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第431回 【本の解説】「地域一番店」的伝統小売の見分け方

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『グローバル・マーケティングの基本』 私が昨年、日本実業出版社から出した本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。

今日は、2-10、105ページです。「「地域一番店的」伝統小売の見分け方」ということで、伝統小売にもいくつかのレイヤーがありますよというお話を何回か、前回かな、前々回にしたと思うんですが。そのいくつかのレイヤーがあって、当然、上から狙っていくということが一番効率がよくて、言ったら規模の大きめの伝統小売を狙うと。地域一番店ですよね。伝統小売って、1ブロックとか2ブロックの中にやっぱり一番大きな地域の一番店というのがあって、国によってはその地域一番店が問屋の機能を成していたりするんですよね。伝統小売で売るものって、そんなに小さいところだとそんなにたくさんもないので、自分たちで個々に仕入れに行く場合もあるんですけど、その地域一番店が問屋を担っていて、そこに仕入れをお願いして、昔で言う頼母子みたいなかたちでそこに仕入れの一切をお願いしているというケースもあるし、もちろん問屋が、本当の純粋な問屋がいて、そこからもらうということもあるんですけど。インドネシアとかだと伝統小売をワルンと呼んで、問屋をグロシールというふうに呼ぶのですが。このグロシールというのがいわゆる地域の100店舗とかのワルンのために仕入れを一括して行うみたいな機能を有していたりするんですけど。できる限り地域一番店から押さえていくというのが伝統小売の鉄則で。より交通量の多いところ、交通量の多いところに伝統小売ってあるし、もちろん住宅街の中、地域のその住宅街で人々が生活をしている中で、生活をしているその居住エリアの中でも大きなところがあるので、交通量が多いか、居住エリアで人口が密集しているところ、こういうところに地域一番店というのはあるんですよね。

居住エリアみたいなところの中って、なかなかわれわれが普通に入っていかないですよね。住んでいなかったらそこに入らないですから、交通量の多いところというのは結構車で通ったりするので目にして見るんですけど。現地の人たちが住んでいるエリアに入るというのは、何か目的があって、誰かを訪ねる目的とかで入っていかないとなかなか目にしないので、普通に現地に行ったぐらいではなかなか見ないですよね。中に入っていかないと見ない。今日は、その居住エリアを中心に、写真を実際に見せて、どういうところが地域一番店なのかと、その特徴みたいなことをちょっと説明していきたいなというふうに思うのですが…。

スライドをお願いします。最初のスライド、これは地域一番店、居住エリア、この右と左に道がありますけど、このダーッと奥まで左右に家があって。これはマニラの郊外ですね。まずね、地域一番店って見た目的にそこそこ大きいわけですよね、本当に小さい伝統小売というよりかは、そこそこ本当にこれぐらいの大きさで。ここに「セレクタ」と書いてますけど、これはアイスなんですよね。ユニリーバが展開しているアイスで。ASEANだとウォールズのブランドでやっているんですけども、フィリピンだとまだセレクタというブランドでやっていたりするので。このウォールズとかセレクタのアイスの看板があったりとか、冷蔵庫を支給されるので、そういうところってやっぱりある程度アイスが売れると見込まないとメーカー側も冷蔵庫を支給しないので、そこが1つの特徴ですよね。あと、こういうユニリーバとかネスレの看板とかがしっかりついていたりとか、メーカーの傘があったりとか、コカ・コーラの傘があったりとか。椅子セットみたいのがついているところもあるんですよね。あれはメーカーがプレゼントしているんでしょうね。そこで買った飲み物をそこで座って飲めるようなパラソルみたいなものがね、ついていたりとか。あと、SIMカードの取り扱い。SIMカードの取り扱いをしているところもなかなかちゃんとしているようなところなので、そういう、何を売っているかというところから地域一番店を判断していく。

次のスライドをお願いします。フィリピンの住宅街へ行くと、こういう小さいね、本当におばちゃん1人でやっているような、おじちゃん1人でやっているような、こういう小さいところがいっぱいあって、もう、こういうところは本当に月の売上数千円とか、そういうレベルなので。7,000円ぐらいと言っていたかな、僕、聞いたときにね、何年か前ですけど。なので、こういうところを個々にやっていってもなかなか効率が悪いので、やっぱり大きいところをやっていくという。

次のスライドをお願いします。このスライドもね、右側に袋菓子が10個入り、1個にボーンとまとめてありますけど、これは小さいポテトチップスとかスナック菓子が10個20個、1つの袋にボーンと入っていて。こういう仕入ができるところというのはやっぱり大きいですよね。店員もね、3人ぐらいいるんですよ。中、これは暗いですけど、中を覗くと3人ぐらいいて。やっぱりいつも人がこう来て、何かを「あれくれ」「これくれ」と、中の店員がそれを取ったりするわけなんですよね。店じゃないのでね、カウンターみたいになっていて、商品が見えて、手が届かないところの「あれ取って」「これ取って」とやるので、こういうところはやっぱり大きいですよね。

次のスライドをお願いします。これも同じですね。この白い服を来た人の左側に卵がありますけど、卵とかね、パンを置いてあるところというのはね、非常に顧客数が多いというふうに、地域に根付いているというふうに判断ができるので、ここもやっぱり地域一番店であり得る可能性が非常に多い。なぜならば、賞味期限があるわけですよ、卵とかパンなんていうのは。そうすると、それをその日のうちに売らないといけないので、「これだけのものが売れますよ」という自信があって仕入れているわけですから、やっぱりそれなりの人が朝から晩まで来るということなんですよね。これもちょっと暗くて恐縮ですけど、店員がね、奥に何人か見えますけど、そういうところですよね。

次のスライドをお願いします。これははっきり店員のおばちゃん、ピンクのシャツを着たのが2人見えますけどもね、これも卵があって。これはさっきの、前の写真のちょっと明るくフラッシュをたいた版だと思うんですけど、こんな感じで非常にたくさん。これも全部フィリピンですよね。

なので、こうやって見分けていくというのが非常に重要で、見ていくと。特にネスレとかユニリーバ、そうですね、P&G、コカ・コーラとかが非常に機材なんかを提供しているようなところは非常に力が入っているというふうに判断ができる。あと、SIMカード系の取り扱いがあるとかね、それから、賞味期限が短い卵とかパンを取り扱っているとかいうところは非常に規模が大きいので、そういうところから効率的に攻めていくというのが非常に重要になってきます。

今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。