第409回 【現地取材】ベトナム コロナ後の伝統小売の景気は?
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、動画のタイトルにもあった通り、久々に現地視察の動画をこれから見てもらおうと思うんですけども。私、最後に海外に行ったのが、確か2020年1月のミャンマーなんですよね。それを最後にコロナ禍に突入して、もうほぼ海外には行くことができなくなりましたので、さすがにちょっと2週間3週間隔離されてね、行って帰ってと言うともう1カ月以上つぶすみたいなことになるので、まったく海外には行けていなかったと。その間うちも現地の従業員がね、すごく頑張ってくれて、このコロナを乗り越えてきたわけなんですけど。
約2年半ぶりになるんですかね。2022年6月27、28日とかその辺でベトナムのホーチミンに行ってきまして。ちょうど時間が余ったので、ベトナムの近代小売、ベトナムというのは、今、近代小売の数も増えていて、ちょっとどこまでを主要と捉えるかですけど、いわゆる近代と呼べるような小売が、結構チェーンストアの数が増えているので、今、7,000~8,000店舗ぐらいあるんですよね、近代小売が。それでも少ないんですけども。
一方で、伝統小売というのが50~60万店、60万店ぐらいあるというふうに捉えても問題ないと思うんですけど、60万店ぐらいありますよと。市場の約9割ぐらいは、この伝統小売、金額ベースで、小売市場というのは成り立っていて。この伝統小売の景気が一体どうなのかということを実際に伝統小売のオーナーさんにお話を伺ってきたと。極力、バイアスがかからないように行って、いろいろ聞いてきたんですけども。
大した動画ではないんですけど、ちょっと短い動画なので1回ちょっとそれを見ていただいて。なかなか景気が悪いんですよね。もう結論を先に言っちゃいますと、おばちゃん、しょんぼりしているおばちゃんがやっぱり多くて、もうその話はやめてというような、そんな印象が強かったので。ちょっと1回見てみてください。
【現地視察:店の前にて】
森辺:皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、2022年6月の20何日かな…、24日…、28日だ。ごめんなさい。火曜日。今、ホーチミンの郊外に来ています。コロナ後、実際にホーチミンのTTがどのような状況なのかをちょっと取材をしてみたいと思います。今日お伺いするのは後ろのTTショップになります。それでは、一緒に行ってみましょう。
【現地視察:店の中へ】
森辺:コロナになって、景気ってどうですか?
店主(日本語訳):今、普通に戻りました。
森辺:戻りました。2020年ってどんな感じでした? コロナになった当初。
店主(日本語訳):そのときは、お店閉めてた。
森辺:閉めてた。いつまた再会したんですか?
店主(日本語訳):去年の10月。
森辺:10月にね。
店主(日本語訳):政府が、もう開けていいって。
森辺:政府が、そうかそうか。閉めろっていう指示が出てたんですもんね。
店主(日本語訳):はい。
森辺:じゃあ、今はだんだん徐々に戻りつつあるっていうことね。
店主(日本語訳):(頷く)
森辺:ちなみに、何が一番売れてますか?
店主(日本語訳):ビール、水、あと、ソフトドリンクです、コーラみたいな。
森辺:飲み物ね。
店主(日本語訳):飲み物。
森辺:お菓子系って、何が一番売れてるんですかね?
