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第484回 【本の解説】伝統小売攻略のためのKPI

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『グローバル・マーケティングの基本』 日本実業出版社から私が出している本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。

今日は213ページ、「4-15 伝統小売攻略のためのKPI」ということで、Key Performance Indicatorですね、このことについてお話をしていきたいと思います。伝統小売の攻略をしていく上で、ディストリビューターとどういうKPIを設定すべきかということなんですが、前回の動画でディストリビューターの管理育成が重要ですよと、そのディストリビューターとKPIを共有して、それがしっかりと維持されているかということを管理をしていく必要があるんですよと、その管理というのは非常にシンプルにすべきだというお話をしましたけど。結局、消費財メーカーが市場で高いシェアや売上を上げ続ける上で一番重要なのって、ストアカバレッジとセールスパーストアなんですよね。どれだけたくさんの店に置けたかということと、その1店舗あたりの売上がどれだけ上がっていくかということがもっとも重要なこの2軸、KPIを基本的にはどれだけたくさんの伝統小売に置けたのかということと、その伝統小売での売上がどうなんだというこの2軸だけをしっかり見ていくと。

この本ではインストアマーケットシェアと、ストアカバレッジとインストアマーケットシェアというふうに言ってますけども、最近、僕、言い直していて、インストアマーケットシェアと言うとね、ちょっと長いし誤解を生むので、もうシンプルにセールスパーストア、1店舗あたりの売上と、ストアカバレッジはストアカバレッジで変わらないと、日本語にすれば間口だし、セールスパーストアはそのまま1店舗あたりの売上というふうに定義をしています。

この横軸、図をちょっと出してもらって、このストアカバレッジ、横軸、どれだけたくさんの店に置けるかということと、伝統小売に置けるかということと、その伝統小売1店舗あたりのセールスパーストア、売上がどれだけ上がっていくかということがシェアの拡大とか売上を上げていく上で非常に重要で。ストアカバレッジというのが、どれだけたくさんの店に置けるのかというのが、基本的にはディストリビューターの役割ですよね。その置いたものがどう売れるかというのは、もうこれはメーカーのプロモーションをどうしていくのかということに関わってくるわけで、日本みたいに知名度があったりとか、すでに皆さんの会社の商品のことを知っている人たちの市場ではないわけですよね、アジア新興国市場、アジアに限らず新興国市場、そうすると、店先に並んでも、知らないものには手が伸びないということになりますので、基本的にはやっぱりBTLからATLに向けてプロモーションをしっかりと打っていかないといけないので、セールスパーストアが上がらないのは基本的にはメーカーに責任がありますよと。ストアカバレッジが伸びないのは基本的にはディストリビューターに責任がありますよという。この2つの約束事を、これは同時並行的に、同時、車輪2つで動いていますから、どっちかが伸びても駄目なんですよね。ストアカバレッジだけがダーッと伸びても、結局1店舗あたりの売上が悪ければ在庫になってしまうし、もう伝統小売のオーナーは二度とその商品を仕入れないということになりますから、基本的にはストアカバレッジを伸ばしながら、セールスパーストアを上げていくということを、1店舗あたりの売上を上げていくということをやっていかないといけない。これをKPIに設定するというのが非常に重要で。それ以外のことをごちゃごちゃやっても意味がないと。これが売上に直結する、シェアに直結するので。

もう少し細かく言うと、ストアカバレッジも、どういう規模の伝統小売に置くんですか、伝統小売と言ったって規模がいろいろあるわけですよね。地域一番店から、それこそ本当に無許可のござを敷いたようなお店みたいなのもあるわけなので、そのエリアエリアでドミナントで進めていく必要があって、その中でどのレイヤーの伝統小売まで獲るのかということの設定と、じゃあ、その伝統小売のお店のどの位置にだいたい置いてもらうんですかと。レジのおばちゃんが現金を受け取る、囲われているところのすぐ前なのか、それともどこなのかという、ここぐらいまではしっかりと決めて、このストアカバレッジの伸びを見ていくと。インドネシアで447万店、フィリピンで80万店、ベトナムで66万店かな、ぐらいある伝統小売なので、欧米の先進的なグローバル企業と言うと、それを20万店とかね、25万店とか、そういうレベルで獲っているわけですね、伝統小売を。うちの試算でもね、だいたい4万店~5万店ぐらい獲っていかないとなかなかROIが悪くなるので、基本的にはまずは1万店2万店3万店と、どんどん、どんどん、伸ばしていくということが非常に重要ですよと。重要なのはエリアを絞って活動を進めるということ、ドミナントで絶対やらないと駄目です。近代小売に基本的に入らないと伝統小売では取り扱いをしてもらえないので、近代小売にとにかく集中的に入れていくと。近代小売に集中的に入れていく中で、近代小売の周辺の伝統小売から狙っていくというのが鉄則で。基本的には首都ですよね。ASEANで言うと、どの国もバンコクだ、タイならバンコクだし、マレーシアならクアラルンプール、インドネシアならジャカルタだし、フィリピンならマニラと、ベトナムならホーチミンとハノイという話になるわけで。そうすると、そのエリアの伝統小売、もっと言うと、それをもっと細分化しないといけないので、ホーチミンでも何区の伝統小売から始めていきますかということをやっていく。そこで成功体験をつかんで、それをディストリビューターと一緒に彼らの基準値にしていくと、標準値にしていくということをやって、徐々にエリアを拡大していかないと、闇雲にバーッとやっても間口が分散して、結局1店舗あたりの売上は上がらなくて、伸びなくて今度は縮小していくみたいな話になるので、狭いエリアを限定して、そこで集中的にやっていくということが非常に重要です。

あと、伝統小売はディストリビューション・ネットワークをつくるということがすごく重要で、基本的にはどのエリアもできるなんていうのはあり得ないので、伝統小売に配荷してくれるようなディストリビューターというのは基本的には小さいところが多いと。大手を使っていてもサブディストリビューター、2次店3次店を使っているなんていうケースがあって、言ったら配達をするみたいな、配達して現金を回収してくるみたいな、セールス機能が非常に弱いとかね、ベトナムとかだとないみたいな話が多いので、基本的にはエリア毎で任せていく、ベトナムだったら5区はあなたに任せますよ、1区はここに任せますよ、何区はここに任せますよみたいな、エリアでやっぱりディストリビューターを決めていくということが重要ですねというお話でございます。
基本的にはこのストアカバレッジ(間口)と、あとセールスパーストア(1店舗あたりの売上)、この2軸だけを管理していって、これがなぜ上がらないのか、どうしたら上がるのかだけを徹底的に考えれば、基本的にはシェアや売上というのは上がる。それ以外のことを一生懸命やっても、結局ストアカバレッジが上がっても1店舗あたりの売上が伸びなかったらシェアも売上も上がりませんから、全部をこの2点に集中させて、ディストリビューターとのKPIもここですということで握っていくということが大変重要ですよというお話でございました。

ようやく4章がこれで終わりで、次回から第5章、「中小企業のためのグローバル戦略」ということで、いよいよね、この番組で中小企業向けの話をするのはそんなにないんですけど、中小企業のお話を第5章でやって、6章がケーススタディーか、6章でケーススタディーなので、あと2章分ですということでございます。やっている間に私の新しい、ASEAN6の販売チャネルに関する本が、もう出版社に出していますから、今、編集作業に入っているので、それも今年度中に発売されると思うので、来年度ぐらいからまたその解説もしていきたいなというふうに思います。

では今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。