HOME » 動画番組 スパイダー・チャンネル » 第550回 FMCG ベトナム小売市場 その1

動画番組 スパイダー・チャンネル

第550回 FMCG ベトナム小売市場 その1

新刊はこちら » https://www.amazon.co.jp/dp/449565019X
定期セミナーはこちら » https://spydergrp.com/seminars/

テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。今日は、ベトナムの小売市場のお話をしていきたいと思います。小売市場なので、対象はFMCG、消費財メーカーですね、食品・飲料・菓子・日用品等の消費財メーカー向けの話になります。

では、スライドをお願いします。ベトナムの小売市場規模ということで、まずちょっと市場規模から整理をしていきたいのですが、この図の通り、2022年の最新のデータは、ベトナムは21.3兆円が小売市場規模です。ちょっとすみません。ただ、この図をつくったときに為替が136円で換算しているので、今の為替で言うと25兆円ぐらいになるのかなというふうに思います。ベトナムの小売市場規模25兆円で、この小売市場規模25兆円って一体どれぐらいなの?ということなんですが、日本の小売市場規模がおおよそ150兆…、160兆弱ぐらいですかね、157兆ぐらいだったと思いますので、それと比べると、もうベトナムの市場、小売市場規模は25兆円なので、まだまだちょっと小さいのかなと。ただ、ベトナムという国単体で見てはいけなくて、ASEANはASEAN6で見ていくと。ASEAN6全体の小売市場規模で言うと、150兆円を超えているので、日本の小売市場規模ともほぼ変わらない状態になっています。昨今、ASEAN圏内での人・モノ・カネ・情報の動き、関税撤廃の動き、非常に著しく、お互いが今まで以上に結びつきが強くなっているので、基本的に日本の主要都市みたいなかたちで見ていくのが僕はいいなというふうに思います。単体でベトナムだけを見れない市場、ASEAN6の中のベトナムというふうに見ていかないと、ベトナムだけで考えるとなかなかちょっとビジネスがうまくいかないので、基本的には少し引いた、全体を捉えた目と、グッとフォーカスをした、両方の目でしっかりと見ていく必要がある。

このベトナム市場なんですけども、次のスライドをお願いします。この25兆円の市場規模って、どういうふうに構成されているかというお話なんですが、左が主に食品・日用品を取り扱う主要な近代小売のチェーンの店舗数の合計ですね、SPYDERでカウントした最新の近代小売の主要店舗数、主要な近代小売の店舗数8,200店舗あるというのがベトナムの市場でございます。一方で右が小売市場(食品及び日用品カテゴリー)における近代小売と伝統小売の比率(金額ベース)というふうに書いてありますが、伝統小売と近代小売の比率ですよね。これも最新のデータです。伝統小売82%で、66万店存在します。パンデミック後の最新データで66万店。これを見て分かる通り、基本的には伝統小売なくしてベトナム市場でのシェア獲得、高いシェアを獲得したりとか、利益を獲得したりということはもうあり得ない市場で、いかに伝統小売を獲っていくかというところが非常に重要な市場で。なおかつ、日本の消費財メーカーの多くはこの伝統小売の獲得に課題を抱えていて、この伝統小売を獲得するためには、この8,200店舗の近代小売でそれなりの存在感を出すということと同時に、この66万店のうちの数十万店を獲っていくわけなんですけど、その数十万店でどれだけディストリビューション・ネットワークをしっかり張りめぐらせて、それをうまく機能させるかということが非常に重要になってくる。チャネルの話ですよね。なので、大変重要で、そこが各社の課題になっていますよと。そうは言っても、やっぱり近代小売なくして伝統小売はないので、伝統小売のオーナーというのは近代小売の売れ筋しか扱いませんから、基本的には近代小売を獲っていかないといけない。

次のスライドが、この主要なスーパーとコンビニの、ベトナムのプレイヤーになるんですが、これに関しては、ちょっと今日は時間が来てしまったのでこれぐらいにして、次回、プレイヤーのお話を引き続きパート2ということでやっていきたいなというふうに思います。それでは皆さん今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。