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第43回 導入期は「近代小売」と「伝統小売」を同時に攻める

テキスト版

グローバル市場に展開した後、いつまでも導入期に留まったままでいる日本企業は少なくありません。一方で先進グローバル消費財メーカーは定めた期間で法則的に成長期へ突入します。その違いには導入期における戦略の違いが影響しているのです。その導入期戦略の違いは何か、KPIの定方について解説します。

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みなさんこんにちは。スパイダーの森辺です。
今日は、欧米の先進的なグローバル消費財メーカーと日本の消費財メーカーの導入期戦略の違いについてお話しします。欧米の先進グローバル消費財メーカーと日本の消費財メーカーのアジア新興国市場における導入期戦略には、大きな違いが存在します。この違いが、日本の消費財メーカーをいつまでたっても成長期に押し上げる事なく、導入期に留めているという実態がございます。今日は、欧米の先進的なグローバル消費財メーカーと日本の消費財メーカーの導入期戦略の違いについて一緒に学んでいきましょう。

まず、最初に申し上げたいのは、欧米 の先進的なグローバル消費財メーカーは導入期から、伝統小売の攻略に着手するということです。この違いが、日本と欧米の先進的な消費財メーカーのマーケットシェアの差になってしまっている。結局、日本の消費財メーカーの多くは、この導入期にまず近代小売の棚を取ろうとする。アジア新興国の近代小売というのは、その棚を取るために導入費用がかかる。つまりは、リスティング費用であったり、各種プロモーション、協賛金などがかかる。それら費用を投資してでも、まずは近代小売の棚をとる。そして、そこ である程度売り上げが見えてから、伝統小売に着手しようという事を日本の消費財メーカーはする。一方で、欧米の先進的なグローバル消費財メーカーは、例えば、P&G、ネスレ、ユニリーバは導入期から近代 小売は当たり前にやりつつ、伝統小売の攻略に徹底的に投資をする。つまり、アジア新興国の最大の特徴は中間層が重要であり、30億人に拡大する中間層。そして、小売が伝統小売よりも近代小売の方が圧倒的に大きいこと。例えば、国によりその比率はまちまちですが、大凡近代小売は金額ベースで2割。そして8割が伝統小売である。これを店舗数に置き換えた場合、私は店舗数の事を間口数という風にも呼びますが、99 %は伝統小売。近代 店舗数なんて店舗数で見たときは1%にも満たない。例えば、ベトナム。ベトナムの近代小売の数は約1200店舗。それに対して伝統小売というのは50万店以上。ASEANで最も近代小売の多いインドネシアですら、近代小売の数は2万店強。それに対して伝統小売は300 万店以上存在する。そのような市場でいかにして導入期から、伝統小売のストアカバッレジを上げるという事をやらなければ、決して高いシェアどころか、黒字化する事も難しい。そのことを欧米の先進的なグローバル消費財メーカーはよくよくわかっている。したがって 、彼らのKPIは2つしかない。1 つは徹底的にストアカバレッジを上げるためのヨコ軸を伸ばすという事。近代小売だけでは十分にヨコ軸が伸びないために伝統小売にまでヨコ軸を伸ばしていく。そしてストアカバレッジを上げたという事はそこで1 店舗あたりのインストアマーケットシェアを上げなければいけない。1店舗あたりの売り上げを上げなければいけない。今度は縦軸である。この横軸と縦軸を伸ばすという活動を導入期から、近代小売だけでなく伝統小売含めてやるというのが消費財メーカーのやりかた。近代小売で売れるのを待って伝統ではなく、近代と同時に伝統をやる。なぜならば、近代 小売に売られているものを伝統小売は扱いたがるし、逆に伝統 小売のストアカバレッジというのは近代小売にも評価される。結果として近代小売の導入費を下げるという事もできる。したがってトータルで見たときにこれを導入期 にいかに同時に投資をしていくかという事が結果としてROIを高める事に繋がります。重要なのは、この導入期 でいかに近代と伝統を両方同時に攻めるか。むしろ近代小売を攻めるなんていうのは既に日本国内でも十分にノウハウがあるわけで、できて当たり前である。アジア新興国の最大の醍醐味は伝統小売の攻略です。この伝統小売を攻略しない限り、消費財メーカーは決して成長期に到達する事は出来ない のです。
それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。