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第41回 「海外売上比率」ではなく、「現地シェア」

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みなさんのグローバル展開における経営指標は何でしょうか?日本企業の多くは「海外売上比率」を指標としています。しかし、それでは現地シェアは絶対に伸びません。経営指標とすべき、「現地シェア」について解説します。

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みなさんこんにちは。スパイダーの森辺です。
今日は「海外売上比率」よりも「現地シェア」が重要であるということについてお話しします。多くの日本の消費財目メーカーは、現地シェアの前に海外売り上げ比率を重要な経営指標としている企業は少なくありません。この海外 売り上げ比率を重要な経営指標にしている限り、現地でのシェアは絶対に伸びません。今日は「海外売上比率」よりも「現地シェア」が重要だということについて一緒に学んでいきましょう。

まず、最初に申し上げたいのは、海外 売上比率よりも現地シェアの方が圧倒的に消費財メーカーにとっては重要であるということです。多くの日本の消費財メーカーは株式上場をしてますので、当然多くのステークホルダーがいる中で、「私たちの会社は世界50カ国に輸出を行っている。そして、現在ではその輸出比率、つまりは海外売り上げ比率は全体の20%を超えました。」一見大変聞こえはいいのですが、いくら50カ国に輸出を行っていて、海外売り上げ比率が20%
を超えても各国のシェアが1%、2%であったら、それは本当 にその国で成功していると言えるのか。私は言えないと思います。例えば、輸出ビジネスをしているような企業、発想がチャネルビジネスにまだ行きついていない、輸出ビジネスの発想をしている企業は、基本的には海外売上比率を重要な経営指標としてしまう。したがって、日本 と世界というような見方をするため、各国の現地シェアというものがあまり重要な経営指標として評価されていない。一方で、チャネルビジネスに移行ができている先進的なグローバル消費財メーカーは、自国とその他の国なんていうような見方をしない。したがって、彼らの経営 指標は各国のシェアがどうなのかということだけが、唯一の重要な経営指標になっている。したがって、グローバル市場において大変シェアが高い。重要なのは、日本と海外ではなく日本のシェアがどれくらいなのか。海外のA国のシェアがどれくらいなのか。B国のシェアがどれくらいなのか、C国のシェアがどれくらいなのか、という見方をしなければならない。輸出ビジネスから、チャネルビジネスに脱却をしていって、世界で売り上げやシェアを上げていくためには、いかに海外 売上比率ではなく、現地シェアに拘るかということが大変重要になってきます。

それではみなさん、また次回お会いいたしましょう。