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第483回 【本の解説】伝統小売(TT)で売るための2つの必須条件

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『グローバル・マーケティングの基本』 日本実業出版社から私が出している本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。

今日は210ページ、「4-14 伝統小売(TT)で売るための2つの必須条件」ということでお話をしていきたいなというふうに思います。伝統小売でね、商品、消費財を売るためには、これから申し上げる2つの必須条件をクリアしないと売れませんよということでございます。まず1つ目が、近代小売で売れ筋になるということが非常に重要。売れ筋とまで言わなくとも、ある程度目立った存在になるということはすごく重要で、近代小売でそれなりに存在感を示すと。なぜならば、伝統小売というのは非常に狭いスペースに商品が置かれていて、結局速く回転していく、よく売れるものしか置きたくないわけですよね、パパママのお父ちゃんお母ちゃんも、オーナーさんたちは。在庫になってしまうとか、返品はもちろんできませんし、埃をかぶってしまったら自分で食べるしかなくなってしまうので、確実に売れるものしか仕入れないという傾向があります。そうすると、やっぱり近代小売でどれが売れているのかな、これが売れているんだということで、売れているものしか仕入れませんよというのが1つ。

もう1つが、伝統小売で売るためには、伝統小売で売れる仕様になっていないといけない。例えば小分けにするとか、1つから、ばら売りで買えるとか、タバコなんか1本から売っていたりとか、飴なんかも1玉から売っていたりとかしますよね。それは20個入りの飴を買ってきて、バッと袋を開いてかごに入れて1個からいいよと売っているケースもあれば、例えばチュッパチャップスなんていうのは、伝統小売で売れるために、チュッパチャップスって大きいわけですよね。棒のところに飴が付いているわけですけど、その飴を小さくして安く売ったりとか。例えばスニッカーズなんかも、これぐらいの大きさなわけですけども、この一口サイズにして、さらに近代小売はクーラーが掛かっていますから涼しいですけど、伝統小売っていうのは日陰、商品は日陰に置いてあっても、それなりにクーラーなんか掛かっていないですから、外で暑いわけですよね。それでも溶けないようにコンパウンド、材料を変えて、チョコじゃないわけですよね、チョコに見えるけども、そんなようなことをしたりとか。だいぶいろいろと工夫をしていると。そういうことをするということがすごく重要で。なぜならば、伝統小売の最大の魅力というのは、今欲しい分だけが買えるということが最大の魅力なんですよね。例えば頭痛したときの薬も24錠買いたくないわけですよ。今のこの頭痛は2錠飲めば治るのに、残りの22錠は将来頭痛いつするか分からないもののために置いておく、こんなお金の無駄なことはなくて、彼らにとっては。なので、仮にこの2錠が割高だったとしても、10%20%高かったとしても、今欲しい分だけを買うという、これが新興国はどこでもそうなんですよね。なので、飴でもそうですよね。20個入りの飴で、また今度食べるからいいやとかじゃなくて、今舐めたい1つが欲しいと、今吸いたい1本が欲しいと。インドのすごく田舎のほうに行くと、まだ水の回し飲みみたいなものをやっててびっくりするんですけど、1本買うお金がもったいないので、ひと口ガブガブッと口を付けないでみんな回し飲みしていくという、そういうのもあるぐらいなので。アフリカとかでもまだありますよね。なので、今欲しい分だけを買える状態、仕様にするという、この2点が大変重要であるというのが1つでございます。

でね、ちょっと伝統小売の写真いっぱいあるんだけど、今ちょっとパッと出てくるのがね、すみません、スライドをお願いします、この4枚ぐらいしかないので。これは全部フィリピンなんですけど。1枚目の写真、かなり小さい、これは住宅街の中にあるような小さな、お菓子だけを売っているようなとこなので、本当に子ども相手の小さなところ。これ、ちょっと話が逸れますけど、網が付いていますよね、この盗難防止というか、襲われないような網が付いていて。フィリピンは銃の所有もできるので、まあまあASEANの中では比較的怖い国ということで、こういうあれが付いているんですけど。新興国に行くと、伝統小売の鉄格子の太さによってその国の治安が分かるというふうに僕はすごく思っていて、フィリピンなんかはまだ網なのでね、これは壊そうと思ったら思いきり壊せるわけですから、まあまあそんなに危険じゃないと。一方で、アフリカの、ちょっとここ怖いなというような感じのするような地域へ入っていくと、本当に鉄格子、牢屋みたいな鉄格子なので、なかなか中に絶対入れないというところ。ちょっと防弾ガラス的なものが付いているというようなところとか、ちょっと外から銃を構えられたら隠れるスペースがちゃんとあるというような感じにね、防弾ガラスをやるとなかなかまた大変、商売大変なので、サッとしゃがんだら、そこは届かないようになっていたりとか、そういう工夫がしてあるので。なかなか治安が悪そうだなというのは、僕は伝統小売の鉄格子を見て判断するんですけど。ちょっと皆さんも新興国へ行ったら参考にしてもらって。

