HOME » 動画番組 スパイダー・チャンネル » 第459回 【本の解説】組織のマネジメント体制の可視化

動画番組 スパイダー・チャンネル

第459回 【本の解説】組織のマネジメント体制の可視化

新刊はこちら » https://www.amazon.co.jp/dp/449565019X
定期セミナーはこちら » https://spydergrp.com/seminars/

テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日も引き続き、この『グローバル・マーケティングの基本』 私が1昨年前に日本事業出版社から出した本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。だいぶ進みましたね。今日は3-13で153ページです。もうちょっとですね、200何十ページの本なので、もう少しでこの解説も終わると思います。

では、3-13、153ページにいきたいと思います。「組織のマネジメント体制の可視化」ということで、前回、「組織体制の可視化」というものが重要だというお話をしたと。主要競合がどういう組織体制で動いているのか、キー・アカウント・マネジャーが何人いて、その人たちがどのエリアを担当していて、そのエリアには何社のディストリビューターがいて、みたいなことをしっかり把握をして。結局、組織と組織のぶつかり合いがマーケットで市場で起きてシェアを奪い合うわけなので、どういう組織で戦っているのかというのは大変重要なわけですよね。向こうの組織が100という組織で戦っていて、こっちが10しかなかったら、これは90の差があって、これはどれだけ1人あたりのパフォーマンスが高くても、日系企業の場合はむしろそこでディスアドバンテージがあるわけなので、高いということはなくてむしろ低いわけで、そうすると、どんどん、どんどん、差が開いてしまうわけですよね。そうすると、その組織体制の可視化が重要ですよ。今日は、その組織がどういうマネジメントを行っているからこういう結果になるのかと。要は正しい組織で、正しいプロセスをやるので結果がついてくるわけですよね。だから、その可視化した組織が一体日々どういう活動をしているのかと。その活動をどういうふうにマネジメントしているから高いシェアという結果がついてきているんだという、このマネジメント体制側もしっかり見ていく必要があって、そのお話が今回のお話です。

スライドをお願いします。これは左側の「組織体制の可視化」というのが前回お話した話で、どういう組織と戦っているのか、そもそもここがやっぱり比べてみて、全然違ったら、やっぱりそれは日々補っていかないといけない。組織を補うって、リクルーティング会社を使ってパンパンパンとやればすぐに組織が完成するのかもしれませんけど、それが馴染んでくるのにはそれなりの時間がかかりますし、まあまあいきなり採用して人を増やすなんていうことはできませんから、徐々に徐々に組織を最適化していかないといけない。その優秀な組織もやっぱりマネジメントの体制が悪かったら、まったくもってパフォーマンスが上がらないということもあり得るわけですよね。要は、優秀な組織がどういうふうにマネジメントされるかでパフォーマンスというのは全然変わってくるので、当然もっとも効率の良いパフォーマンスをどういうふうにさせているんだろうということをやっぱり可視化していかないといけない。セールススーパーバイザーが日々どういう動きをしているんだろうと。新規顧客の開拓と既存店のフォローって、これはまったく種類の違う仕事ですよね。既存店のフォローというのは、追加注文を取って現金回収してみたいなことを繰り返していくわけですよね。一方で新規店というのは、だいたい伝統小売のおばちゃんおじちゃんも、2回3回通ったら確実にモノは置いてくれるんですよね。結構お涙頂戴が通じる世界なので、まだまだ。なんですけど、売れなかったら、セルアウトしなかったら二度と取り扱いをしてくれない、敗者復活戦がなかなか難しいというような状態なのではあるけども、置いてもらうということはお涙頂戴でなんとか置いてもらえると。この新規の活動をどういうふうに分けているの?担当が全然違うんですか?新規担当者と既存担当者は違うんですか?と。でも、そうすると、効率が悪いですよね。既存店に新規の商品を置いていくケースというのもあるわけですから。まったくの新規店舗を獲るということであれば、まったくこれは違うプロセスに乗せてもいいですけども、既存店に新規商品を置いてもらうというと、やっぱり今の通っている担当者がやるというのがいいので、それをどういうふうにやっているのか。例えば、MTとTTはどういうふうに分けているんだろうと。TTの担当者がMTをやるなんていうことはまずないので、基本的にはここはきっちり分けられているとか、そういうことを見出していく。もっと言うと、地域割りはどうなっているんだろう、何キロ以上の移動はよしとしているんだろう。行って帰っての時間がもったいないわけですから、バイク移動をだいたいさせているわけですけども。そうすると、ある程度の離れた地域は、その離れた地域で人を採用して、操法型で毎日決めた伝統小売を回るみたいなことをやっているケースだってあるわけで。そんなにやたらめったら支店をポンポン、ポンポン、出していく必要というのはまったくなくて、基本的にはそんなふうな体制を組んでいると。もしくは二次店を使っているという。いろんな体制があるので、それはどうやっているんだろうみたいなところを見ていくというのがこのマネジメント体制の可視化であって。

こういうことを見て仮説検証を繰り返していくと、この図のとおり、自社の型として「こういうふうにやるとシェアが伸びていくし、新規店が増えていくし、TTでの取り扱いも増えていく」みたいな型を手に入れることができる。この型が手に入ると、それを水平展開することができるので、非常に業績が伸びてくる、シェアが伸びてくるということになるんですよね。この型を手に入れるまでがトライアンドエラーでいろんなことをやりながら、失敗しながらやるんですけど。ここで失敗をすると当然痛いんですけども。こういう可視化なくして闇雲にトライをして失敗をすると、先が見えなくなっちゃうので、立ち上がるのがなかなか大変で、息切れしちゃって、途中で断念して、せっかくやり続けたらうまくいくのにやめちゃったとか。だからこそ、この可視化が重要で。今うまくいっている企業がどうやっているのかということを可視化すると、1つのなんとなくの目標値みたいなのがおぼろげでも見えてくるので、そこに向かってトライアンドエラーを繰り返すということが非常に重要で。人間はまったく先の見えないところでトライアンドエラーをすると、多くの人がやっぱり途中で挫折をしてしまうので、この主要競合を可視化するということは大変重要であるということでございます。

今日はここまでにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。