第428回 【本の解説】導入期における伝統小売攻略のKPI
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『グローバル・マーケティングの基本』 私が去年、日本実業出版社から出した本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。今日は、96ページ、「2-7 導入期における伝統小売攻略のためのKPI」ということでお話をしていきたいなというふうに思います。消費財メーカーが市場参入する際の導入期に伝統小売に参入していくわけですけども、そのときのKPIってどうあるべきなんですかということですよね。KPIってKey Performance Indicatorの略で、日本語では重要業績評価指数というふうに言われていますけども。指標を持たないと勝てないですよねと、どの指標を追うんですかと、業績にとって重要な指標って何ですかと言うと、もう2つしかなくて、1つがストアカバレッジ、どれだけたくさんの店に並べられるかということと、これは横軸というふうに私は呼んでいますけども、日本語で間口という、間口獲得、ストアカバレッジ。もう1つ、縦軸が、かつてはね、インストアマーケットシェアとか、ややこしい言い方をしてたんですけども、セールスパーストアというふうに、もう単純に1店舗あたりの売上というふうに言ったほうがいいと思うので、もしくはね、日本語で言うんだったら店頭シェア、店頭売上というふうに解釈をしてもらったらいいと思うんですけど。1店舗あたりで日販、週販、どれぐらい売れているんですかと。要は、置いたものが動かなかったら意味がないので、どれだけたくさんの店に置いて、それがどれだけたくさん売れ続けるかということが指標で、この2軸だけを追うということに本当に専念したほうがよくて。この2軸以外の指標を持ち込んだりとか、もうややこしいことをすると、中間流通、ディストリビューターとか小売含めて非常にごちゃごちゃしてくるし、新興国でビジネスをブレークスルーにはね、とにかく物事をシンプルに解釈するということが非常に重要で、Excel地獄とか絶対にやめたほうがいいんですよね。なので、KPIはこの2軸と。この2軸の結果指標しか追いませんと。結果が出ていないということはプロセスが悪いので、プロセスを読み解いていきましょう。そして、悪いところを修正していきましょう。修正できないなら変えていきましょうという、非常にシンプルにやっていくということが重要ですと。
2軸を追っていくんですけど、図で説明したほうがいいですかね。スライドをお願いします。結局ね、前回もお話したんですけど、前回のスライドをちょっと思い出してほしいんですけど、とにかくどれだけたくさんのストアに置けるかということがシェアを上げるということに結び付いてくるので、このステップ1からステップ2までありますけども、まずね、商品の取り扱いの店舗を増やすということが絶対重要なので、とにかく店舗に置いてもらう、間口をつくりましょうということはKPIの1つなんですよね。これは、ステップ1とステップ2ってほぼ同時並行で行っていくんですけども。置いたときに売れないと困ると。売れないということは撤去されてしまうので、間口数が少なくなってしまう。なので、店頭プロモ、BTLによって1店舗あたりでの売上を獲得するということをやっていくわけですね。店頭シェア、いきなり最初からATLで広告バンバン売ってというのもなくはないですけども、間口が獲れてないのに広告を打つと、先行投資の金額がだいぶ張ってくるので、基本的にはBTLで当面はいくということが非常に重要で、これをやり切らないといけない。ステップ3、これは、このステップと言っているけど、1終わったら2、2終わったら3というよりかは、もう1、2が同時並行的に、ちょっと物理的に1のほうが早いんですけど、もう、すぐ2が始まって、そして、3のこの間口と店頭シェアを上げていくという行為がずっと繰り返されると。右に赤字ゾーン、黒字ゾーンと書いてますけども、基本的に現法があるから伝統小売を狙っているわけですよね。輸出で伝統小売を狙うというのはなかなかちょっと特殊なケースなので、基本的には現法があると。現法があって、固定費がかかるということは、ある一定の間口数とある一定の店頭シェアがなければ絶対に利益は、赤字ライン、トップラインを超えてこないわけなので、基本的には赤字のゾーンにとどまっちゃう。なので、例えば、伝統小売7万店で日販1つ売れていかないと黒字ゾーンにはいけないとかっていうのがあるわけなので、そこまでとにかく1、2で突っ切るということがすごく重要で。黒字ゾーンに出たらステップ3の、さらに間口と店頭シェアを増やし続けるという、その行為を繰り返しやっていくということが非常に重要で。この導入期における伝統小売の攻略のためのKPIというのは、もう常に間口と店頭シェアですと、ストアカバレッジとセールスパーストアということを頭に入れて、これをどうやって効率的に動かすのかということだけに専念をするというのが非常に重要なのかなというふうに思います。
今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。