この次のスライドなんかそうですけど、これはほら、小さな右の袋菓子がいっぱいありますけども、これは10個20個小さな袋菓子がいっぱい包んであって、昔日本でも駄菓子屋でありましたよね、プロ野球カードの付いたポテトチップス、非常に少ない容量でね、それを20袋とかが1セットになって。彼らはフィリピン特有で、この番組でもお話しましたけど、ピュアゴールドとかね、フィリピンの3大小売の1つ、ピュアゴールドから仕入れてくるアリンプリンプログラムというのがあって、伝統小売のオーナー向けのそういうプログラムがあって、伝統小売が近代小売から仕入れるという非常にユニークな流通構造が成り立っているので、そこから仕入れてきているわけですよね。フィリピンなんかは特に特殊で。あと、この左上のほうにサシェットになってね、これはコーヒーとか、紅茶とか、シャンプーとかね、ボディソープなんかが1回使いきりのサシェットで売っているという、そんなものがあったりとか。

また次のスライド。こういうね、サシェットが上からバーッと飾ってありますけど。卵が置いてありますよね。中央下のほうに卵が置いてありますけど、これ、卵が置いてある、こういうね、腐ってしまう、日持ちしないものがこれだけ置いてあるというところはね、かなりお客さんが来ているところなんですよ。店構えもでかいし、ここは店員が何名かいるのが、ちょっと薄暗いですけど、右と左に白いシャツを着た女の子、店員がいますけどね、そういう店員がいる時点でかなり大規模な地域一番店的なもう伝統小売なので、何だろうな、グローサリーとまでは言わないけども、だいぶ、あくまで伝統小売なんだけども、だいぶ地域一番店で。こういうところはこれだけの卵がね、今日売れてしまうんですよね。だから、これだけ出ていると。あと、パンなんかも日持ちしないので、置いてあるところはでかいところです。
最後のスライドをお願いします。4枚目のスライド。ほら、これもピンクのシャツを着たお姉さんが2人いますけどもね。卵も置いてあって、サシェットでこのネスカフェとかね、コピコとか、こういうのがいっぱい置いてあるわけですよね。なので、こういうところは非常に大きいと。もう指名買いなので、基本的に「何買おうかな」と探しにくるんじゃなくて、「あれが欲しい」と指名買いなので、基本的に「何とかください」と言うと、奥から出してくるみたいなね。大きいものはちょっと奥から出してくるみたいな、そういう傾向もあるので。

高級住宅街なんかの場所によっては、ちょっと来客が来たときにクッキーを出すようなね、まあるい缶々で、クッキーをいっぱい詰めてあるようなやつ、昔の日本でもありましたけどもね、そういうやつがあったりとかね。今は日本でもね、さすがにそういうのってないですけど、百科店の地下のお土産屋さんに行って、虎屋の羊羹買ったりとか、ヨックモック買ったりとか、そういう話ですけど。もっとね、カジュアルと言ったらあれですけど、彼らにとってはすごくお客さんをもてなすための高級クッキーなわけで、400円500円ぐらいするのが伝統小売で実は売っていたりするので、伝統小売の最大の特徴は、今使いたい分だけを買える状態にするということはもちろんなんだけども、場所によってはね、おみやげ、贈答品用途で、来客したときのおもてなしのクッキーとか、そんなものが結構売れると。ロッテのチョコパイなんかもね、1個入りから売っているところももちろんあるんだけども、結構、あれは5個入りなのか、6個入りなのか、大きな箱で売っていて、こんなの伝統小売でどうするんだろう、バラして買うのかなと思ったら、箱買いして、お客さんが来たときに出したりとかっていう、そんなケースもあるので、そこは1つちょっと注意点になりますね。

ということで、「伝統小売で売るための2つの必須条件」ということでお話をさせていただきました。今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。