第495回 【本の解説】ディストリビューターの管理育成はシンプルに
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『グローバル・マーケティングの基本』 日本実業出版社から私が出している本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。今日は241ページ、「5-7 ディストリビューターの管理育成はシンプルに」ということで、現地について学び、任せるふりをして管理するということでお話をしていきたいと思います。スライドをお願いします。この5-7のスライドのこの管理育成、赤いところですね、契約締結までを前回お話したので、いざ契約締結をしたら、じゃあ、あとはもう任せて終わりかと言うと、そうじゃなくて、やっぱり管理育成をしていかないといけないと。この管理育成も、大企業と中堅中小企業だったら、やる濃淡というのはもう全然、簡易的でよくて、ただ、自分たちメーカーの意識として、ちゃんと管理育成しないといけないんですよということをしっかり頭に入れておく。
育成に関してはね、製品研修とか、営業研修みたいな話なんですけど。製品研修はね、自分たちの商品を一番知っているのは自分たちなので一番いいですよね。一方で、営業研修みたいなこともやっぱりしっかりやっていかないといけなくて、メーカーがね。そうすると、その国のマーケットのことを自分たちがしっかりスタディしないといけない。自分たちはつくる人で、ディストリビューターは売る人、現地のことはディストリビューターのほうがよく知っているから、もう全部丸投げですみたいなスタンスでやっていくと、結局どこかで息詰まる。どこかまでは売れたとしても、どこかで息詰まってしまうんですよね。だって、ディストリビューターとメーカーって利益が相反してしまうところがあるんですよね。どこかお互いが共通の利益をずっと並行して持ち続けるかと言うと、そうじゃないと。ディストリビューターはこれぐらいの売上で止めておきたい。なぜならば、これぐらいの売上が一番彼らにとって利益率が良いからと、これ以上売上を上げようとすると、人を雇ったり、経営資源を投下したりしないといけないので、一時的に利益率が悪くなるのでここまでにしたいとかって、そういう思いが途中で働いたりするんですよね。なので、必ずしもずっと一心同体じゃなくて、常にパワーバランスを計っていかないといけない。そんな中で、マーケットのことを常にスタディするというスタンスがまず必要ですよということと。
あと、管理というのはね、これは中小企業ができる管理って限界があるんですけど、やっぱり年に何回かはしっかりと訪問するということをやる。そのときに当然ディストリビューターに乾杯乾杯されて、彼らが見せたい現場にだけ連れていかれて、見せたくないところには連れていかれないというケースが多いんですけど、いかに彼らが見せたくないところ、駄目なところ、そこを見せられるかということがすごく重要で、「良いところと駄目なところ、両方見せて」というお願いをしっかりするということはすごく重要で。その駄目なところが課題なわけなので、そこを一緒に解決しようよというスタンスをね、こちら側から向こうに言ってあげるというね、当然メーカーの人が来ると言ったら、良いところを見せたいというのは、これはディストリビューターの心理ですから、「いやいや、そんなことはいいんだよ。皆さんが困っているところ、うまくいっていないところ、その現場に連れていってくれ。そこを一緒に何とかしよう」ということがまさに管理育成の育成だったりもするし、管理だったりもするし。
管理は指標なんですよね。自分たちの目標を達成するために最も重要な指標って何かってなると、ほとんどの場合は、どれだけたくさんの顧客に売れるかということと、その1顧客あたりどれだけたくさん買ってくれるかという、この縦と横の軸しかないので、これの横の軸、どれだけたくさんのお客さんに売れましたかというところがまさにディストリビューターにお願いしているところで、その1顧客でどれだけたくさん買ってくれたかというのは、どちらかと言うと製品の問題だったり、メーカー側の問題だったりするわけですよね。そうすると、このどれだけたくさんの顧客に売れたか、これがマンスリーでどれぐらいやるのか、年間どれぐらいやるのか、だから、3億になるんですみたいな計算があるわけで、それがまさにKPIなわけですよね。指標ですよね。この指標をしっかり追っていく。最低でもマンスリーで追っていかないと、1カ月で追っていると遅れは2カ月は最低出るんですよ。ウイークリーで追っていくと遅れは3週間、3weeksは絶対出るので、われわれなんかはウイークリーで追いますけど、基本的にマンスリーでは絶対に追っていったほうがいいということで、管理育成も意識をしてくださいね、というお話でございます。
じゃあ、今日はこれぐらいにしましょうかね。以上にしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。