店主(日本語訳):「Oishi」っていうスナックですね。
森辺:「Oishi」ね。「Oishi」さんね。
店主(日本語訳):スナック系が売れてるって。
森辺:もう売り切れちゃってるね、「Oishi」はね。なるほど、なるほど。分かりました。ありがとうございます。
【解説】
森辺:そんな感じで、どことなくおばちゃん元気がないのが分かると思いますけど、5割ぐらい、2019年を100とした場合にね、5割ぐらいしか戻ってないんですよね。今回の動画は、いわゆる住宅街にあるような小さめのTTですと。動画の最後にもあったけども、ああいうバイクでね、お兄ちゃんがバーッと来て、もう暑くて喉乾いたから、そこでジュース飲むとか、水飲むとか。そのついでにスナック食べるとか、そういう系が多いですよね。近くにあそこはイオンもあるので、少し離れたところに、生活日用品を買うっていうよりかは、どちらかと言うと、目の前通った人がバイクでピッとジュースを買ったりお菓子を買ったり、あと、近所の子どもたちが来て、そこでお菓子を食べたりと。でも、近所の子どももだいぶ見なくなったと、当然コロナだから外出禁止令も出てたし、家庭もやっぱり収入が減ってるので、子どもにお小遣いあげて「お菓子食べていらっしゃい」みたいな話にはなりにくいということを言ってたので、なかなか苦しいなと。
一方で、今度また動画で紹介しますけどもね、一方で富裕層が住んでいるようなエリアのTTはね、もう戻ってるんですよね、景気が。なので、やっぱりエリアによってだいぶ違うなというところがありましたけど、今回のはそんなような状態だったと。
もう1つ、近しいエリアで、これもまた住宅街なんですけど、日用品なんかを売っているTT。これは比較的近くに大きいスーパーがないので、そこで日用品なんかが買われるみたいなとこなんですけど、そこのちょっと紹介動画も見てみてください。
【現地視察:店の前にて】
森辺:皆さん、こんにちは、SPYDERの森辺です。今日は2022年6月28日、今、私、ホーチミンの郊外に来ています。後ろに見える日用品雑貨を扱うTTにコロナ後の景気について、ちょっといろいろと聞いてみたいと思います。それでは、行ってみましょう。
【現地視察:店の中へ】
森辺:コロナになってどうですか、景気は?
店主(日本語訳):全然、あまり売れてないです。
森辺:売れてない。一番つらかったのは、2020年と2021年と今年だと、どこが一番つらかったですか?
店主(日本語訳):2021年が、ロックダウンのときですかね。
森辺:今、コロナ前が100としたら、どれぐらいまで戻ってきてますか?
店主(日本語訳):50%もいかないです、まだ。
森辺:そうですか。それはそれは大変だ。ちなみに、このお店で一番売れているのは何ですかね?
店主(日本語訳):お水ですね。
森辺:お水ね。
店主(日本語訳):全体的にあまり売れてないんですけど。
森辺:そう。
店主(日本語訳):はい。
森辺:おばちゃん、ごめんね。嫌なことばっかり聞いて。
店主(日本語訳):向こうは、一番たぶん売れてるのはたぶんミルク、牛乳。ここは牛乳売ってないから。
森辺:なるほどね。分かりました。じゃあ、頑張ってください。景気は回復します。Thank you.
【解説】
森辺:いかがでしたでしょうか。ここのおばちゃんもね、元気なかったですよね。全然戻ってないと、5割ぐらいしか戻ってないということだったので。なかなか売れないで、水が売れるって言うふうに言ってましたけどね。本来はね、ああいうところって、もちろん水はね、どこへ行っても通行人が買っていくので売れるんですけど、どちらかと言うと日用品系のところは水よりもやっぱり日用品のほうが売れていくので、売上が逆転しちゃっているという傾向があって。日用品系のところで飲料もね、ついでに置いて、交通量が多いところだと、飲料が売れるから飲料を置くっていうケースはありますけども、あそこぐらいの交通量だと、そんなに大々的に飲料を置くっていうことはないんだけど、とにかくいわゆる彼女たちが主として売っている日用品が売れないので、売れるものを仕入れておくという、そういう状態になってきてしまっていて。もしかしたら、ああいうところもね、なかなか日用品が売れてこないと業態変更みたいな、商品が結構入れ替わっていくという可能性もね、全然あるので、だいぶ落ち込んでたというか、もう、すごい落ち込んでましたね。
ただ、ベトナム全体を通して、半分ぐらいマスクしてるんですよね。2/3ぐらいしてるかな、まだ、そとでもね、暑いのに。それはね、バイクに乗るからもともと彼らはマスクしているから、コロナのことどうかって気にしてないですよね。気にしてない。国民のもう9割はコロナに感染してるから、もういいよと、集団免疫だみたいな、そんな感じはあるので。ホテルなんかもね、やっぱりさすが白人なんかも結構いるんですけども、白人なんかはエレベーターに乗ってきても、白人というのはアメリカ人なんかはまったくマスクしてないし、ホテルの中でお客さんがマスクしてなくても、特にとやかく言われるような感じではないので、ホテルのスタッフはするけども、別にお客さんは各自自由ですよという、そんな状態なので、だいぶコロナだから気を付けましょうというムードよりかは、早く経済を元に戻さなきゃっていう、そういう状況のほうが多かったのかなというような気がしました。
まあまあ、今回はちょっと小さめな伝統小売を、TT、GTを見てきたわけですけどもね、また次回、少しちょっと富裕層のね、地域にあるようなGTも見ていきたいと思いますので、今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。