは。また、小さいということは、やっぱりキャッシュをあまり多く回せないという可能性が高い。なんですけど、やっぱり小さいのでコントローラブル、言うことを聞きやすいというのは1つメリットとしてある。

そうすると、現実的なのはこの赤枠、規模が大きくて、取扱品目がまあちょっとドンピシャじゃないんだけど、まあまあ近しいというところで選ぶのか、もしくは、規模が小さいんだけど、その中でもできる限り上で取扱品目が近しい、というところと一緒になって成長していくということがやっぱりすごく重要で。特に日本企業の場合、エントリー戦略としてディストリビューターと組むときに、あまり積極的に投資を結局できないから、すごく大きなディストリビューターと組んでも、彼らはもうすでに自分たちの売上の2割3割を有しているような欧米のブランドがいっぱいあるわけですよね。この欧米のブランドというのは積極的に投資をするので、日本企業とは投資スタンスも違う。そんな中で様子見しながらちょろちょろやるみたいなことだと、あまり優秀なチームもあてがわれないし、あまり本気になって大切にされないので、そういうのであれば、少し規模を下げて、僕はこのグループAとCの間のサークル、ここのディストリビューターを選んでいくというのがいいんじゃないかなというふうに思います。

なので、こんなマトリクスをつくって、ディストリビューターを分類して、セグメントして、絞り込んでいくというのも1つの手法ですので、皆さんも参考にしてみてください。

それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。