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第551回 FMCG ベトナム小売市場 その2

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、ベトナムの小売市場についてお話をしていきたいと思います。対象はFMCG、食品・飲料・菓子・日用品等の消費財メーカー、FMCG周りの製造業になります。

では、早速スライドをお願いします。前回の続きですね。今日はベトナムの小売市場パート2ということで、前回の続きで、主要なスーパーマーケットとコンビニエンスストアの紹介です。これらが8,200店舗、主要どころがあって、そこに対してどうやってしっかり存在感を示していくかということが、まずベトナムの市場ではすごく重要で。それがなされて初めて伝統小売のオーナーとのお話になってくるし、伝統小売にモノを置くというのは、基本的には物理的な話で、頼めば置いてくれます。ただ、それがセルアウトしていかないと、結局オーナーから「こんなもの売れない」と返されて、敗者復活戦がなかなか難しい市場なわけで。そうなってくると、もう逆に手間ばかりかかってしまうので、いかに近代小売で売れ筋になるか、そして、伝統小売のオーナーがそれを取り扱いと思うかということがすごく重要で、その意味でもこの近代小売というのは非常に重要だという話でございます。

まず1番目、スーパーの1番なんですけど、これね、推定売上規模を順に書いてあって。未上場なこともあって、売上が公開されていないんですよね。それを弊社のほうで推計をして出しているんですけど、1番がウィンマートです。これはもともとビンマートというふうに言われていたんですけど、コングロマリットのビングループによって、このもともとのビンマートというのは設立されていて。ただね、業績がやっぱりうまくいかなかったんですよね。2021年に食品メーカーとか食品流通大手のマサングループというのがこれを買収して、ビンからマサンが買って、ビンマートからウィンマートにブランド名を変更したんですよね。当然、不採算店舗を削って整理統合をやって運営効率を改善して、今はだいぶ良くなってきているというふうに聞いていますけども、そんなのがまずこの1番上のウィンマート。

2番手がコープマートで、これはホーチミンの商業協同組合連合、サイゴンコープの傘下のスーパーなんですよね。現在でもベトナムで一番店舗数が多いんじゃないかな、スーパーだと思います。一応、ブランドはね、コープマートとかね、コープマートSCAとか、コープスマイルとか、ファインライフとか、コープ・エキストラとか、いろいろあるんですけど。スーパーが確か128店舗で、ミニスーパーでも400店舗ぐらいあったんですかね。あと、グローサリーとか、コンビニとか、100店舗ぐらい展開しているという、そんなあれで。結構ね、商業センターの中とか、市街地の中心部とか、集合住宅内とか、交通の要所みたいなところに必ずあるので、ベトナムに行ったことある方はね、だいたいホーチミンの中でこれを見ていると思いますけどもね、こんなのが2番手のコープマート。

3番手が、これはタイのセントラルグループのビッグCなんですよね。ビッグCってもともとフランスのカジノグループの傘下の小売チェーンだったんだけど、ベトナムに20年以上前に進出しててね、すごい早かったんですよね。確かベトナムに最初に進出した外資の小売チェーンだったと思うんですけど、その後、タイのセントラルグループに売却されて、現在はセントラルグループの傘下ですよということで。ただ、ビッグCも2020年にやっぱり業績が伸び悩んでいるということでブランド名をGO!に変更しているんですよね。だから、今、GO!というふうになっていますけども、3番目がビッグCと言ってもGO!と言ってもいいですけど、が3番手です。

次がね、4番手がBJC、タイ、これもタイの企業ですね。BJCTCCグループのメガマートですね。もともとメガマートの原型はね、ドイツのメトロ・キャッシュ&キャリーっていうやつなんですよね。これをタイのBJCTCCが買収して現在に至っているという感じでございます。あと、その次がイオンか。イオンですね。イオンは皆さんもご存じの通りで、ホーチミンに2009年だったかな、第1号店を開業して。当時はいろいろ言われたんですよ。そんなの出してね、2009年にね、そんな早いとかね、ベトナムでそんなニーズはないとか、いろいろ言われたんだけども、結局蓋を開けたら成功しているということで、非常に賑わっていますよね。今、6店舗ぐらいやっているのではないですかね。非常に大きなモール型のスーパーですけども、そんなのをやっていますと。次に最後、6番にロッテマートがいますけど。

コンビニもね、コンビニもこれ、1位がマサングループのビンマート。さっきのスーパーのウィンマートと一緒ですよね。たぶんコンビニもね、ビンからウィンに徐々に変わっていっているので、まだ全部ちょっと変わっていないんだけども、ウィンマートに最終的にはなっていくのかなと。これが3,000店舗ぐらいあって。サークルKが400店舗なので、だいぶ1位と2位の差がね、もう開きまくっているという、そんな状況で。3番手がサトラフーズがやっている180店舗あるコンビニ。ホーチミンとその周辺が中心になりますけど、こんなところのやつと。4番手が韓国のGS25ということで160店舗ぐらいで、日本のファミリーマートが143店舗で5番目に来て、6番目にコープスマイルという103店舗ぐらいやっているコンビニが来るという、こんな感じですかね。

まあまあ、ベトナムの近代小売は外資系の存在が結構早くから参入して、ケーススタディとしては学ぶものが結構あったのではないかなと。ドイツ系・フランス系が早かったわけですよね。彼らの早過ぎた失敗、やっぱりすごくタイミングってあるんですよね、適切なタイミング。少しやっぱり早過ぎたかなという。最終的にはタイの企業に買われていくことになるわけですけども、そういう意味ではね、そういう特徴的な面白い市場なのかなと。あと、外資規制の撤廃も当初の予測より遅れたのでね、そういう意味でフランス系・ドイツ系はなかなか大変だったということでね、メトロ・キャッシュ&キャリーは2014年に撤退を決めているのでね。一方でイオンなんかは2014年に出て、3年で黒字化を達成しているわけですから、ちょうど本当にギリギリ間に合わなかったという、そんな感じの市場なのかなというふうに思います。

それでは今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。